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キュンチョメのアートデート
No.012
東京芸術劇場
ゲスト:アーティスト/北川貴好さん
東京芸術劇場でコンサートを楽しんだキュンチョメのホンマエリさんとアーティストの北川貴好さんの二人は、余韻に浸りながら劇場内を散策することに。すると、コンサートホールの入口がある5Fだけでも、いたるところにアート作品を発見。美術鑑賞もできる劇場の魅力を紹介します。
撮影:林道子


天井画シリーズ

東京芸術劇場のコンサートホールで「ナイトタイム・パイプオルガンコンサート」を満喫したキュンチョメ・エリと北川貴好さんは劇場内を散歩した。広大なこの劇場は、散歩するにはもってこいだ。

コンサートホール内のホワイエ壁面は多田美波《調 Phrase》
コンサートホール内のホワイエ壁面は多田美波《調 Phrase》

北川 実は予備校生のとき、この劇場の近くに学校があって。だから、前をよく通ってた。もちろん中に入ったこともある。

エリ 実は私も、ここの近くの学校に通ってて、毎日、この前の西口公園を通っていました。卒業後も、地下の劇場やプレイハウスにはよく行きますね。

北川 この劇場ができたころ、建築は「ガラス勝負」の時代で。それ以前は壁面の素材としてガラスを使うことはなかったんだけど、その頃、急に流行りだして。ガラスの建物がやたらに増えたなぁ。

エリ むっちゃ贅沢にガラスを使ってますよね、ここ!

北川 最近のガラスの建物はフレームが見えないようにするのが主流だけど、この頃はフレームが丸見え。それが案外、おもろい。天井のキャットウォーク(作業用の通路)もむき出しで迫力あるし。

エリ あらためて見ると、こんなに張り巡らされてるんだ!

北川 ちょっと歩いてみたい気もする。

エリ 行ってみたーい。でも、無理無理。

北川 ここに、作品か何か吊ってみたくなるよな。

エリ 「フェスティバル/トーキョー」(国際舞台芸術祭)の時、椿昇さんがバルーンの巨大オブジェを吊っていましたよ。

北川 この空間なら、そら、やりたくなる!

しばらく散歩すると、日本のフレスコ画の第一人者である絹谷幸二が描いた3点の天井画シリーズが目にとまった。まずは「天(蒼天の人)」を見上げた。

エリ あ、あ、あ、あ、あ……。

北川 どないした?

エリ 「あ」という字がたくさん書いてある。

北川 えっ、どこどこ?

エリ ほら、人の口のあたり。

北川 あっ、ほんまや! なんかしゃべってんのかなあ?

エリ あれ、アルファベットも書いてある。

北川 この絵、どうやって描いたんだろ。ここで描いたんかなあ?

エリ あ、こっちの絵(「地(東京の太陽)」)は東京タワーや皇居、富士山に東京駅だ! 東京が一望できる!

北川 スカイツリーができる前の東京やな。

エリ 次の絵(「人(ローマの友達)」)、これはコロッセウム?  東京からいきなりローマとは!

北川 演劇のルーツってことかなあ?

エリ なるほど、そういうことか! ああ、でも、首が痛い……。

北川 確かに。ずっと見上げてるからな。

エリ 絵の下にソファがあると、ごろーんと寝転んで見られるのに。

北川 そら、ええアイデアや。寝転がって絵を眺めてみたい。

絹谷幸二 「天・地・人」より《地(東京の太陽)》
絹谷幸二 「天・地・人」より《地(東京の太陽)》

絹谷幸二 「天・地・人」より《人(ローマの友達)》
絹谷幸二 「天・地・人」より《人(ローマの友達)》


大型タペストリーも

エリと北川さんは、劇場内散歩を続けた。チケットを持っていなくても自由に歩けるエリアにも数々の作品が設置されている。笹戸千津子の「シャツ・ブラウス」や掛井五郎による「犬も歩けば足の上」といったブロンズ像、それに滝川嘉子のガラス彫刻「迷宮へ-明日への記念碑」などを鑑賞。そして、内井乃生が手がけた横1.8×縦3.6メートルの3点の大型タペストリー「TOKYO COSMO」が並ぶ一角に足を運んだ。

笹戸千津子《シャツ・ブラウス》
笹戸千津子《シャツ・ブラウス》

掛井五郎《犬も歩けば足の上》
掛井五郎《犬も歩けば足の上》

北川 いきなり天井が高くなるのか!

エリ おしゃれな空間! 天井のあかりといい、まんまるの窓といい、いい感じ。

北川 このタペストリー、思わず触りたくなるなあ。

エリ うん、ふかふかそうだし。

内井乃生《TOKYO COSMO》
内井乃生《TOKYO COSMO》

北川 それにしても、東京芸術劇場にこんなにたくさんの作品が設置されてるとは知らんかった。何度も入ったことあるのに。

エリ ここは地下で駅と直結していて、通りがかりの人もいる。そういう人も楽しめそう。

北川 うん、知らなかったら、こんなに奥まで来ないけど、知っていたら行きたくなる。これまでは怖くて、ここまでは入れなかった。エレベーターを上がって5階まで来ても、「あ、おれ、チケット持ってないし」と引き返していたし。立ち入りできないエリアだと勘違いしていて……。

エリ 一緒、一緒。上がってきて、「うわー、天井高ーい、空間でかーい」と思ったら、すぐに降りてたし。

北川 若い頃から知ってる建物なのに、今日はほんま発見が多かった。劇場の中で冒険をしたみたい。まだドラクエのテーマが頭ん中に響いてるわ。

エリ その話、バックナンバー読まないとわかりませんっ!


構成/新川貴詩

もっと知りたい! 東京芸術劇場

オーケストラの演奏に適したコンサートホールをはじめ、演劇やダンスなどを中心としたプレイハウスと2つの小ホール(シアターイースト/ウエスト)やギャラリーなどがある総合文化施設。施設内には多くのアート作品が点在している。今年は開館25周年を迎え、様々な記念イベントを予定。公演スケジュールの詳細はウェブサイトで
http://www.geigeki.jp

キュンチョメ

ホンマエリ(1987年、横浜生まれ)と、元引きこもりのナブチ(1984年、水戸生まれ)による二人組アート・ユニット。結成は2010年。今年2月、「第17回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」で、最高賞にあたる「岡本太郎賞」を受賞。それ以前にも「群馬青年ビエンナーレ2012」(群馬県立近代美術館)に入選。主な個展に「ここではないどこか」(2013年、素人の乱12号店 ナオ ナカムラ)、「なにかにつながっている」(14年、新宿眼科画廊)など。4月には青山の岡本太郎記念館での『岡本太郎の「生命体」』展に参加。
http://kyunchome.main.jp

キュンチョメキュンチョメ

北川貴好(きたがわ・たかよし)

1974年、大阪府生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。建物に無数の穴を開けたり、公園に大量の古タイヤを持ち込むなど、自然や人工物に手を加えた作風で知られる。主な個展に「フロアランドスケープ − 開き、つないで、閉じていく」(アサヒアートスクエア)、グループ展に「チャンウォン彫刻ビエンナーレ2014」(韓国)など。
http://www.takayoshikitagawa.com/

北川貴好(きたがわ・たかよし)

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