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キュンチョメのアートデート
No.004
「ミッション[宇宙×芸術]−コスモロジーを超えて」
ゲスト:アーティスト/八谷和彦さん
キュンチョメのホンマエリさんと、おじさまアーティストとの「アートデート」。前回に引き続きメディアアーティストの八谷和彦さんと一緒に、東京都現代美術館の展覧会「ミッション[宇宙×芸術]−コスモロジーを超えて」を紹介します。この展覧会にも、八谷さんの関わった作品が出品されています!
撮影:林道子 作品写真提供:東京都現代美術館


寝ころんで星空を

東京都現代美術館の「MOTコレクション特別企画 クロニクル1995−」でここ20年の現代アートの動向に触れたキュンチョメ・エリとメディアアーティストの八谷和彦さんは、企画展「ミッション[宇宙×芸術]−コスモロジーを超えて」の展示室へと赴いた。同館学芸員の森山朋絵さんの解説で出品作を巡った。

森山 このところ、小惑星探査機「はやぶさ」が戻ってきたり、その2号機の打ち上げがあったりするなど、宇宙に対する関心が高まりつつあります。一方、美術の分野でも人工衛星の技術や宇宙線などを用いた作品制作が昔から取り組まれてきました。そこで本展では、リアルな宇宙とアーティストによるイマジネーションの宇宙を楽しく体験的に紹介します。

エリ 宇宙だけじゃなく、芸術も扱うんですね。

森山 ええ。たとえば、大平貴之さんの「夢幻宇宙」は、室内空間の全周囲に映し出すスーパープラネタリウムを用いて……。

八谷 うわっ、デートにうってつけ!

エリ ほんと、がちデートだ!

八谷 あ、あそこにクッションが! エリさん、並んで寝転んで星空を眺めましょうか。

エリ うっとりしてきたー!

ナブチ 星に関する解説ガイドとかがなくて、お勉強路線ぽくなくて、いいですね。

エリ&八谷 ナブチ、いたんだ!?

大平貴之 《夢幻宇宙》 2014 サウンドデザイン:有馬純寿
大平貴之 《夢幻宇宙》 2014
サウンドデザイン:有馬純寿

キュンチョメの地味なほう、ナブチの出現に目もくれず、エリと八谷さんはしばし星に包まれた。いつまでもソファに居座ろうとする二人は、編集部の催促にようやくしぶしぶ立ち上がった。作品巡りの再開だ。

森山 本展には、アートインスタレーションだけでなく、多様な領域の作品・資料も展示されています。たとえば、こちらをご覧下さい。

八谷 あ、松本零士さんのまんがだ!

森山 ええ、『火星ホテル』の原画です。それから、こちらも貴重な資料です。

エリ ロケットや宇宙飛行士の切手だ! しかも、いろんな国のものがある。

森山 宇宙切手のコレクター、辻野(照久)さんの膨大な収集品から、国や時代別に選んで展示しました。辻野さんはJAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究者でもあるんですよ。さらに本展には、人工衛星の試験機やロケットの模型なども展示されています。それから、なつのロケット団によるロケットや試作機が展示されているのも、本展の特徴のひとつです。

学芸員の森山朋絵さんの解説で会場を回った。 背後の作品は、名和晃平 〈Ether〉シリーズ 2014
学芸員の森山朋絵さんの解説で会場を回った。
背後の作品は、名和晃平 〈Ether〉シリーズ 2014

松本零士《宇宙博物史・火星ホテル》1992-97 日本宇宙少年団機関紙「L5」掲載 ©松本零士
松本零士《宇宙博物史・火星ホテル》1992-97
日本宇宙少年団機関紙「L5」掲載 ©松本零士


民間でロケットを飛ばす

なつのロケット団とは、民間でロケット開発に取り組む稀有にして夢に満ちたグループ。メンバーには堀江貴文さんやまんが家のあさりよしとおさん、それに八谷さんも名を連ねる。

すずかぜの備品を前に
すずかぜの備品を前に

八谷 これは、去年の夏に打ち上げ試験をした「すずかぜ」です。模型じゃなくて実機なんですよ。この「すずかぜ」、速度は音速を越え、高度は6300メートルに達しました。

エリ えー、音速越えですかー!? 何がどうすごいのか、よくわからないけど、とりあえず、すごいー!!

八谷 いや、成功ばかりじゃありません。去年の3月に打ち上げ予定だった「ひなまつり」は失敗して射場で炎上しました。機体の一部は爆散しましたし、記録用に設置したカメラも燃えました。

エリ カメラ、どろどろだ。

八谷 でも、SDカードは無事だったんですよ。

エリ フィルムだったら危なかった。

八谷 うん。で、他のロケットや人工衛星は成功例ばかり展示されていますけど、ぼくらは失敗の事例もあえて見せています。そうすることで、ロケット開発のエキサイティングな一面も見せたくて。

森山 そして本展には体験型作品もあり、楽しく宇宙空間を疑似体験できます。その一例が、福原哲郎&東京スペースダンスによる「スペースダンス・イン・ザ・チューブ」。どうぞ、中に入ってみてください。

エリ うわっ、何、この布? すごく柔らかくて、体を動かすとのびる、のびるっ! わわっ、前に進もうとすると、なんだか、ふわっと浮き上がるみたい。

森山 無重力空間に近い感覚が体験できるんですよ。

八谷 あ、けっこう気持ちいいっ。これ、こどもが絶対に喜びそう。

エリ いや、こどもに独占させるのはもったいないよ、これ!

そしてエリと八谷さんは、またもや長居を続けるのであった。

福原哲郎&東京スペースダンス 《スペースダンス・イン・ザ・チューブ》 2014
福原哲郎&東京スペースダンス 《スペースダンス・イン・ザ・チューブ》 2014

チームラボ《憑依する滝、人工衛星の重力》2014
チームラボ《憑依する滝、人工衛星の重力》2014


構成/新川貴詩

もっと知りたい!  東京都現代美術館

絵画からファッション、建築など幅広い分野の現代美術を鑑賞できる美術館。1995年の開館以来、大規模な国際展や約4700点の収蔵作品を活かした常設展示を開催している。リアルな宇宙とイマジネーションの宇宙を行き来する「ミッション[宇宙×芸術]−コスモロジーを超えて」は、8月31日(日)まで開催。

キュンチョメ

ホンマエリ(1987年、横浜生まれ)と、元引きこもりのナブチ(1984年、水戸生まれ)による二人組アート・ユニット。結成は2010年。今年2月、「第17回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」で、最高賞にあたる「岡本太郎賞」を受賞。それ以前にも「群馬青年ビエンナーレ2012」(群馬県立近代美術館)に入選。先月、新宿眼科画廊にて個展「なにかにつながっている」を開催。
http://kyunchome.main.jp

キュンチョメキュンチョメ

八谷和彦(はちや・かずひこ)

1966年、佐賀県生まれ。九州芸術工科大学(現・九州大学芸術工学部)画像設計学科卒業。90年代前半頃よりメディア・アーティストとして活動を開始し、主な個展に「オープンスカイ in 霧島 八谷和彦展」(霧島アートの森、鹿児島、2011)、「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機、作ってみた―」(3331 Arts Chiyoda、東京、2013)など多数。また、東京芸術大学美術学部先端芸術表現科で准教授を務める。
http://www.petworks.co.jp/~hachiya/

八谷和彦(はちや・かずひこ)

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