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キュンチョメのアートデート
No.008
江戸東京たてもの園 「ジブリの立体建造物展」
ゲスト:アーティスト/松蔭浩之さん
キュンチョメのホンマエリさんとおじさまアーティストと二人で、都内のお勧めの展覧会を訪問するアートデート。前回に引き続き、小金井の江戸東京たてもの園で、写真家としても活躍する松蔭浩之さんと園内を散策します。
撮影:林道子


映画を彷彿とさせる建造物

江戸東京たてもの園で企画展「ジブリの立体建造物展」を満喫したキュンチョメのホンマエリと松蔭浩之さんは、展示室の外に出た。広大な敷地には、商店や住宅、農家など30棟の復元建造物が並ぶ。こちらでもまるでスタジオジブリの映画のような世界が楽しめる。

エリ あ、路面電車だ! まるで「千と千尋の神隠し」みたい。私は千尋役をするから、松蔭さんはカオナシで!

松蔭 カオナシ? ああ、ぬぼーとした、あのキャラか。わかった、無表情に徹するか。

エリ じゃあ、わたしは心細い感じで。

園内の路面電車。車両のなかに入ることもできる
園内の路面電車。車両のなかに入ることもできる

そして、都電のそばには、あたかも商店街のように店舗が並ぶ。江戸東京たてもの園の若林昇子さんが解説してくれた。

若林 茅葺きの民家を再現した施設は他にもありますが、当園のように、昭和の下町の雰囲気を残したところは珍しいと思います。

エリ ええ、初めて見ました。

若林 こちらは武居三省堂です。神田須田町にあった文具店で、店内の様子は昭和30年代を再現しています。並べてある文具は昭和60年代(移築時)のものです。

エリ あれ? この店の感じ、何か見覚えがある……。

若林 宮崎駿監督がこの建物を気に入って、これをヒントの一つにしたといわれる場面が「千と千尋の神隠し」にも登場します。

エリ ああ、この大きな引き出しを開けるシーン、覚えてる!

若林 当園と宮崎駿監督はいろいろとご縁がありまして、当園のマスコットキャラクターの「えどまる」は、監督によるデザインなんですよ。

松蔭 実際の商品が並んでいるのも面白い。このノート、昔使っていたよ。それからこの砂消しも。

昭和30年代の店内の様子が再現されている武居三省堂
昭和30年代の店内の様子が再現されている武居三省堂

エリと松蔭さんは乾物屋や荒物屋、傘屋などを巡り、銭湯へとやってきた。

松蔭(解説文を読んで) この子宝湯は昭和初期に千住に建てられたのか。石川県から気に入った職人を呼んできてつくらせたらしい。

エリ ぜいたくー! のれんがなければお寺かなと思っちゃうくらい立派。しかも、なんとなく油屋っぽい。

松蔭 中に入ってみようか。

エリ 広ーい! あ、富士山だ!

子宝湯の浴場
子宝湯の浴場

そして下町の通りを後にした一行は、常盤台写真場へと向かった。昭和12(1937)年に建てられた写真館兼住宅だ。建物の2階は撮影スタジオとなっている。

エリ 天井が高くてかっこいい! 大きな窓から差し込む光もいい感じ。松蔭さん、写真撮って下さいっ。

松蔭 よっしゃ、任しとけ!

常盤台写真場2階。※通常の展示では撮影室のなかには入れません
常盤台写真場2階。※通常の展示では撮影室のなかには入れません


歴史の現場に立ち会う

さらに二人は、高橋是清邸を訪れた。

若林 赤坂にあった住居の主屋の部分だけを移築しました。本当はもっと広大だったんですよ。

エリ これでも十分に広い!

若林 この高橋邸は、園内でも人気のある建物のひとつです。やはり歴史の現場ですし(※高橋是清は1936年、二・二六事件で自邸にて暗殺された)、それに庭を楽しむ方も多くいらっしゃいます。

エリ 庭はいつ頃が見頃ですか?

若林 四季折々の眺めが満喫できますが、紅葉が一番人気がありますね。

松蔭 なるほど、紅葉か。

若林 ですから11月後半から12月初頭がお勧めですね。

松蔭 惜しいな。もうちょっと遅く来ればよかったわけか。

エリ でも、この対談が掲載される時期に、ちょうどいい。絶対、きれいだと思う。

松蔭 うん、また来たくなってきた。

エリ それにこの江戸東京たてもの園は、カップルのデートに向きそう。絶対に楽しいし。でも、歴史に詳しくないと、ちょっとぼろが出るかも。

松蔭 いや、歩いているだけでも十分に楽しいよ。茅葺きの農家も見られるし、大きな庭を散策するうちタイムトリップができるのが、ここの魅力だからね。

高橋是清邸にて、江戸東京たてもの園の若林昇子さん(右)の解説を聞く
高橋是清邸にて、江戸東京たてもの園の若林昇子さん(右)の解説を聞く


構成/新川貴詩

もっと知りたい! 江戸東京たてもの園

1993年に開園した野外博物館。江戸時代から昭和初期の建造物が建ち並んでいる。2015年3月15日(日)まで開催中の「ジブリの立体建造物展」では、スタジオジブリのアニメーション作品に登場する個性的な建造物の制作資料やミニチュアを展示。また、11月22日(土)〜24日(月・休)には紅葉とたてもののライトアップが行われ、闇の中から浮かび上がる幻想的な風景を楽しめる。
http://tatemonoen.jp

キュンチョメ

ホンマエリ(1987年、横浜生まれ)と、元引きこもりのナブチ(1984年、水戸生まれ)による二人組アート・ユニット。結成は2010年。今年2月、「第17回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」で、最高賞にあたる「岡本太郎賞」を受賞。それ以前にも「群馬青年ビエンナーレ2012」(群馬県立近代美術館)に入選。主な個展に「ここではないどこか」(2013年、素人の乱12号店 ナオ ナカムラ)、「なにかにつながっている」(14年、新宿眼科画廊)など。
http://kyunchome.main.jp

キュンチョメキュンチョメ

松蔭浩之(まつかげ・ひろゆき)

1965年、福岡県生まれ。アーティスト・グループ『昭和40年会』の会長。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。在学中に平野治朗とアート・ユニット「コンプレッソ・プラスティコ」結成し、90年にヴェネツィア・ビエンナーレに参加。以来、個展やグループ展多数。主な個展に「日常採取〜A DAY IN THE LIFE」(ギャラリー サイトウファインアーツ、神奈川、2014)など。

松蔭浩之(まつかげ・ひろゆき)

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