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キュンチョメのアートデート
No.009
東京都庭園美術館
ゲスト:ギャラリスト/小山登美夫さん
11月22日、東京都庭園美術館が3年間の改修工事を経てリニューアルオープン。同館は1933(昭和8)年に建てられた旧朝香宮邸を美術館として公開、この秋からは新館もリニューアルされました。キュンチョメのホンマエリさんのアートデートのお相手は、この美術館にも縁が深い、ギャラリストの小山登美夫さんです。
撮影:林道子


可能性を広げるホワイトキューブの新館

キュンチョメのホンマエリとギャラリストの小山登美夫さんは、11月にリニューアルオープンした東京都庭園美術館にやってきた。実は小山さん、この美術館に縁のある方だった。

小山 エリさんはこの美術館に来たのは初めて?

エリ いえ、2回目です。小山さんは?

小山 実は、ここが開館する時にアルバイトをしていて……。

エリ えー、そうだったんですかっ!?

小山 開館は1983年だから、大学の1年か2年だったかな、美術館でバイトすると近くで作品が見れると思ってね。

エリ 学芸員のアシスタントだったんですか?

小山 違う違う、掃除のバイト。

エリ ま、まさかの掃除のバイトとは〜!

小山 朝、早くてねぇ。6時半くらいだったかな、始まるのが。もう30年も前だから覚えてないや。でも、開館記念展の「グッゲンハイム美術館展」が毎日見られるのがうれしくてね。それに、一般の人が入れないエリアに入れるのも楽しみで。

案内してくださった東京都庭園美術館の板谷敏弘さん(左)
案内してくださった東京都庭園美術館の板谷敏弘さん(左)

エリと小山さんは、まずは新館へ「内藤礼 信の感情」展を鑑賞。同館広報担当の板谷敏弘さんに案内を願った。

エリ おっー、広くて白くて気持ちいいっ!

小山 ガラスに囲まれてたエントランスから、展示室に入るとシンプルな白い空間が広がるのがいいよね。

エリ ええ、本館との対比もいい。

小山 天井の高さもちょうどいい。この丸みのある天井の素材は何ですか? アルミ、コンクリート?

板谷 コンクリートです。装飾であり構造体でもあって、梁の役割を果たしてるんですよ。

エリ クールだ!

新館の展示室は大小二つ
新館ギャラリーでの展示
photo:Naoya Hatakeyama

板谷 ご覧のように、今回のリニューアルにあたって、新館も新しくオープンしました。歴史的建造物である旧朝香宮邸(本館)と新館によって、古いものと新しいものを共存させていくつもりです。

小山 共存がキーポイントなんですね。

板谷 ええ。これまでも本館で近現代美術を展示する機会はありましたが、平面作品の場合、室内に壁を設けざるをえませんでした。

エリ あの独特の内装が壁で遮られるのはもったいないですよね。

板谷 そうなんです。自由に展示できる独立した空間が必要だったというわけです。

エリ 大きい作品も展示できそうで、いい感じ。

板谷 ええ、現代美術は大型や不定形の作品が多いので、大きな空間を求めていました。

小山 内藤礼さんの作品にも合った空間ですよね。

エリ 内藤さんの展示、目が慣れてくると、いろいろ見えてきて面白い! 黄色やピンクの淡い色あいを見てると、ストイックな気分になるわーっ。

小山 お、人形、発見!

エリ かわいいっ! でも、蹴っ飛ばされそう……。

小山 大丈夫、帽子を被ってるから。

エリ 頭が守られてるんだ!

小山 でも、鏡に背を向けてるんだ。あれ、この椅子はなんだろう?

板谷 内藤さんがデザインされた椅子です。鑑賞者が自由に作品の前に持って行けて、座って鑑賞できるんですよ。

小山 へーなるほど、(椅子を持ってみて)けっこう重いんだ。

エリ (さっそく作品の前に座って)うわー、これ、いい! 絵に吸い込まれる気分になりそうっ。

小山 没入感が体験できるんだ!

エリ 内藤さんの展示、お清め的なイメージなのかなあ。

小山 ん? 地鎮祭みたいな?

エリ あ、確かに地鎮祭感がある。こけら落としだから清めようという感じがします。小さな人形が床に置いてあるのも、お清めの塩を盛ったイメージもあるし。

小山 うん、お清めね。それに、これから面白い何かが始まりそうな予感もあるよね。新しいものと古いものが今後、どうつながっていくのか期待できるよね。

そしてエリと小山さんは、本館へと向かうのだった。

「内藤礼 信の感情」展は本館にも展開している
「内藤礼 信の感情」展は本館にも展開している


構成/新川貴詩

もっと知りたい! 東京都庭園美術館

1983年に旧朝香宮邸(本館)を利用して開館した美術館。当時フランスで全盛期を迎えていたアール・デコの様式の邸宅で、東京都指定有形文化財に指定されている。開催中の「内藤礼 信の感情」では新館の絵画、彫刻ほか、本館のさまざまな場所に小さな人形がたたずんでいる。同時開催の「アーキテクツ/1933/Shirokane アール・デコ建築をみる」ともに12月25日(木)まで。
http://www.teien-art-museum.ne.jp

キュンチョメ

ホンマエリ(1987年、横浜生まれ)と、元引きこもりのナブチ(1984年、水戸生まれ)による二人組アート・ユニット。結成は2010年。今年2月、「第17回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」で、最高賞にあたる「岡本太郎賞」を受賞。それ以前にも「群馬青年ビエンナーレ2012」(群馬県立近代美術館)に入選。主な個展に「ここではないどこか」(2013年、素人の乱12号店 ナオ ナカムラ)、「なにかにつながっている」(14年、新宿眼科画廊)など。
http://kyunchome.main.jp

キュンチョメキュンチョメ

小山登美夫(こやま・とみお)

1963年、東京都生まれ。東京藝術大学芸術学科卒業。西村画廊、白石コンテンポラリーアートを経て、96年に独立し、小山登美夫ギャラリーを開始。奈良美智や村上隆らの展覧会を開催、現在は菅木志雄、杉戸洋、蜷川実花ら日本人アーティストとともに、海外のアートフェアへも積極的に参加。最近の展覧会では、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて「館鼻則孝展」(12月17日〜2015年1月12日)など。
http://www.tomiokoyamagallery.com

小山登美夫(こやま・とみお)

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