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キュンチョメのアートデート
No.009
東京都庭園美術館
ゲスト:ギャラリスト/小山登美夫さん
リニューアル・オープンして間もない東京都庭園美術館を訪れたキュンチョメのホンマエリさんとギャラリストの小山登美夫さんは、新館を見た後、本館にやってきました。1933(昭和8)年に建てられたアール・デコ建築を見ていきます。
撮影:林道子


当時の資料をもとに蘇ったアール・デコの本館

東京都庭園美術館の新館で「内藤礼 信の感情」展を堪能したキュンチョメのホンマエリと小山登美夫さんは、本館に足を運んだ。休館中の清掃と改装を経た館内は明るく、竣工当時の姿に近づいた。

エリ わー、噴水だー! 屋内で噴水だなんて、すごいし、超贅沢!

小山 これ、素材は何ですか?

板谷 陶器です。

小山 ええっ、陶器なんだ、すごい!

板谷 ええ、これほど大きなものはそうそうないと思いますよ。

エリ この壁も、いいっ。

板谷 これは人造石で、(黒い小さな斑点を指し)プラチナを埋めて磨いてるんですよ。

小山 一見、シミみたいに見えるけど、プラチナなんだ!

エリ びっくり! 言われないとわからない。

小山 今回のリニューアルのポイントはどこですか?

板谷 基本的には設備改修で、空調機器や電気などを改善しました。それから室内をきれいにし、壁紙やカーテンの復原、香水塔の修復なども行ったんです。また、照明器具もひとつひとついったん降ろして清掃しました。

エリ ほんと、照明は新品同様にぴかぴかですね。壁も天井もきれいになったし。

小山 昔は「開かずの間」がいくつかあったんですが、いまもあるんですか?

板谷 いまもありますよ。

エリ へえー。見てみたい!

板谷 「開かずの間」と言いますか、柵越しに鑑賞はできても立ち入りができない部屋もあります。この建物は木の床が特徴的なので、ぜひ見てほしいんですが、床を保護するために入れないようにしてるんです。

小山 でも、見せるようにしたことは素晴らしい。

エリ ええ、前と比べて、見られるスペースが増えてうれしいし、楽しい。

大客室の照明はフランスのガラス工芸家ルネ・ラリックの作品
大客室の照明はフランスのガラス工芸家ルネ・ラリックの作品

そして一行は2階へと上がった。

板谷 1階はいわゆるパブリック・スペース、2階はプライベート・スペースとなっています。こちらの部屋は殿下の居間で、アンリ・ラパン(アール・デコを代表するフランス人室内装飾デザイナー)が設計しました。

小山 ディテールが色々凝っていて、かっこいい。天井がかまぼこ型だし。

エリ 左官屋さん、大変そう。

板谷 ここもさることながら、大食堂の左官仕事が本当に見事で、いまの職人さんが見ると「自分には再現できない」って言いますね。

小山 皇族の住居の仕事だから一流の職人さんが手がけたんでしょうね、きっと。

板谷 いまの職人さんによると、当時の技術の素晴らしさはもちろんのこと、「うらやましい」とも言いますね。お金と時間に糸目を付けず、思う存分に技術が発揮できる、というわけです。

エリ やり甲斐ありそう。

小山 いまはそういう仕事、なかなかなさそうですもんね。

エリ 前に来た時より、庭園美術館のイメージが変わった。以前はクラシカルで奥様向けの美術館のように感じましたけど、リニューアルで明るくなったし。

ナブチ 公開された部屋も増えて、かつて人が暮らしていた住居感が改装前より前に出たと思う。

エリ そうそう、わくわく感がある。お風呂も見られるし。

殿下居間
殿下居間

小山 次の企画展「幻想絶佳:アール・デコと古典主義」も、本館と新館に展示されるんですか?

板谷 ええ、両方でご覧いただけます。

小山 このアール・デコで彩られた空間で、出品作の20世紀初期の家具や装飾品が見られるのは面白そう。

エリ うん、いい感じになりそう。

小山 この美術館、デートコースに最適だよね。新館にはカフェもできたからお茶や食事も楽しめるし。

板谷 いまは整備中ですが、今年の春頃には庭に出られるようになります。

小山 庭ができあがったら、もはや無敵のデートコースじゃないですか!

エリ 館内から見ても素敵な庭だから楽しみ!。

正面玄関のレリーフもラリックの作
正面玄関のレリーフもラリックの作品

部屋ごとに異なる照明
部屋ごとに異なる照明


構成/新川貴詩

もっと知りたい! 東京都庭園美術館

1983年に旧朝香宮邸(本館)を利用して開館した美術館。当時フランスで全盛期を迎えていたアール・デコの様式の邸宅で、東京都指定有形文化財に指定されている。次回開催する「幻想絶佳 :アール・デコと古典主義」では、古典主義のアール・デコ作家たち33人による豊かなイマジネーションから生まれた世界−幻想絶佳−を紹介します。1月17日(土)〜4月7日(火)まで。
http://www.teien-art-museum.ne.jp

キュンチョメ

ホンマエリ(1987年、横浜生まれ)と、元引きこもりのナブチ(1984年、水戸生まれ)による二人組アート・ユニット。結成は2010年。今年2月、「第17回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)」で、最高賞にあたる「岡本太郎賞」を受賞。それ以前にも「群馬青年ビエンナーレ2012」(群馬県立近代美術館)に入選。主な個展に「ここではないどこか」(2013年、素人の乱12号店 ナオ ナカムラ)、「なにかにつながっている」(14年、新宿眼科画廊)など。
http://kyunchome.main.jp

キュンチョメキュンチョメ

小山登美夫(こやま・とみお)

1963年、東京都生まれ。東京藝術大学芸術学科卒業。西村画廊、白石コンテンポラリーアートを経て、96年に独立し、小山登美夫ギャラリーを開始。奈良美智や村上隆らの展覧会を開催、現在は菅木志雄、杉戸洋、蜷川実花ら日本人アーティストとともに、海外のアートフェアへも積極的に参加。最近の展覧会では、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて「館鼻則孝展」(12月17日〜2015年1月12日)など。
http://www.tomiokoyamagallery.com

小山登美夫(こやま・とみお)

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