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アーティスト・ピックアップ
No.004
森裕貴さん

今回登場する森裕貴さんは、写真家としての長年の経験を版画という異なる領域に転化した作品を手がけています。それでも、森さんの作品を一目見て「版画」と思う人は少ないでしょう。機械的なモチーフのオブジェを結合し、生み出された作品は、古代遺跡の壁面を飾るレリーフのようにも、未来都市をかたどったジオラマのようにも見えます。今年72才を迎えた森さんに、ご自身の作品を解説していただきました。


森裕貴さんのコメント

森裕貴 《SPACE WRECK H-2》 2008年
森裕貴 《SPACE WRECK H-2》 2008年

1:創作の経緯
60才まで写真家として活動しておりまして、写真学校で講師もしていました。そのなかで「写真とはなにか?」をテーマにした授業がありまして、そこで思いついたのが、紙を使って日用品の型をとるというワークショップでした。
 学校で使う用具や日用品を紙で覆って、水張りし、立体的な「かたち」を採取していく。最初は、授業のために始めましたが、複製メディアである写真を立体として考えるアイデアに興味を持ち、以降も自分の作品として展開するようになりました。

2:作品解説
現在は、主に自分が使っていたパソコンや掃除機などの廃品を分解して素材にしています。
「SPACE WRECK」「BASE」「望月のころ」の3シリーズを並行して制作しています。これらのシリーズに共通するのは「戦争」というテーマです。「SPACE WRECK」は、将来宇宙で起こりうる戦争の残骸をイメージしています。また、「BASE」は、子どもの時に見た空襲被害を受けた神戸の風景がモチーフになっていて、その記憶をなぞるようにしてつくった作品です。

3:最後に
厳密に言うと、現在の作品を写真とはとらえておりません。映像的な要素はありませんし、制作工程も版作業ですから。
 若い頃に写真を始めたのも、自分のなかに、まず「日常性」への興味があったからです。いくらでも複製可能な写真の特性を使って、ありふれた日常をとらえることに共感したのです。そういう意味では、子どもの時からコラージュや版画が好きだったことも写真を選んだ理由だと思います。60才を超えて、また版画に立ち戻ったのも偶然ではないかもしれないですね。


岩渕編集長のコメント

森裕貴 《SPACE WRECK H-I 2009》 2009年
森裕貴 《SPACE WRECK H-I 2009》 2009年

森裕貴 《BASE-2》 2010年
森裕貴 《BASE-2》 2010年


今月のポイント

森裕貴 《望月のころ-α》 2012年
森裕貴 《望月のころ-α》 2012年

文/島貫泰介

■今年も開催「トーキョー・アート・ナビゲーション・コンペティション」(詳細は決まり次第告知)
http://www.bijutsu.co.jp/bss/tan/


 
アーティスト・ピックアップ

「トーキョー・アート・ナビゲーション・コンペティション」で審査員を務める、『美術手帖』編集長の岩渕貞哉さんが、毎月「アーティストファイル」に登録している若手アーティストや注目の作家を取り上げ、作品を批評するコラムです。

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