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トーキョー・アートエッセンス
No.023 質の高い音楽を、多くの方に聴いてほしい 東京文化会館《響の森》vol.25 ニューイヤーコンサート2009(管弦楽:東京都交響楽団)より
語り手:指揮者・東京文化会館音楽監督 大友直人 氏
1961年、上野駅前にオープンした東京文化会館は、「発信する」、「育てる」、「学び楽しむ」の三つを柱に、自主事業を展開。これまで、世界中の著名なアーティストによるオペラ、バレエ、クラシックコンサートなどの公演を開催してきました。今回は、指揮者の大友直人さんに、東京文化会館音楽監督としての活動、公演の見どころについてお話を伺います。

音楽ファンから、初めて聴く方までを対象に
クロスオーバーコンサート TANIMURA CLASSIC 〜昂からマカリイへ〜 谷村新司 with 大友直人&千住明
クロスオーバーコンサート TANIMURA CLASSIC 〜昴からマカリイへ〜 谷村新司 with 大友直人&千住明

 2011年に50周年を迎える東京文化会館は、日本の音楽ホールとしては規模も大きく、建築家 前川國男の代表作としても知られるすばらしい建物です。長年にわたり、音楽を勉強している学生や音楽ファンにとっては、なじみが深いホールだと思います。私が音楽監督に着任したのは2004年のことですが、クラシック音楽の公演だけでなく、舞台芸術とコラボレーションする「クロスオーバーコンサート」、ポップス界を代表するアーティストによるコンサート「ポピュラーウィーク」といったプログラムも企画しています。これは、クラシック音楽ファンだけでなく、都民のみなさん、若い世代の方に、文化会館の魅力を広く認識していただきたいという気持ちで開催しています。

 例えば「ポピュラーウィーク」など、クラシック以外の方に登場していただこうという企画には私自身も携わり、スタッフといっしょに運営しています。東京文化会館の小ホールは室内楽ホールとして、とてもセンスがいい、モダンなホールなんですね。音響も非常にいい。それは、演奏にごまかしがきかないという、シビアな空間でもあるのです。ですから、小ホールでのコンサートには、アンプラグド(音響システムを通さず、楽器そのものの音)で聴かせることができる、実力派のアーティストの方にお声がけしています。音楽のジャンルの境目はあいまいですが、質のいいアーティストはどんなジャンルでもレベルが高いもの。ただ間口を広げるだけでなく、本当の音楽ファンにも、「ここで聞ける音楽はさすがだね」と言われるようにとの思いで企画を立てています。

 また、3月11日(水)から3日間開催予定の「クロスオーバーコンサート TANIMURA CLASSIC 〜昴からマカリイへ〜」(出演:谷村新司、音楽監督・指揮:大友直人、編曲・監修・出演:千住明、管弦楽:東京都交響楽団)にも力を入れています。どこのコンサートでも聴くことができない、どこのディスクにも入っていない、質の高いものを提供したい。この「クロスオーバーコンサート」のために選曲をし、またアレンジをし直して、最高のシンフォニックコンサートをお届けします。若い方にも是非、文化会館のすばらしい音響で、圧倒的なコンサートをお楽しみいただきたいですね。

 ご家族を対象にした演奏会もあります。「夏休み子ども音楽会」は、夏休みのある1日、東京文化会館で約1時間のフルオーケストラを楽しんでいただき、同じチケットで、上野にあるさまざまな施設をまわれるようにした企画です。上野は東京でもっとも文化の集まる場所、文化の香りが高い特別な場所ですが、ひょっとしたら子どもにとっては、動物園以外はあまり親しみのないエリアかもしれません。エリアの再発見ということも含めて、上野にご家族で来ていただこうと思いました。東京文化会館を中心に、動物園、美術館、博物館といった上野エリアの各施設が横のつながりを持ち、上野がランドマークエリア、カルチャーランドのようになっていってほしいんですね。いまのところ1日だけですが、もっと多くのご家族に楽しんでもらいたいので、ゆくゆくはもう少し長期間のイベントにしていきたいと考えています。

夏休み子ども音楽会2008(管弦楽:東京都交響楽団)より 客席はお子さまでいっぱい!
夏休み子ども音楽会2008(管弦楽:東京都交響楽団)より
客席はお子さまでいっぱい!
 

新進音楽家の成長を、文化会館でサポートする

 東京文化会館では、若手音楽家を支援するコンサートも多数開催しています。2003年からは、新人音楽家を発掘し育成することを目的に、「東京音楽コンクール」を創設しました。日本にも、コンクールは小さいものから大きいものまでいろいろありますが、大切なことが2つあります。1つめは、若い音楽家がコンクールにチャレンジすることで、勉強し直したり、自分を見つめ直すこと自体に意義があります。もう1つはコンクールが終わったあとどうするか、ということです。賞をとってそのまま次の機会を待つのか、その後のプロセスはとても大切なことです。

 東京音楽コンクールでは、アフターケアの充実に力を入れています。文化会館で入賞者のリサイタルを開いたり、都内各地で開かれる都主催の演奏会に出演したり、モーニングコンサートに登場したり。入賞した人にとっては、実践を重ねるチャンスですよね。また、審査員の顔ぶれは第一線の演奏家の方々。つまり現場を知っていて、一番厳しい視点をもっている方々に審査してもらうのです。そういった方に審査されること、審査後の講評や懇親会の時間は、受賞者にとって有意義なアドバイスをしていただけるいい機会ではないでしょうか。受賞者の中には著名なコンクールに入賞した方、活躍の場が広がった方など、このコンクールから伸びていった音楽家たちも出てきており、とても喜ばしいことだと実感しています。


■第6回東京音楽コンクール 優勝者コンサート

2月22日(日)開演14:30(開場14:00)

2008年8月に行われた「第6回東京音楽コンクール本選(ファイナル)」の各部門優勝者の披露演奏会です。金管部門、声楽部門、弦楽部門、ピアノ部門の優勝者が、ソリストとしてオーケストラと共演。司会によるインタビューもあり、優勝者たちの生の声を聞くことができます。演奏曲目は、課題曲で競うコンクール本選とは異なり、優勝者自身の選曲です。本人の最も得意とする曲で、優勝者の実力を再確認することができます。

詳細はこちら http://www.t-bunka.jp/sponsership/spo_b_2.html

写真左から、金管部門第1位/藤原功次郎(トロンボーン)、声楽部門第1位/与儀巧(テノール)、弦楽部門第1位/泉沙織(ヴァイオリン)、ピアノ部門第1位/冨永愛子(ピアノ)
写真左から、金管部門第1位/藤原功次郎(トロンボーン)、声楽部門第1位/与儀巧(テノール)、弦楽部門第1位/泉沙織(ヴァイオリン)、ピアノ部門第1位/冨永愛子(ピアノ)

次回は…
引き続き大友直人さんに、東京から音楽を発信する大切さなどについてお話しをお聞きします。[3月12日(木)アップ予定]


大友直人(おおともなおと)  大友直人(おおともなおと)
(c)kaburagi-amanagroup

1958年東京生まれ。桐朋学園大学卒業。指揮を、小澤征爾、秋山和慶、尾高忠明、岡部守弘各氏に師事。タングルウッド音楽祭において、A.プレヴィン、L.バーンスタイン、I.マルケヴィッチからも指導を受ける。桐朋学園大学在学中からNHK交響楽団の指揮研究員となり、22歳で同楽団推薦によりNHK交響楽団を指揮してデビュー。日本フィルハーモニー交響楽団・正指揮者、大阪フィルハーモニー交響楽団・指揮者、東京交響楽団・正指揮者、京都市交響楽団・首席指揮者および常任指揮者兼アーティスティック・アドヴァイザーを経て、2004年より東京交響楽団・常任指揮者、東京文化会館・音楽監督、2008年より京都市交響楽団・桂冠指揮者を兼任。2000年、第8回渡邊暁雄音楽基金音楽賞受賞。2008年、第7回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。

 
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