東京のアートシーンをアーティストとともに創り、発信する Tokyo Art Navigation
HOME トピックス 展覧会・イベント情報 美術館・劇場・活動スペース アーティストファイル アート作品ランキング コラム 支援制度・コンテスト情報
トップ > イベント・レポート
 
イベント・レポート
No.049
東京都写真美術館のティーチャーズプログラム[前編]「フォトグラム」で暗室を体験する
都内で開催される注目のアートイベントをご案内し、その模様をレポートするコラムです。リアルな空間で、そしてオンラインで、日々の暮らしにアートを取り入れてみませんか。
フォトグラムの作品。この日、美術・図工の先生のほか、英語や社会、理科など芸術科以外の先生たちも多く参加した

都内の小・中・高等学校や特別支援学校の教員を対象に、毎年夏に開催されるティーチャーズプログラム。普段の授業や学習の進め方のヒントに、または校外学習の体験として、ミュージアムやホールで働く教育普及の担当職員や専門家がさまざまなプログラムを用意しています。今年は6つの都立文化施設で実施。そのなかから恵比寿にある東京都写真美術館を取材しました。


写真と映像の美術館で体験する

総合開館20周年を迎えた東京都写真美術館は、世界的にも珍しい写真と映像の専門美術館。2年の改修期間を経て昨年リニューアルオープンしました。ピカピカの床に明るい照明が注ぐエントランスを通り抜け、奥のスタジオへ。若手からベテランまで、都内で働く14名の先生たちが集合しました。

東京都写真美術館では学校向けのプログラムを「スクールプログラム」と呼び、作品の制作と展覧会の鑑賞、その両方を体験できるのが特徴です。普段のスクールプログラムでは子供たちは「制作」と「鑑賞」の2班に分かれ、それぞれ1時間ずつ、交代で体験することが多いそう。今回体験するのは暗室を使った「暗室現像体験プログラム」と展示室で行う「作品鑑賞体験プログラム」です。

暗室で写真のプリント方法のレクチャーをきく
暗室で写真のプリント方法のレクチャーをきく


身近なものでできる写真の現像

前半は暗室現像体験。「フォトグラム」という技法で写真の現像を学びました。フォトグラムとは、さまざまな物の影や形を、印画紙へ直接写しとる写真の技法です。物の形や光の透過度から思いもよらないイメージが写真作品となって浮かび上がります。今回はアクリル製定規やプラスチック製のカップ、ペットボトル、ビー玉、レースなど光を通す素材や身近な素材で作品をつくりました。

暗室で現像についてのレクチャーを受け、作品づくりをスタート。まずは印画紙の上に載せるモチーフの配置を考えます。
「黒いレースと白いレースはどちらが光を通すのかしら……」
「透明なものを重ねるとどんなふうに写るの?」
出来上がりのイメージを膨らませながら、レイアウトしていきます。

美術館職員のほかボランティアスタッフもサポートしてくれる
美術館職員のほかボランティアスタッフもサポートしてくれる

モチーフを並べた透明のアクリルケース。これを印画紙に載せて光を当てる

モチーフを並べた透明のアクリルケース。これを印画紙に載せて光を当てる

モチーフを並べた透明のアクリルケース。これを印画紙に載せて光を当てる

モチーフを並べたら暗室に入り、いよいよ現像へ。印画紙に光を当て、現像液に浸します。現像液に浸す時間は約90秒。みるみるうちに印画紙にイメージが浮かび上がってきました。
「なにこれ!」と驚く先生や「失敗……」と苦笑いの先生、フフッと静かに笑みを浮かべる先生も。

「次は光が通りにくいものに挑戦したいですね!」
「意外な結果でびっくり!」
と、暗室で写真をプリントする面白さを体感しました。

上記のモチーフでできた作品

上記のモチーフでできた作品

上記のモチーフでできた作品

先生たちがつくったフォトグラムによる写真作品。写真の現像にはさまざまな薬品を使い、最後に水でしっかりと洗う
先生たちがつくったフォトグラムによる写真作品。写真の現像にはさまざまな薬品を使い、最後に水でしっかりと洗う


東京都写真美術館のスクールプログラムあれこれ

東京都写真美術館のスクールプログラムでは、フォトグラムのほかに自分で撮ったデジタルカメラの画像からネガをつくり、暗室でプリントする体験や、簡単に操作できる専用のソフトを使い、アニメーションを手づくりする体験などもあります。

「おどろき盤」という19世紀を起源としたアニメーション装置を使ったプログラム

コマ撮りアニメーションを体験できるプログラム

「おどろき盤」という19世紀を起源としたアニメーション装置を使ったプログラム(左)やコマ撮りアニメーションを体験できるプログラム(右)がある

後編では、対話による作品鑑賞プログラムを紹介します。昨年小学校6年生を連れて作品鑑賞プログラムを体験した図工の先生は、体験時にこんな感想を寄せていました。
「対話型のワークショップは、私たち教師側の勉強にもなりました。社会科の授業でも、『写真からどんなことがわかる?』という質問はよくしているそうですが、普段は1枚の写真を見てもあんなに意見や感想は出てこないと驚いていました」

子供たちの興味や関心を引き出すために東京都写真美術館が取り組む作品鑑賞の工夫とは? 後編に続きます。

文・構成:佐藤恵美
写真:中川周

東京都写真美術館

◎東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内
◎TEL:03-3280-0099
https://topmuseum.jp

東京都写真美術館のスクールプログラムについてはこちらから

東京都写真美術館
学校と文化施設をつなぐティーチャーズプログラム2017

小中高等学校、特別支援学校の教員を対象に、各施設の教育普及事業を体験できるプログラム。
2017年度は6施設で実施。
◎対象:都内小中高等学校・特別支援学校教員
◎定員:各プログラム20名程度
◎参加費:無料
※今年度の応募は締め切りました
http://www.rekibun.or.jp/education/index.html

[これまでのプログラムの紹介]
◎2016年の様子
先生たちがつくる、鑑賞ワークシート <前編>
先生たちがつくる、鑑賞ワークシート <後編>

◎2015年の様子
「ティーチャーズプログラム」とは
「昔くらし体験」石臼ひき、火おこし等
身体を使って建築を知る「けんちく体操」

[お問い合わせ]
東京都歴史文化財団 事務局総務課企画広報係
◎TEL:03-5610-3503

創作活動サポート
メンバー登録
東京のアートシーンを共に創造するメンバーを募集しています!
アーティストの方はこちら
あなたの作品や活動をTokyoから世界に向けて発信してみませんか?
サポーターの方はこちら
創作活動をサポートするギャラリーや稽古場の登録、展覧会やイベントを投稿できます。
デジタルミュージアム
美術館・博物館の収蔵作品2万点以上の
デジタルアーカイブ
東京・ミュージアム ぐるっとパス
詳しくはこちら