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イベント・レポート
No.063
東京都江戸東京博物館 ホールリニューアル記念 「えどはく寄席スペシャル 落語と納涼住吉踊り」

2019.10.16

12人による納涼住吉踊り

2019年夏、両国にある東京都江戸東京博物館内の2つのホールがリニューアルオープンし、伝統芸能などをこれまで以上に楽しむことが出来る場所に生まれ変わりました。ホール内は、老若男女、障害の有無にかかわらずさまざまな人が伝統芸能を楽しめる工夫が施されています。リニューアルを記念し、定期的に常設展示室内で開催している「えどはく寄席」のスペーシャルバージョンとして、「えどはく寄席スペシャル」を大ホールで開催。今年度は5つの公演を予定しています。こけら落とし公演の「落語と納涼住吉踊り」を取材しました。

落語家・三遊亭ときんさん
落語家・三遊亭ときんさん

どんな人でも楽しめる舞台

ドドンドンドンドン、と一番太鼓が鳴り響き、寄席の第一部が開幕しました。三味線の出囃子で、前座を務める三遊亭ときんさんの登場です。「お暑い中、お集まりいただきまして厚く御礼申し上げます」。そそっかしい男の噺「子ほめ」が始まりました。

今回の公演が開催されている大ホールは、席数約369席。館内で一番大きなホールです。リニューアルにより、金屏風など舞台大道具を一新しました。また、客席側はシックな色合いのシンプルな空間となっており、さまざまな伝統芸能の公演に適したホールとなりました。

大ホール
大ホール

どんな人でも公演が楽しめる工夫も随所に見られます。例えば、車いすのお客様専用のスペース。客席の最後列の舞台全体を見渡せる場所に、車いすでもゆったりと鑑賞できるスペースを設けています。
会場では、車いすで来場された方や目の不自由な方、赤ちゃん連れのお母さん、海外からのお客さんなどさまざまな方が公演を楽しんでいました。

公演の様子

迫力ある音や動きを演出

この日、予定されていた演目は4つ。三遊亭ときんさんの次は、立花家橘之助(たちばなやきつのすけ)さんによる俗曲でした。三味線を弾き、唄い、噺をする浮世節(うきよぶし)と呼ばれる芸能の二代目家元を襲名した橘之助さん。寄席の世界で俗曲を継承されている数少ないお一人だそうです。

俗曲・立花家橘之助さん
俗曲・立花家橘之助さん

その後は、三遊亭金時さんによる夏らしい古典落語「お菊の皿」。お菊の霊が井戸から現れて「一枚、二枚、三枚……」とお皿を数えるという有名な怪談に基づく噺です。「うらめしや〜」という幽霊の噺に、生演奏の太鼓と三味線が不気味な雰囲気を演出します。

落語家・三遊亭金時さん
落語家・三遊亭金時さん

第一部の落語・俗曲に続き、第二部は、古今亭志ん弥さんをはじめ芸人14名ほどが交代で三味線や太鼓、唄に合わせて「納涼住吉踊り(かっぽれ)」を披露しました。夏の風物詩「納涼住吉踊り」は、田植えの神事として大阪の住吉大社で行われていた踊りが起源だそうです。幕末から明治前期、江戸、東京でも大道芸として大流行し、広重の江戸名所百景にも描かれました。
それから住吉踊りは寄席芸、お座敷芸として伝承され、浅草演芸ホールでは40年興行を続けている人気の公演です。

住吉踊りの前芸「奴さん」
住吉踊りの前芸「奴さん」

芳町(花街)へ通う僧侶に扮して住吉踊りの前芸「深川」を踊る落語家・古今亭志ん弥さん(右)と同・三遊亭とん馬さん(左)
芳町(花街)へ通う僧侶に扮して住吉踊りの前芸「深川」を踊る落語家・古今亭志ん弥さん(右)と同・三遊亭とん馬さん(左)

生演奏でもマイクを使った噺でも、大きな会場に響き渡る音が、迫力ある公演をつくり出しています。こけら落しにふさわしい、賑やかで華やかな1時間ほどの公演は、拍手喝采で幕を閉じました。

幅広い方々に伝統芸能の上演を

「大・小ホールとも、特に伝統芸能を披露いただく場として奮ってご利用いただきたいです」と東京都江戸東京博物館の学芸員・松井かおるさんは話します。リニューアル前はあまり一般の方へ貸し出しをしていませんでしたが、両ホールともに一般でもご利用が可能になりました。

以前は「映像ホール」と呼ばれ、映像上映やレクチャーのみに使われていた小ホールには舞台が設けられ、大ホールと同様に音響や照明が整えられました。黒、オレンジ、紫が使用されたホールは、寄席にきたような気持ちになります。現在、小ホールは1週間ごとに博物館側が企画した催しを行っています。

座席数135席の小ホール。落語の寄席にちょうどいい空間
座席数135席の小ホール。落語の寄席にちょうどいい空間

このほか、大ホールでは2019年度、江戸や東京にちなんだ芸能を中心に今後3つの公演を予定。各回とも常設展観覧券で入場できます。9月15日(日)は、展覧会に合わせた国立劇場との共催企画「浮世絵と邦楽―隅田川をめぐって―」を開催。浮世絵の世界を題材に、箏曲や舞踊、長唄などが披露される予定です。11月は、常設展示室にある「モダン東京」コーナーにちなんだ「モダン東京の流行歌」、2020年1月には立川志の春さんによる英語での落語、3月には、江戸東京博物館の開館記念日を祝い、近隣のすみだトリフォニーホールを拠点に活動する新日本フィルハーモニー交響楽団の木管五重奏団によるクラシック演奏が予定されています。
大ホール、小ホールともに、利用申請については公式ウェブサイトをご覧ください。

Text:佐藤恵美
Photo:櫛引典久

ホールリニューアル記念 えどはく寄席スペシャル
「落語と納涼住吉踊り」
日時:2019年8月3日(土)、4日(日) 各回14:30-15:30
場所:東京都江戸東京博物館 1階大ホール

【「ホールリニューアル記念 えどはく寄席スペシャル」今後の予定】

■モダン東京の流行歌
日程:2019年11月2日(土)

■志の春の英語でRAKUGO!
日程:2020年1月18日(土)

■フランスの香りを江戸博で!
日程:2020年3月28日(土)

各回とも、
会場:江戸東京博物館 1階大ホール
時間:14:30開演(14:00開場)
入場:当日の常設展観覧券提示により入場(先着順)
定員:各日400名

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