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松蔭先生の課外授業
No.008
トーキョーワンダーサイト オープン・スタジオ
ゲスト:アーティスト/戸田沙也加さん
松蔭浩之(まつかげ・ひろゆき)先生が都内の文化施設で行う「課外授業」。細密な線で描き込まれた絵画世界が注目を集める戸田沙也加さんをゲストに、トーキョーワンダーサイトのレジデンス施設で開かれた「オープン・スタジオ」を見にいきました。
TWSレジデンスにて 撮影:松蔭浩之

前回、トーキョーワンダーサイト(TWS)渋谷に出かけた松蔭浩之先生と戸田沙也加さんは、今度は墨田区にあるTWSレジデンスへと足を運んだ。アートやデザイン、音楽、建築などで活動する世界各国のクリエーターたちが東京で滞在し、制作やリサーチを行うための施設である。TWS事業課長の黒田みのりさんに引き続きガイドを願った。

TWSレジデンスの1階入口
TWSレジデンスの1階入口

黒田 TWSレジデンスは、宿泊用の12部屋と、大小2つのスタジオや交流スペース、ライブラリーなどがあります。まず、こちらがツインタイプの宿泊用の部屋です。

戸田 わぁ、広くてきれい。

黒田 2014年の秋にオープンしたばかりですから。

松蔭 学校とか古い建物をリノベーションしたレジデンス施設が多いけど、ここは普通のマンションみたい。

黒田 ええ、民間のマンションの一部をTWSが借りていて、他の部屋には一般の方々が住んでいます。

松蔭 なるほど。すると、立体のように音の出る作業があるアーティストには向いてないわけか。

戸田 その点、平面や映像のアーティストには向いてそう。

松蔭 うん。静かな環境を必要とする人にはうってつけだろうね。

取材当日(2015年11月14日)は、「オープン・スタジオ 2015-2016/11月」が開催されていた。目下、TWSレジデンスに滞在中のクリエーター(アーティストやミュージシャン)たちが滞在制作の過程を公開するイベントだ。
たとえば、イギリスのプロダクト・デザイナーであるバーバック・ハシェミ=ネジャドさんは、江戸切子など東京の職人たちとコラボレーションするプロジェクトについて発表。また、スペインの建築家、リス・ビヤルバさんは日本の建築ユニット、アトリエ・ワン(塚本由晴+貝島桃代)が著書「メイド・イン・トーキョー」で紹介した建物をリサーチし、同著刊行後15年間の東京の推移について報告した。

オリバー・ビアさんのプレゼンテーション
オリバー・ビアさんのプレゼンテーション

会場内に展示されたナタリ・アドニョさんの制作資料。結晶生成と人格形成のあいだのメタファーを探求してい 撮影:松蔭浩之
会場内に展示されたナタリ・アドニョさんの制作資料。結晶生成と人格形成のあいだのメタファーを探求している
撮影:松蔭浩之

松蔭 いろいろと面白い話が聞けた。特によかったのが、イギリスのオリバー・ビアさん。

戸田 彫刻と映像を扱っている人ですね。

松蔭 うん、ひとつひとつの作品の発想が斬新。ばあさんの家の床を引っぱがすとか、大胆だよな。

戸田 ええ、あれは写真で見ただけでもすごいと思いました。

アレイシュ・プラデムントさんの作品 アレイシュ・プラデムントさんの作品

ラウル・ワルヒさんの作品
ラウル・ワルヒさんの作品

松蔭 ほんと、実際に作品を見たくなるよ。ところで、戸田さんはアーティスト・イン・レジデンスに興味ある?

戸田 もちろん。滞在制作ならベルリンに行ってみたい。

松蔭 ベルリンは物価が安くて、家賃も安いからね。特に旧東側はうーんと天井が高いアトリエがひと月、数万円で借りられたりするし。

戸田 制作はもちろん、ベルリンにはアート・イベントもたくさんあって、作品を見る機会にも恵まれていますからね。それに、ベルリンには世界中からアーティストたちが集まってくる。そういう場に身を置いてみたいと思いますね。

松蔭 海外に行くと作風ががらりと変わるアーティストもいれば、まったく影響されない人もいるけど、戸田さんはどっち?

戸田 海外に出たら、つくる作品はがらりと変わると思います。

松蔭 あ、変わるんだ。描くモチーフとか画材も?

戸田 私の場合、いまの日本で触れた感覚や、入ってくる情報を集約して作品ができあがっています。ですから、別の国に行けばおのずと作品が変わると思います。つまり、まったく違うものをつくることになるはず。

編集部 松蔭さんは行くとすれば、どこがいいですか?

松蔭 火星。地球じゃないところがいい。まあ、冗談はおいといて、特にどこに行きたいというのはない。おれは海外に行くと、自分の作品はつくれないと思うから。とくにポリティカルな作品は日本にいるからこそ生まれると思うし。で、話を戻すと、戸田さんは海外に行くと自分の作品が変わる自信があるんだ?

戸田 ありますっ!

松蔭 じゃあ、行くべきだ。

戸田 はい、行きますっ!!


構成/新川貴詩

TWSレジデンス

アート、デザイン、音楽、建築といった創造的分野で活躍する世界中のクリエーターが滞在制作を行うレジデンス・プログラムを実施している。2014年秋に青山から墨田区立川へ拠点を移した、12部屋の宿泊室と大小2つのスタジオ、交流スペース、ライブラリーなどを有する新施設。クリエーター同士だけでなく、イベント、トーク、オープン・スタジオ、ワークショップといった様々な形で広く一般の方と交流する機会を設けている。(イベント時のみ一般公開)
次回のオープン・スタジオは、2016年3月12日(土)に開催予定。
http://www.tokyo-ws.org/residency

松蔭浩之(まつかげ・ひろゆき)

1965年、福岡県生まれ。大阪芸術大学芸術学部写真学科卒業。在学中に平野治朗とアート・ユニット「コンプレッソ・プラスティコ」を結成し、90年にベネチア・ビエンナーレに参加。以来、個展やグループ展多数。主な個展に「日常採取〜A DAY IN THE LIFE」(ギャラリー サイトウファインアーツ、神奈川、2014)など。アーティスト・グループ「昭和40年会」会長も務める。
ミヅマアートギャラリー
http://mizuma-art.co.jp/artist/0220/

松蔭浩之(まつかげ・ひろゆき)

戸田沙也加(とだ・さやか)

1988年、埼玉県生まれ。2012年、女子美術大学大学院美術研究科美術専攻洋画研究領域修了。「シェル美術賞2010」に入選、「アートアワードトーキョー丸の内2010」で木幡和枝賞を受賞するなど、在学中から頭角を現す。「ワンダフル・マイ・アート-高橋コレクションの作家たち」(河口湖美術館、2012)などグループ展に参加多数。台北やベネチアでも作品を発表。
http://www.sayaka-toda.com

NAOMI YUKI

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