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石川直樹 東京の記憶を旅する
No.001
石川直樹「東京の記憶を旅する」インタビュー(前編)
石川直樹[いしかわ・なおき]
1977年東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により、日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞。『CORONA』(青土社)により土門拳賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。最近では、ヒマラヤの8000m峰に焦点をあてた写真集シリーズ『Lhotse』『Qomolangma』『Manaslu』『Makalu』(SLANT)を4冊連続刊行。7月発売の最新刊に写真集『潟と里山』(青土社)がある。

冒険する写真家・石川直樹さん。高校2年生でインドとネパールへ一人旅をして以来、海、山、空、と地球上のあらゆる場所を渡ってきた。2000年には北極から南極まで人力で移動するプロジェクト「POLE TO POLE 2000」に参加し、旅先で写真を撮り始める。2001年には最年少(当時)で世界七大陸最高峰登頂に成功。また2008年以降、写真集で日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞、土門拳賞など数々の賞を受賞。『最後の冒険家』(集英社)では開高健ノンフィクション賞を受けるなど、執筆活動においても高い評価を得ている。

今回の連載では、石川直樹さんが「東京」にフォーカスを当てる。石川さんが生まれ育ったところであり、今も生活を続ける東京。旅先での出会いや別れ、喜び、苦しみといったあらゆる記憶を抱え、帰る場所でもある。世界を旅する石川さんに、その原点「東京」はどのように写るのだろう。書き下ろしの文章と写真で構成する新連載に向けたインタビューを、前半と後半に分けて紹介する。


――石川さんのこれまでの著書や写真作品のなかに「東京」というテーマはほとんど見られないと思います。実は今回の依頼の際、この題材に興味をもっていただけるか不安もありました。

これまで旅のことを文章に書いたり、写真に撮ったりしてきたのは、そこに新しい出会いや驚き、発見があったからです。慣れ親しんだ東京は、もちろん「旅」の目的地にはなりにくいし、驚きそのものは他の場所よりも少ないかもしれない。ですが、遠い過去の記憶を辿りながら現在の東京をつぶさに見ていくと、旅で出会うのとはちょっと異なる驚きや発見があるんですね。今まではいつも現在進行形で書いてきて、過去の記憶を軸に書くことはなかったので、自分でもちょっとやってみたいなと思いました。

――今回の連載では、また違った石川さんの魅力に触れられそうですね。連載にあたって、具体的にどのような地域が登場しそうでしょうか。

記憶に刻まれた場所は都内にたくさんあります。 まず、生まれたところは初台でした。物心がつく頃には引っ越してしまいましたが、生地としてアイデンティティのどこかにあり、意識する地名です。

1978年10月ごろの石川直樹さん
1978年10月ごろの石川直樹さん

幼稚園から小学生にかけては板橋、そして中学の頃は明大前に住んでいました。線路沿いを歩き、ボクシングジムを横目に歩いた記憶があります。幼稚園から高校まで九段下や飯田橋の辺りの学校に通っていたので、あのあたりにはたくさんの思い出がありますね。放課後に皇居の周辺や神保町をぶらぶらと散歩することもありました。

1984年4月ごろ
1984年4月ごろ

――そのほかに印象深い場所はありますか。

新宿ではいろいろなアーティストや写真家に出会いました。僕の写真の先生でもある森山大道さんに初めて会ったのもゴールデン街です。大竹伸朗さんとヒマラヤから帰った直後にゴールデン街を歩いたことも記憶に残っています。
それから、六本木は国立新美術館の展覧会に参加したときに通いましたし、六本木ヒルズでモデルの女性を撮影したこともありました。西麻布や赤坂には行きつけのプロラボがあったし、赤坂にある篠山紀信さんの事務所にも遊びに行ったこともあります。そういう意味で、六本木界隈は写真にまつわるエピソードが豊富にあります。
生まれてはじめて登った山は奥多摩でした。多摩川の上流で釣りもしていました。大学院から通っていた東京藝術大学は上野や谷中の周辺です。ここには所属しているギャラリー、スカイ・ザ・バスハウスもあります。乗り換えでよく利用する渋谷は起点のような場所ですね。海外の友人が東京に来たときに案内したお台場、今の仕事場がある代官山、自宅のある学芸大学駅周辺……。とにかく都内のいろいろなところを常に歩き回っています。

文・構成/佐藤恵美


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