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アーティスト・サバイバル・メソッド
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働きながらデザインを学ぶ[前編]
ミームデザイン学校

働きながらデザインを学ぶことのできる学校として、2008年に書店の一角で始まったミームデザイン学校。「デザインベーシックコース」と「ブックデザインコース」の2つのコースがあり、第一線で活躍するデザイナーを中心に講師陣が揃います。前編ではデザインベーシックコースをご紹介。この学校で学ぶ若きデザイナーと、学校を運営する中垣信夫(なかがき・のぶお)さんに取材しました。

プリンティング・ディレクター、熊倉桂三さんのアドバイス
プリンティング・ディレクター、熊倉桂三さんのアドバイス

手作業から印刷の技術を覚える

土曜日の午後、青山ブックセンターの奥にある一室に集ったのはデザインベーシックコースの受講生、約30人。この日は「印刷の技術と実践」を学ぶ2回目の授業でした。講師はアートディレクター/グラフィックデザイナーの古平正義(こだいら・まさよし)さんと山田写真製版所のプリンティング・ディレクター、熊倉桂三(くまくら・かつみ)さん。CMYKの4種の版を1枚ずつ手描きでつくり、つくった版を原稿にして、実際に印刷されます。

「印刷の知識を持たずとも、コンピュータで“なんとなく”つくったデータを入稿すると印刷できる便利な時代になりましたが、その反面、強い意思を持って頭の中に描いたものをかたちにするというデザインの基本が抜け落ちてきている様に感じています。黒いペンだけを使ってCMYKの版をひとつひとつ手で描いていく事で、想像力を鍛えつつ、印刷の版の構造をきっちり理解してもらおうという試みです」と古平さん。

4枚の紙に描いた線やドットが、それぞれ4色の版になり印刷される

4枚の紙に描いた線やドットが、それぞれ4色の版になり印刷される

4枚の紙に描いた線やドットが、それぞれ4色の版になり印刷される

直に古平さんと熊倉さんのアドバイスを聞きながら時間内に仕上げます。
「カラーチャートをよくみて。これじゃぜんぜんシアンが足りないよ。逆にこっちは濃すぎなんじゃない?」
「えー、そうですか! 薄くていいのかと思った……」
30人の受講生に対し、毎回2人の講師がいるので丁寧にアドバイスをもらえます。

デザイナー、古平正義さんによるアドバイス
デザイナー、古平正義さんによるアドバイス

デザイナーにとって大事な基礎を教える学校

デザインベーシックコースで学ぶ二口航平(ふたくち・こうへい)さんは、大学では専門の教育は受けず、仕事をするなかでデザインを学びました。いまはオンスクリーンメディアのグラフィックデザイナーとして、デジタル広告のプロダクションに勤めて7年ほどになります。
「オンスクリーンメディアとは聞き慣れないかもしれないですが、ウェブサイトをはじめ、屋外のサインやUI、動画、アプリなどスクリーン上のメディア全般のことを指します」

デザインベーシックコースを受講する二口航平さん
デザインベーシックコースを受講する二口航平さん

これまで、ほかのデザイン講座やデザイン学校に通った経験もある二口さん。ミームの魅力は講師陣の豪華さと、基礎が学べるところだといいます。
「実際に活躍するデザイナーの話を直にきいて、手を動かせる。それが何よりの魅力です。アプリケーションの使い方がわかり、より即戦力が身につく学校もありますが、ミームは体系的にデザインの概念を学んだり、職人的な手作業が身についたりします。デザイナーにとって、そこが一番大事な部分だと思います」

多くの仲間とともに学ぶ

ミームデザイン学校では、仲間をつくることも大事にしています。最近は、授業後に近くのカフェでグループワークのミーティングをしているという二口さん。
「僕は美大のコミュニティがないので、同じ志や興味をもつ人たちと話して刺激を受けるのが楽しいです。いま雑誌をつくるグループワークも並行して取り組んでいますが、デザイナーに限らず色々な専門の人が受講していますし、僕のグループには中国出身の方もいて異文化による化学反応があるのも面白いですね」

グループに分かれての作業。グループ内で意見交換しながら進めることも
グループに分かれての作業。グループ内で意見交換しながら進めることも

デザイナーに限らず、編集、広報、経理、教育など多様な職種の受講生が集まるミームデザイン学校。デザインベーシックコースは受講生30名に2人の講師、もう一つのブックデザインコースはその半分で1人の講師が受け持っています。学校を立ち上げたデザイナーの中垣信夫さんは「デザインベーシックコースで2人の講師が担当するのは、デザイナーが1人で話すより2人で対話したほうが新しいものが生まれてくる可能性があるのではと考えたからです。また、デザイナーは事務所を青山に構える人が多いので、トップで活躍するデザイナーでも土曜の午後、青山なら来てくれるのではないか、とこの場所で開くことにしました」と話します。

後編では同じ時間に別の部屋で開かれているもう一つのコース「ブックデザインコース」を紹介します。なぜミームデザイン学校を立ち上げたのか、中垣さんへのインタビューも続きます。

次回の授業では印刷されたものを確認する「色校正」。どんな仕上がりになるか期待が膨らむ
次回の授業では印刷されたものを確認する「色校正」。どんな仕上がりになるか期待が膨らむ

Text:佐藤恵美
Photo:中川周

ミームデザイン学校

[お問い合わせ]

  • ミームデザイン学校事務局(中垣デザイン事務所内)
  • ◎住所:東京都新宿区西新宿4-31-3-1010
  • ◎E-mail:office@memedesign.org
  • ◎TEL:03-5350-2801(平日12:00-20:00)
  • http://www.memedesign.org
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