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アートの視点
No.010
トーキョーワンダーサイト 「ワンダーシード2014」後篇
ゲスト:アーティスト 荒神明香さん、南川憲二さん
東京でアートを楽しむ「トーキョー・アート・ナビゲーション大学」の課外授業は、前回に引き続きトーキョーワンダーサイト渋谷です。アートユニット「目」として活躍している荒神さんも、トーキョーワンダーサイトのレジデンス・プログラム の経験者。当時の話をお聞きします。
撮影:林道子

クリエーター・イン・レジデンスでの
アーティストたちとの交流

トーキョーワンダーサイト渋谷で若手対象の公募展「ワンダーシード2014」を見た後、小山登美夫学長と、アートユニット「目」のメンバーである荒神明香さんと南川憲二さんとの会話は大いに弾んだ。トーキョーワンダーサイトの神田圭美さんも話に加わった。

「ワンダーシード2014」の会場で。左がトーキョーワンダーサイトの神田圭美さん
「ワンダーシード2014」の会場で。左がトーキョーワンダーサイトの神田圭美さん

小山 荒神さんは、トーキョーワンダーサイト青山のクリエーター・イン・レジデンスにも選ばれたんだよね?

荒神 はい。すごくきれいで、ホテルみたいな立派な部屋でした。

小山 いろんな国から美術家や音楽家、キュレーターがやってきて滞在してるそうだけど、他の人たちとは交流があったの?

荒神 交流会のようなプログラムがあったり、一緒に近くの銭湯に行ったり。

小山 会話は英語なの?

荒神 ええ、最初は全然できなくて、身振り手振りでしたけど、そのうち、かろうじて自分の作品はプレゼンできるようになりましたね。

小山 東京はいろんなタイプのアートが見られる街だし、世界中のアートの情報も集まる。だから、外国から来た人はレジデンスで得た成果を出身国に持ち帰ることで、新しいつながりが芽生える。ネットワーク型のレジデンス施設として、トーキョーワンダーサイト青山はうまくいっていると思う。

荒神 はい、多くの人と知り合えました。

小山 それに、トーキョーワンダーサイト本郷は、未使用の都の建物を展示施設に改装した。こちらは、発表の場としてちゃんと機能している。

南川 多くのグループ展は、ひとつのお題を与えられて、みんなで展覧会をつくりあげていくことが多い。でも、本郷での展覧会は、コンペティティブというか、他のアーティストには負けてられないという、いい緊張を生み出している印象がありますね。

神田 トーキョーワンダーサイトは、今後もさまざまな若手支援・育成プログラムを展開していきたいと考えています。

トーキョーワンダーサイトで展開するプログラムのカタログ
トーキョーワンダーサイトで展開するプログラムのカタログ

そして話題は、香川県の小豆島で目が展開する「迷路のまち」になった。昨年の瀬戸内国際芸術祭でも発表された、家屋一軒をまるごと使った作品だ。


小豆島の家

小山 小豆島の迷路みたいな家、いまはどうなってるの。

南川 いまはまだ一軒だけです。

小山 今後、増やしていくんでしょ?

荒神 はい、いま準備中で、たまに小豆島を訪ねています。

南川 裏の土地にも広げていく予定なんですよ。

小山 平面の作家は子どもの頃から絵が好きって人が多いけど、インスタレーションの作家って、子どもの頃は何するの?

荒神 子どもの頃、インスタレーションという言葉はもちろん知らなかった。でも、たんすの上にものを置くのが、自分の中で流行っていて。

小山 それ、何歳頃?

荒神 小学校5年生くらいからずっと続けてました。これには何かあると思って。

小山 いったい何を置くの?

荒神 ゴミとか「これは!」と思ったものを直感的に置いたりとか。で、「この瞬間」って感じで写真を撮って。

小山 お父さん、お母さんはどう言ってた?

荒神 「汚いからやめろ」と言われましたけど、執拗にやるから放っとかれるようになって。

南川 で、広島市現代美術館でインスタレーションに出合うんだよね。

荒神 ええ、中学校3年生の時に「リアル/ライフ イギリスの新しい美術」(1998年)を見て。サラ・ルーカスのストッキングの作品や、アーニャ・ガラッチョが、ガーベラがだんだん腐っていく作品を出していて。ああ、こういう表現をしている人たちがいるんだと知りました。

小山 すごい話だね。ひょっとしたら、他の人とは違う風景を見ているのかも。

南川 そういえば、よく何かに気づきますね。クルマで移動していても、「ちょっと待って」としょっちゅうクルマを停めさせられて。

小山 へー、「あれは何?」といったセンサーがつねに働いてて、そこから作品が芽生えていくんだろうね。まさに「ワンダーシード」だ。

《おじさんの顔が空に浮かぶ日》 2013 宇都宮美術館 館外プロジェクト
《おじさんの顔が空に浮かぶ日》 2013 宇都宮美術館 館外プロジェクト

《夏目記念日》(番組セット) 2013 テレビ朝日
《夏目記念日》(番組セット) 2013 テレビ朝日

《迷路のまち〜変幻自在の路地空間〜》 2013 瀬戸内国際芸術祭
《迷路のまち〜変幻自在の路地空間〜》 2013 瀬戸内国際芸術祭


構成/新川貴詩

もっと知りたい! トーキョーワンダーサイト

東京から新しい芸術文化を創造・発信するアートセンター。若手クリエーターの支援・育成の場、TWS本郷。国際的な芸術文化ネットワークのハブとして国内外の文化機関と連携しながら、若手から国際的に活躍するクリエーターが発表・交流を行う場、TWS渋谷。国際交流拠点として創造的な制作・対話・教育を行う場、TWS青山:クリエーター・イン・レジデンス。3館を拠点に、「世界創造都市・東京」のプラットフォームとして活動を展開している。
http://www.tokyo-ws.org

小山登美夫(こやま・とみお)

1963年、東京都生まれ。東京藝術大学芸術学科卒業。西村画廊、白石コンテンポラリーアートを経て、96年に独立し、小山登美夫ギャラリーを開始。奈良美智や村上隆らの展覧会を開催、現在は菅木志雄、杉戸洋、蜷川実花ら日本人アーティストとともに、海外のアートフェアへも積極的に参加。最近の展覧会では、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryにて「川島秀明展」(2月19日〜3月17日)、「ヴィクトリア・ジットマン展」など。
http://www.tomiokoyamagallery.com

小山登美夫(こやま・とみお)

荒神明香(こうじん・はるか)

1983年、広島県生まれ。東京藝術大学大学院先端芸術表現科修士課程修了。受賞歴に「東京藝術大学卒業制作買い上げ賞」、「Art Award tokyo 2007」グランプリ受賞。主なグループ展に「Space for your future」(東京都現代美術館、2007年)「ライフがフォームになるとき」(サンパウロ近代美術館、2008年)、「瀬戸内国際芸術祭2013」などがある。「目」として展覧会「状況の配列」を開催(三菱地所アルティアム、2月26日〜3月15日)。

荒神明香(こうじん・はるか)

南川憲二(みなみがわ・けんじ)

1979年、大阪府生まれ。京都精華大学芸術学部卒業。京都府亀岡市小中学校にて図画工作科講師を務めた後、東京藝術大学大学院先端芸術表現科修士課程修了。受賞歴に「東京藝術大学大学院修了制作展川俣正賞」、「Art Award tokyo 2009」グランプリ受賞。wah-documentとして主な展覧会に「すみだ川のおもしろい」(すみだリバーサイドホールギャラリー、2009年)、「ひののんフィクション:見えない森」(東京、2011年)など。
http://wah-document.com

南川憲二(みなみがわ・けんじ)

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