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トーキョー・アートスポット
「歌」を手がかりに映像の振れ幅を見せたい 2/2
語り手:恵比寿映像祭ディレクター 岡村恵子さん

本年度「第2回 恵比寿映像祭」(2010年)上映予定作品より ヴィルギル・ヴィードリッヒ《Fast Film》2003年 (c)  Virgil Widrich

本年度「第2回 恵比寿映像祭」(2010年)上映予定作品より
ヴィルギル・ヴィードリッヒ《Fast Film》2003年 (c) Virgil Widrich


―――上映作品と展示作品は、どのように決められるのですか。

 ひとつの場所ですので、上映と展示、両方に関心を持っていただけるような出し方を心がけていますが、展示室は音がバッティングしてしまったりするので、そういくつも作品を持ち込めないんですね。ですから、上映ホールのスクリーンで見た方がじっくり味わえる作品は上映することにしています。それでも、展示に出品する作家の作品を上映したり、その逆をしたりと、作家と相談しながら選定を進めています。

 展示に関しては、作品が要求する空間、条件がありますし、意味合いの連鎖が自然に生まれてくるので、作家さんに相談しながら、その配置で進めます。ひとつの展覧会としての流れと、それぞれの作品を見せるという間で折り合いをつけるのは毎回苦労するのですけれど、最後には「こうでしかありえなかった」と思えるものに不思議となっていくのが醍醐味ですね。作家さんはそう思っていないかもしれませんが(笑)。結局、論文を書くのとは違うので、意味合いとしてはこの並びに来なければならないと思っても、作品にとってそれがベストな場所ではないこともある。それはもう理屈ではなく、なるようにしていくしかないんです。

フィオナ・タン《Downside Up》2002年 (c)Fiona Tan, courtesy WAKO WORKS OF ART, Tokyo

ミン・ウォン《Four Malay Stories(馬来四伝)》2005年のためのビルボード (c)Ming Wong

本年度「第2回 恵比寿映像祭」(2010年)展示予定作品より
左:フィオナ・タン《Downside Up》2002年 (c)Fiona Tan, courtesy WAKO WORKS OF ART, Tokyo
右:ミン・ウォン《Four Malay Stories(馬来四伝)》2005年のためのビルボード (c)Ming Wong

―――美術館以外の展開もいろいろあるようですが。

 美術館内だけですと、展示室で見せることが望ましい作品に限られるので、どうしてもある一部の表現になってしまう。映像は本来的には多様で広いものなので、展示室以外の場所も模索しておかないといけないと思ったんですね。それに、恵比寿という街に根づいた美術館をホームベースにもつ映像祭って他にはないので、近隣のリソースと結びつくことで地域に貢献できないだろうかという考えもありました。今回は、美術館という箱から新たな展示の可能性として、恵比寿ガーデンプレイスセンター広場がオフサイトの展示会場になっています。藤本隆行さんの作品を10日間展示して、豪華ライヴ・パフォーマンスも開催します。また、渋谷の街頭でも作品を展示する予定です。

 新しい試みとしては、ウェブサイトと連動したシンポジウムがあります。恵比寿映像祭だけでなく、さまざまなアート・イヴェントが単発であって、現場ではいろいろな志があるのに、それを有機的に機能させたり、定着させるメディアってあまりないんですね。今回は、特に議論をちゃんと持とうというフェスティバルなので、ウェブサイトはフェスティバル情報の発信だけでなく、ある種の企画コンテンツを発信するメディアとして捉えています。実は先日、若手の批評家の方に映像をめぐる議論をしていただくという企画の第1回の収録がありまして、これは、事前にサイト上で議論を公開したうえで、ほぼ同じメンバーでフェスティバル中にシンポジウムを行うという趣向です。事前に前提の話は終えておいて、当日は核心にふれる話に持ち込めればいいなと思います。

本年度「第2回 恵比寿映像祭」(2010年)オフサイト展示予定作品より 藤本隆行(dumb type)シンガポール・ビエンナーレ2008におけるLEDインスタレーション(中谷芙二子とのコラボレーション) (c)Fujimoto Takayuki[参考図版]
本年度「第2回 恵比寿映像祭」(2010年)オフサイト展示予定作品より
藤本隆行(dumb type)シンガポール・ビエンナーレ2008におけるLEDインスタレーション(中谷芙二子とのコラボレーション) (c)Fujimoto Takayuki[参考図版]

―――最後にひとことメッセージをお願いします。

 恵比寿映像祭の一番の醍醐味は、全部見ることです(笑)。去年は見逃したという方はたくさんいらっしゃるんですが、来ないと一生後悔するフェスティバルにしたいと思っています。上映作品は、無料にするとかえって並んでいただかないといけませんので、ホスピタリティの面からも有料にさせていただいていますが、他でなかなか見られないものや、他でも上映はされているが、こんな機会でしかまとめて見られないという作品を集めました。普段なら見ない作品も、ついでに見てもらえるといいかもしれないです。展示は無料ですし、10日間のみのフェスティバルなので、是非お越しください!

 Information

■第2回 恵比寿映像祭 歌をさがして
会期:2010年2月19日(金)〜2月28日(日)の10日間
会場:東京都写真美術館全フロア、恵比寿ガーデンプレイス「センター広場」他
開館:10:00〜20:00 ※最終日2月28日(日)は18:00まで
休館:会期中無休
料金:無料 ※定員制の上映プログラム、イヴェントなどについては有料
※上映スケジュールなどの詳細は、下記公式ホームページよりご確認ください
※恵比寿映像祭は、東京文化発信プロジェクト事業の一環として実施しています
http://www.yebizo.com/

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岡村恵子(おかむらけいこ) 写真

岡村恵子
(おかむらけいこ)

恵比寿映像祭ディレクター/東京都写真美術館学芸員。東京都現代美術館学芸員を経て2007年より現職。「MOTアニュアル2000 低温火傷」(2000)、「転換期の作法 ポーランド、チェコ、スロヴァキア、ハンガリーの現代美術」(2005‐06)、「イマジネーション 視覚と知覚を超える旅」(2008-09)、「躍動するイメージ。石田尚志とアブストラクト・アニメーションの源流」(2009-10)を企画。プレ・イヴェントとして手がけた「映像をめぐる7夜」(2008)をふまえ、恵比寿映像祭を立ち上げる。
http://www.yebizo.com/

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