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トーキョー・アートスポット
絵でめぐる江戸の名所「隅田川」
東京都江戸東京博物館

隅田川と東京都江戸東京博物館 写真提供/東京都江戸東京博物館
隅田川と東京都江戸東京博物館 写真提供/東京都江戸東京博物館

東京スカイツリーの建設などで何かと話題の東東京エリアは、江戸時代から庶民文化が花開いた地域です。そして、これらの町の間を流れる隅田川は江戸の名所として、古くは平安時代の『伊勢物語』の「東下り」、能の『隅田川』など、様々な創作物のエピソードに登場します。今回は、隅田川東岸の町、両国にある東京都江戸東京博物館で9月22日(水)より開催予定の特別展「隅田川〜江戸が愛した風景〜」をご紹介。描かれた絵で江戸時代から近代の「隅田川」めぐりをしてみませんか。

特別展 隅田川〜江戸が愛した風景〜

 本展は、東京都江戸東京博物館が20年以上の歳月をかけて収集した錦絵、屏風、絵巻など、「隅田川」の描かれた絵を、他館の名品とあわせて一挙公開する初の展覧会です。およそ160件の作品を「プロローグ 古典から現世へ」「第1章 舟遊びの隅田川」「第2章 隅田川を眺める」「第3章 隅田川の風物詩」「エピローグ 近代への連続と非連続」という5つのテーマで展示構成し、江戸の名所、文化の拠点、輸送の大動脈としての「隅田川」を振り返ります。庶民に親しまれてきた川の変遷をたどることで、当時の文化や生活の流れを追うことができるでしょう。ここでは、展示作品の中から6点をピックアップ。お出かけ前に是非チェックしていってください。

 広重の名所江戸百景のひとつ

歌川広重《名所江戸百景 両国花火》大判錦絵、1枚 安政5(1858)年 東京都江戸東京博物館所蔵
歌川広重《名所江戸百景 両国花火》大判錦絵、1枚 安政5(1858)年 東京都江戸東京博物館所蔵

 この有名な錦絵は歌川広重の著名なシリーズのひとつで、両国橋と花火が描かれています。両国橋は夕涼みの名所として知られ、旧暦の6月末から8月末にかけて江戸の人びとでにぎわいました。縦長の画面をいかした表現が特徴で、空高く上がる花火の雰囲気がよく伝わってきます。また背景を暗い色彩で押さえることにより、花火の明るさも効果的に強調されています。

 隅田川の花火

橋本貞秀《東都両国ばし夏景色》大判錦絵、3枚続 安政6(1859)年 東京都江戸東京博物館所蔵
橋本貞秀《東都両国ばし夏景色》大判錦絵、3枚続 安政6(1859)年 東京都江戸東京博物館所蔵

 びっしりと人で埋め尽くされた中央の橋は、江戸時代初期の1660年頃に初めて建設され、現在に至るまで何度も架けなおされている両国橋です。花火の上がる夜の隅田川の光景が西側上空から描かれていますが、極端に歪曲した川の表現と、誇張された橋の上や川面の混雑振りが印象的で、圧倒的なパワーを感じさせる作品。NHK大河ドラマ『龍馬伝』のオープニングでは、3Dで登場していますね。

 両国橋と江戸の力士たち

凌雲斎豊麿《天明八戊申歳江戸大相撲生写之図屏風》紙本着色、6曲1双の右隻 天明8(1788)年 (財)日本相撲協会相撲博物館所蔵
凌雲斎豊麿《天明八戊申歳江戸大相撲生写之図屏風》紙本着色、6曲1双の右隻 天明8(1788)年 (財)日本相撲協会相撲博物館所蔵

 9月12日より国技館ではじまった大相撲の九月場所。両国駅周辺を歩いていると、若い力士を見かけことしばしば。その姿に思わず目を向けてしまいます。本図は、両国橋の上を力士が並んで歩く迫力満点の屏風。江戸の相撲は寛永年間にはじまり、江戸の盛り場、両国橋東側の回向院境内で興業されるようになりました。絵の力士たちは、回向院での相撲から引き上げるところと考えられており、両国橋ならではの光景が劇的に表現されています。対となる左隻には日本橋を歩く力士たちの姿が。

 屋形船で舟遊び

鳥文斎栄之《隅田川舟遊び》大判錦絵、5枚続 江戸中期・18世紀末〜19世紀初頭頃 東京都江戸東京博物館所蔵
鳥文斎栄之《隅田川舟遊び》大判錦絵、5枚続 江戸中期・18世紀末〜19世紀初頭頃 東京都江戸東京博物館所蔵

 作者は、旗本(武士)から絵師になったという異色の経歴をもつ鳥文斎栄之。美人画を多く残し、同時期に活躍した喜多川歌麿と人気を競ったとか。描かれたのは、屋形舟で過ごす華やかな女性たちの姿。中央で煙管片手にくつろぐ女性が主人格と見られる。5枚続きの横長画面をうまく活かした構図で、右端に橋脚が見えているのがおもしろいところです。どの橋がモチーフになっているかは、想像するしかないとのこと。

 北斎の冨嶽三十六景より

葛飾北斎《冨嶽三十六景 深川万年橋下》大判錦絵、1枚 天保2〜4(1831〜3)年頃 東京都江戸東京博物館所蔵 ※9月22日(水)〜10月17日(日)展示予定
葛飾北斎《冨嶽三十六景 深川万年橋下》大判錦絵、1枚 天保2〜4(1831〜3)年頃 東京都江戸東京博物館所蔵 ※9月22日(水)〜10月17日(日)展示予定

 生涯90回以上も引っ越しをしたという葛飾北斎ですが、生まれは本所、亡くなったのは浅草と、隅田エリアに縁の深い絵師です。これは、深川万年橋を川面から見上げたような構図がユニークな、北斎の人気シリーズ〈冨嶽三十六景〉のひとつ。橋の向こうに左右に広がるのが隅田川で、その背後にあるのが富士山です。水路の発達を記すのは、江戸の絵師らしい視点と言えるでしょう。

 明治の隅田川

野澤定吉《東京両国通運会社川蒸気往復盛栄真景之図》大判錦絵、3枚続 明治(1868〜1911)前期 東京都江戸東京博物館所蔵
野澤定吉《東京両国通運会社川蒸気往復盛栄真景之図》大判錦絵、3枚続 明治(1868〜1911)前期 東京都江戸東京博物館所蔵

 隅田川に蒸気船が往来するようになったのは、明治初期のこと。描かれているのは、内国通運会社の蒸気船「通運丸」。岸辺に見えるのは洋風建築物や人力車、両国橋が西洋型木橋に代わっているなど、両国橋界隈の文明開化の様子が一目でわかる作品です。明治期に隆盛した蒸気船も時代の流れと共に姿を消し、本図の制作から約100年を経た現在は水上バスが運行しています。隅田川の絵でたどる江戸東京の変遷は、是非実物の作品がもつ美しい色調、摺りでお楽しみください。

 常設展示室もチェック

東京都江戸東京博物館5階の常設展示室(江戸ゾーン)には、江戸後期の両国橋西詰の風景が30分の1の模型で再現されています。1500体の人形が配置された、天保の改革前の花火見物のにぎわいの様子は必見!
東京都江戸東京博物館5階の常設展示室(江戸ゾーン)には、江戸後期の両国橋西詰の風景が30分の1の模型で再現されています。1500体の人形が配置された、天保の改革前の花火見物のにぎわいの様子は必見!

企画展 徳川御三卿(ごさんきょう)

紅葉山八講法会図絵巻(部分) 江戸時代・18世紀 コ川記念財団所蔵
紅葉山八講法会図絵巻(部分) 江戸時代・18世紀 コ川記念財団所蔵

 「隅田川展」開催中の10月5日からはじまる本展は、徳川御三卿ゆかりの貴重な資料を紹介する展覧会です。将軍と同じ江戸城内に屋敷を与えられ、将軍家の家族同様の扱いを受けていた「御三卿」は、田安、一橋、清水徳川家をさします。八代将軍吉宗の時代、その次男宗武(むねたけ)を当主として田安徳川家が、その四男宗尹(むねただ)を当主として一橋徳川家が創設され、その後九代将軍家重の次男重好(しげよし)を当主として清水徳川家が創設されました。会場には、田安、一橋の初代当主が描かれた「紅葉山八講法会図絵巻」(コ川記念財団所蔵)、一橋屋敷絵図(茨城県立歴史館所蔵)などが並び、徳川御三卿が果たした役割を知る絶好の機会となっています。

 Information

■特別展 隅田川〜江戸が愛した風景〜
会期/9月22日(水)〜11月14日(日)
休館/月曜日(ただし10月11日は開館)、10月12日(火)
時間/9:30〜17:30(土曜日〜19:30)入館は閉館の30分前まで
会場/東京都江戸東京博物館 1階展示室
料金/一般1100円、大学生・専門学校生880円、小中高校生・65歳以上550円
無料/未就学児童、身体障害者手帳・愛の手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・被爆者健康手帳をお持ちの方とその付き添い者2名まで

※会期中展示替えあり。また「前期」「後期」で大幅な展示替えを予定しておりますので、ご注意ください。
・前期:9月22日(水)〜10月17日(日)
・後期:10月19日(火)〜11月14日(日)

※ロビーには、「隅田川を写したフォトコンテスト」の入賞作品を展覧会会期中展示。

■企画展 徳川御三卿
会期/10月5日(火)〜11月14日(日)
休館/月曜日(ただし10月11日は開館)、10月12日(火)
時間/9:30〜17:30(土曜日〜19:30)入館は閉館の30分前まで
会場/東京都江戸東京博物館 5階常設展示室 第2企画展示室
料金/一般600円、学生(大学院生・専門学生含む)480円、中高校生・65歳以上300円
無料/都内在住・在学の中学生、小学生以下

東京都江戸東京博物館 写真

1993年、江戸東京の歴史と文化を振り返り、未来を考える博物館として開館。江戸時代から昭和に至る江戸東京の生活を復元したミニチュア、実物大の模型の他、絵画、文書、地図、道具類などの資料を常設展示。2011年の特別展は「江〜姫たちの戦国〜」(1月2日〜2月20日)、「五百羅漢 増上寺秘蔵の仏画」(3月15日〜5月29日)などを予定。
所在地/墨田区横網1-4-1
交通/都営大江戸線両国駅A4出口より徒歩1分、JR総武線両国駅西口より徒歩3分 他

http://www.edo-
tokyo-museum.or.jp/

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