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トーキョー・アートスポット
東京をめぐる No.002 都市とアートが共存する代官山を散策しよう

オシャレなカフェやセレクトショップが多く、日中はランチや買い物客でにぎわう代官山。
ここでは1999年から2年に1回「代官山インスタレーション」という、まちの中にインスタレーションを展示する公募展が開催され、2011年で7回目を迎えます。展覧会は10月9日(日)からスタートするので、作品を見ながらまちを散策するのも楽しそうです。

 代官山インスタレーションとは?

代官山インスタレーション2009 グランプリ「他知人」高橋寛
代官山インスタレーション2009 グランプリ「他知人」高橋寛

 代官山は、カフェやショップなどの商業施設、閑静な住宅街、旧山手通りに複数ある大使館(デンマーク、エジプト、マレーシアなど)や教会のほか、重要文化財の旧朝倉家住宅、古墳時代の円墳で地名の由来にもなった猿楽怐A西郷隆盛の弟、西郷従道の邸宅跡である西郷山公園など歴史あるスポットが混在するエリアです。

 このような場所性を活かし、1999年から開催されているのが、代官山全体が会場となる展覧会、代官山インスタレーションです。アートディレクターの北川フラムさんの「まちづくりをしよう」という一言で始まり、2年に1度、広く作品を公募。1次審査は展示プランで選考が進められ、建築家の槇文彦さん、美術評論家の中原佑介さん(2009年まで担当)、アーティストの川俣正さんの3人が協議し、約10点の作品を選出。実際まち中にインスタレーションを展示し、2次審査としてグランプリを決定するという企画です。

 代官山インスタレーション実行委員として、10年以上展覧会運営に携わっている坪井みどりさん、青木理惠さんに展覧会の見どころをお聞きすると、「都市の中で場所性を重んじたイベントですが、敢えてテーマを設定しないので、自ずからいろいろなタイプの作品が出てくるところに面白さがあると思います」(坪井さん)。「まちを歩いて楽しんでもらおうという企画なので、前回は代官山駅から中目黒駅まで作品を展示しました。電車だとひと駅ですが、実際に歩いてみるととてもいい散歩道なんですね」(青木さん)。出品者は、学生から社会人、プロまでと幅広く、美術より建築畑の方が多いそうで、大学の研究室で参加し、大がかりなインスタレーションを発表される方もいるとのこと。これまでに、どのような作品が生み出されたのでしょうか。

 インスタレーションがきっかけで、新たなスポットが誕生

夏の「ひまわりガーデン代官山坂」の様子(2009年8月) 写真提供/株式会社アスピ
夏の「ひまわりガーデン代官山坂」の様子(2009年8月) 写真提供/株式会社アスピ

 残念ながら今年の見頃は過ぎてしまいましたが、代官山の夏の風物詩となっているのが、ヒマワリの花が咲き誇る「ひまわりガーデン」です。代官山アドレス(同潤会アパート跡地)に隣接する道路内、全長100メートル程の緑地帯がひまわりガーデンと呼ばれ、毎年夏になると一面ヒマワリ色に染まり、代官山のまちを彩ります。種蒔きから開花までの水やりなどは、地域活動プロジェクトの一環として行われ、ヒマワリの見頃となる7〜8月にこのスペースを開放。地域の人たちの憩いの場になっているそうです。

代官山インスタレーション2005 グランプリ「代官山リビング」セカンドリビング研究会(村井一+大家雅広+小野田祐一)
代官山インスタレーション2005 グランプリ「代官山リビング」セカンドリビング研究会(村井一+大家雅広+小野田祐一)

 このように現在ではまちに定着したひまわりガーデンも、もともとは東横線と立体交差の道路予定地としてつくられ、工事が中断。未利用地として閉鎖された場所でした。「2003年の展示のときはまだ草むらの空き地で、ここは何なんだ(笑)? と。そこで、次の代官山インスタレーション開催時に、このスペースを貸してくれませんかと渋谷区に交渉したんです。そして2005年の展示で東大の院生3人組が『代官山リビング』という作品、全長100メートル近い大きなテーブルを設営し、一般に開放したんですね」(青木さん)。「それが好評で、地元の民生委員の方が区にかけ合って、継続して市民に開放されることになったという。夏はヒマワリ、秋はインスタレーションというのが定着してきているんじゃないでしょうか」(坪井さん)。都市の閉じた空間を、インスタレーションというアートで開放し、新たなスポットとなったひまわりガーデン。このように、「作品が消えた後も記憶に残るまちの風景、そういったものがこれからも生まれるといいですね」と青木さんは語ってくれました。

 今年は10月9日から展示がスタート

代官山インスタレーション2011 出品予定作品「A邸 〜都市の記憶〜」松本明子+鈴木将記
代官山インスタレーション2011 出品予定作品「A邸 〜都市の記憶〜」松本明子+鈴木将記

 代官山インスタレーション2011は、9点のインスタレーションが公開される予定です。展示エリアは、「アーティストの眼で場所を発掘してもらうという意味合いも込めて、今回はフリースポット。代官山のどこを展示スペースに選んでもいいと、大きく出てしまいました(笑)」(坪井さん)。「スポットの縛りがなくなると、まちの雰囲気を知るために下見に来たり、歴史を調べたり、みなさんそれぞれの方法で場所性を読み込んでコンセプトを立てているようで、展示プランも意識の高いものが多かったように感じました。実現すれば、とてもいい展覧会になると思います。もちろん公共の場を使うというのは、さまざまな制約もあります。ですが、作家さんには社会規範を守って展示プランを考えるという視点をもって、制作に取り組んでほしいという思いもあるんです」(青木さん)。

 展示プランの打ち合わせに来ていた入選作家のひとり、河地貢士さんにどのような作品を発表するかを尋ねたところ、「展示予定の作品はまんが農業と言って、読み終えた漫画の好きなページに苗を植えるんです。ふつうはしおりじゃないですか。でも苗を直に植えて、イメージを育てるという。これを、ハリウッドランチマーケットに展示する予定です。できればワークショップも開催したいですね」と話してくれました。紙のイメージが、どのような形になってまちに出現するのか。また、どこに作品が設置されるのか。作者の意図、場所と作品の関係性を考えながらまち歩きをすると、これまでのイメージとは異なる代官山の魅力を発見できるかもしれません。

代官山インスタレーション2011 出品予定作品「まんが農業」河地貢士

代官山インスタレーション2011 出品予定作品「まんが農業」河地貢士

代官山インスタレーション2011 出品予定作品「まんが農業」河地貢士
 Information

代官山インスタレーション2011
会期/10月9日(日)〜10月30日(日)
会場/代官山の街並み
http://d-insta.com/

東京という都市を形成するまちや地域にスポットを当て、そのエリアの特徴や歴史的背景、地域密着型のアート活動などを紹介します。

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