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トーキョー・アートスポット
東京をめぐる No.005 ライトアップされた武蔵野の自然を体感

東京西部に広がる武蔵野エリア。中央線の武蔵境駅から国分寺駅周辺は自然が多く残り、四季折々の景観を楽しむことができるスポットです。今回は、紅葉が見頃を迎える11月下旬に江戸東京たてもの園で開催予定の「紅葉とたてもののライトアップ」を紹介します。いつもとは一味違う夜の野外ミュージアムに、是非足を運んでみてください。

 江戸東京たてもの園、秋の夜間開園

子宝湯 1929(昭和4)年建築
子宝湯 1929(昭和4)年建築

 緑に囲まれた都立小金井公園内にある江戸東京たてもの園は、江戸時代から昭和にかけて建てられた文化的価値の高い歴史的建造物29棟を移築・復元した野外ミュージアムです。正面入り口には、紀元2600年記念式典の会場として昭和15年に建てられた光華殿が前身となっているビジターセンターがあり、来園者はここを通って、屋外展示スペースへ向かいます。園内はセンターゾーン、西ゾーン、東ゾーンの3つのブロックに分けられ、茅(かや)ぶき屋根の農家が並ぶ西ゾーンでは、江戸時代の農村にいるかのような雰囲気を味わうことができます。そこからセンターゾーンにかけて、大正・昭和期のモダンな個人邸宅の並ぶ山手通り、森を身近に感じられる武蔵野の道などを歩き、東ゾーンへ。銭湯や醤油店、荒物屋、文具店、酒屋といった商店が軒を連ねる下町中通りは、往時のお店の活気を今に伝えます。今年から新たに、万徳旅館と大和屋本店(乾物屋)の公開が始まりましたので、是非チェックしてみてください。

 敷地面積は約7ヘクタールあり、建築様式の変遷を追いながら園内を歩くとたっぷり1日かかってしまう江戸東京たてもの園ですが、11月25日(金)から3日間は開園時間を20:00まで延長。秋ならではのイベント「紅葉とたてもののライトアップ」が開催され、夜まで園内を堪能することができます(安全対策のため、一部お入りいただけない建物があります)。このイベントの概要を江戸東京たてもの園の学芸員・橋英久さんにお聞きすると、「ライトアップは、東京都歴史文化財団パートナーシップ事業の加盟校である武蔵野美術大学の教授で照明デザイナーの面出薫先生と話し合い、去年からスタートしたものです。たてもの園は夜の雰囲気がとても良いのですが、学生たちのアイデアでより良くしてもらいたいと思っています」。2回目の開催となる今年も、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科、面出薫ゼミの学生8名がライトアップをトータル・プロデュースし、園内を照明で彩るとのこと。どのようなイベントになるのかを、ゼミ長の二反田和樹さんと副ゼミ長の永井宏武さんにお聞きしました。

 美大生のアイデアが活きるライトアップ

ビジターセンターでのライトアップ実験風景
ビジターセンターでのライトアップ実験風景

 「去年は僕たちの先輩がライトアップを担当させていただきました。園内全体を照らすのは前回と同じですが、今年は"光の宴"をテーマに、エリアごとに印象的な光を使い、アートな空間を創出したいと考えています」(二反田さん)。「去年との大きな違いは、光と音を使ったパフォーマンスを下町中通りで行うことです。LED照明などを使い、空間を真っ青にしたりして、たてもの園の印象がガラッと変わるような演出。これは今年のオリジナル企画で、約5分のパフォーマンスを1日3回程、実施する予定です」(永井さん)。「これを見て帰ってほしい、というメインイベントですね」(二反田さん)。

 ほかにも、今年ならではの見どころが各エリアに設けられており、「お客さんがたてもの園に入る瞬間から非日常を体感してもらえるよう、ビジターセンターの照明を落とし、他の光源を使って天井に光を投射。別空間に変えます」(永井さん)。「家族連れの方が遊べる空間も用意していて、東の広場は色のついた影絵、カラーシャドーで遊べるスペースにしたいなと。プロジェクターでグラフィカルな動画を映し、そこに自分の影が組み合わさるという仕掛けです」(二反田さん)。「西ゾーンには、通りを照らす行灯を置く予定です」(永井さん)。更に、高橋是清邸の庭園に流れる水の中に明かりがあったり、紅葉の美しさを照らす光があったりと、現在のプランには随所にゼミ生の趣向が凝らされています。二反田さんの「園内にあるものを活かしてライトアップした方がたてもの園さんでやる意味が出てくると思いますし、よりよい景観をつくるイベントにしたいと思います。そして、今日しか見られない光を体感してほしいですね」という言葉に、期待感がふくらみます。

 電力問題について、今回は節電をテーマにという話も挙がったそうですが、いい光だけを残して無駄な光を省いていく。それができれば、ライトアップも楽しく美しいものであるという考えを語ってくださいました。学生のみなさんがつくり出すアーティスティックなライトアップ、きらびやかでなくとも雰囲気のある園内の光、それらを心地よく感じることができた時、今までの電気の明るさについて改めて考えてみるきっかけになるかもしれません。

下町中通りのスケッチ

東の広場でのカラーシャドー実験風景

下町中通りのスケッチ(左)、東の広場でのカラーシャドー実験風景(右)
 3日間限定のお楽しみイベント

三井八郎右衞門邸 1952(昭和27)年建築
三井八郎右衞門邸 1952(昭和27)年建築

 「紅葉とたてもののライトアップ」の開催期間中は、園内に屋台が店を構え、焼きそばや豚汁などを販売する予定とのこと。ライトアップを見ながら、ほっと温まれるスペースがあるそうです。また、三井八郎右衞門邸前では、11月25日から27日まで毎日18時から紅葉をバックに野外コンサートも行われ、目と耳を楽しませてくれます。見どころ満載の3日間。せっかくの機会ですので、夜のたてもの園を楽しむ前には、周辺の小金井公園をゆっくり歩くのもおすすめです。「広葉樹の多い小金井公園は、11月下旬から木々が色づくとともに、風が吹くとまるで雨のように落ち葉が散っていきます。自然のつくり出す景色はとてもきれいなので、是非立ち寄ってみてください」(橋さん)。

紅葉とたてもののライトアップ
日程/ 11月25日(金)〜11月27日(日)
時間/ 16:30〜20:00(入園は19:30まで)
会場/ 江戸東京たてもの園
備考/ JR中央線武蔵小金井駅北口より無料バスを運行
※16:30〜19:00内で30分に1本
※たてもの園から武蔵小金井駅へは17:00〜20:00内で30分に1本
関連企画「夜空の下のクラシックコンサート」  
  時間/ 会期中の18:00〜19:00
  会場/ 江戸東京たてもの園内 三井八郎右衞門邸前

http://tatemonoen.jp/

東京という都市を形成するまちや地域にスポットを当て、そのエリアの特徴や歴史的背景、地域密着型のアート活動などを紹介します。

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