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トーキョー・アートスポット
東京をめぐる No.006 神田神保町で“紙の本”の魅力を再発見

近年、電子書籍の普及によって転換期を迎えている“本”ですが、古書から新刊本まで、本にまつわるイベントが多く行われているのが本の街、神田神保町。あらゆる分野の古書が見つかると言われる世界最大級の古書店街は、愛書家たちの静かな熱気が感じられる場所です。今回は、本の街で書籍の魅力を再発見してみませんか。

 紙という素材から見る"本"

見本帖本店」 東京都千代田区神田錦町3-18-3
「竹尾 見本帖本店」 東京都千代田区神田錦町3-18-3
http://www.takeo.co.jp/site/shop/central/index.html

 今年の10月から11月にかけて、紙の専門商社「竹尾」の見本帖本店をメイン会場に、「TAKEO PAPER SHOW 2011 本」という "本"の魅力をさまざまな角度から捉えるイベントが行われました。見どころのひとつになっていたのが、アート・デザイン・文学など各界の識者78名が選んだ実物の本を集めたコーナーです。展示された本に添えられた、選者たちが「本」についての考えを託したコラムを読みながら展示を見ていくと、本としての紙の質感、本の存在感について再考を促されるような展示となっていました。

 紙の束とも言える本を通じて、紙の本の未来、本のデザインの可能性を展望することに重点が置かれた展示はほかにもあり、多くの人でにぎわっていたのが、来場者が自慢の一冊を持参し交換することができる「シェアシェルフ」コーナーです。電子書籍では不可能な本の交換や貸し借りを実物の本で行うことで、本を介した人とのつながりを実感することができるという企画でした。残念ながら展示は終了していますが、78名の識者が選んだ本や「シェアシェルフ」の様子は公式ウェブサイトで現在も公開中です。

 もともと「竹尾ペーパーショウ」は、特殊紙を得意とする竹尾が1965年から毎年開催してきた展示会です。近年は都内の特設会場で数日間に限定した特別展示を行ってきましたが、今年は3月11日の東日本大震災の影響もあり、同社が運営する紙のショールームでありショップの見本帖本店がメイン会場になりました。紙を扱うことの多いグラフィックデザイナーには馴染みのある見本帖本店ですが、今年はほかにもサテライト会場として、都内各所の書店やギャラリーなどでもそれぞれ独自のイベントが行われていたこともあり、大盛況でした。次にご紹介する南洋堂書店も、サテライト会場として参加していた書店のひとつです。

「TAKEO PAPER SHOW 2011 本」2011年10月20日〜11月4日 メイン会場/竹尾 見本帖本店(年内も各種イベントを開催予定)

「TAKEO PAPER SHOW 2011 本」2011年10月20日〜11月4日 メイン会場/竹尾 見本帖本店(年内も各種イベントを開催予定)

「TAKEO PAPER SHOW 2011 本」2011年10月20日〜11月4日 メイン会場/竹尾 見本帖本店(年内も各種イベントを開催予定)
http://www.takeopapershow.com
 古書と新刊本の同居

「南洋堂書店」 東京都千代田区神田神保町1-21

「南洋堂書店」 東京都千代田区神田神保町1-21

「南洋堂書店」 東京都千代田区神田神保町1-21
http://www.nanyodo.co.jp

 1925年に神田神保町で創業した南洋堂書店は、自費出版や海外からの輸入本、古書、新刊本を問わず、建築専門書店として学生から専門家まで広い層に親しまれています。「TAKEO PAPER SHOW 2011 本」では、店内に「本は建築です」をテーマにした本棚を設置し、独自のセレクトで建築書を取り上げるという形式で参加。南洋堂書店の新宮岳さんは「昔から建築と本は似ていると言われることがよくあります。スケールの違いはありますが、設計プロセスは本の編集や本づくりの過程と近い部分がありますし、作品集を出版する場合には製本にこだわりをもつ建築家も多いですね」と話してくださいました。

 店頭のワゴンには「お金のない学生向けに」と建築専門書の古本が破格の値段で置かれていたり、表通りに面したウィンドウでは建築本の出版に合わせて建築家自身によるインスタレーションが行われたり。不定期で建築関連の展示を行うギャラリースペースも持つ南洋堂では、建築そのものの情報だけでなく、本との関係にも考えを巡らせてみることができそうです。

 ワークショップで自作を製本

「美篶堂ショップ」 東京都千代田区神田錦町3-18-3錦三ビル2階見本帖本店内
「美篶堂ショップ」 東京都千代田区神田錦町3-18-3錦三ビル2階見本帖本店内
http://www.misuzudo-b.com/index.html

 本の街には、本を手に取るだけでなく、自分で製本することができるスポットもあります。誰でも参加可能な製本ワークショップを開催している「美篶堂(みすずどう)」は、かつてお茶の水にショップを併設した工房とギャラリーを構えていた、製本専門店で、雰囲気のある佇まいが人気の店舗でしたが、残念ながら東日本大震災をきっかけに移転。現在は前出の「竹尾 見本帖本店」内の2階で営業を続けています。

 取締役社長の上島明子さんによれば、「竹尾さんからは長年製本の依頼を受け、私たちも紙を使わせてもらっている深い縁。なにより製本に興味のある人は紙選びにも個性を持っているので、最適な場所だと考えています」とのこと。震災を機に、工房をたたむ覚悟もされたそうですが、今でも製本ワークショップは申し込みが途絶えません。「文庫製本」「丸背上製本」「豆本切手アルバム+ブックケース」など、目的に合った製本を完成させられる豊富なプログラムが人気の秘訣です。ワークショップだけでなく、少部数の製本を発注することもできるので、作品集や自著の特製本ならばまず相談してみてはいかがでしょうか。探して、学んで、本を作ることもできる神田神保町。紙の本にはまだたくさんの可能性があることを、体感できる街なのです。

東京という都市を形成するまちや地域にスポットを当て、そのエリアの特徴や歴史的背景、地域密着型のアート活動などを紹介します。

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