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ステップアップ
No.004
作品ファイル(ポートフォリオ)の制作ノウハウ
Step.4 アーティストとしての活動を知ってもらう

作品ファイルは、自分がアーティストだと知ってもらうために必要となるアイテムです。ギャラリーで個展を申し込む時、コンペなどに参加する際にも提出を求められることがあり、自作をプレゼンテーションするために使用したり、審査の対象になったりします。今回は、作家活動を続けるために是非用意しておきたい作品ファイルのつくり方から、活用ポイントを紹介します。


作品ファイルの大きさと形態

 作品ファイルとは、市販のクリアファイルに、作品の写真と自分のプロフィールをまとめたものを言います。自分の作品を見せるアイテムとして、アーティストを志望する人は必ずつくっているものです。一般的には、A4サイズのクリアファイルの使用が主流です。作品の写真にはそれぞれにキャプション(作品タイトル、制作年、素材・使用画材、縦×横×奥行のサイズなど)を入れておき、最後のページには、自分のプロフィール(最終学歴や展覧会歴、受賞歴、連絡先、HPなど)を入れておきます。作品ファイルを見ることで、どんな人がどんな作品をつくっているかが伝わる内容になっていることが大切です。そして背表紙の部分にも、名前と作品のイメージがわかる写真などを入れておくとよいでしょう。ファイル自体はいくつかのギャラリーなどに預けることもあるので、複数つくっておく必要があります。

 作品の写真は、平面、立体、インスタレーション作品にかかわらず、作品の全体がわかる正面からのもの、その細部まで確認できるものなど、数枚載せておきます。ディテール、マチエールなどを見せることで作品の詳細や雰囲気が伝わります。しかし、同じ大きさの図版で構成すると、ページ数が多い場合は単調な印象を与えることにもなります。途中に展示風景などを入れると、ファイルをめくっていく時のアクセントにもなりますし、作品の大きさ感や雰囲気などがわかります。

 作品のサイズが小さいからと原画をそのままファイリングする人もいますが、原画がいたむこともあるので、写真に撮ってプリントをファイルした方がよいでしょう。また、作品が大きい場合、A2やA1といったサイズに出力した写真を、大型のクリアファイルにまとめる人もいます。作品の迫力は伝わりますが、持ち運びには不向きかもしれません。 最近ではノートPCやタブレットを使って見せる方法もあります。映像作品や彫刻、インスタレーション作品などを見せるには写真だけでなく、動画をまじえて見せることで、深い作品の理解につながっていくでしょう。

インスタレーションや映像作品は展示風景とコマのカットを見開きでまとめたり、活動歴として展覧会のチラシなどをファイリングするのもポイント。作品ファイル/大崎のぶゆきさん(「崎」=正しくはつくりの「大」が「立」)
インスタレーションや映像作品は展示風景とコマのカットを見開きでまとめたり、活動歴として展覧会のチラシなどをファイリングするのもポイント。
作品ファイル/大崎のぶゆきさん(「崎」=正しくはつくりの「大」が「立」)

一般的な作品ファイルの構成
□サイズはA4(21×29.7cm)
□コンセプトシート(自分の言葉で、制作の意図をまとめる)
□□作品写真(タイトル、制作年、素材・使用画材、縦×横×奥行のサイズなども併記)
□自分のプロフィール(最終学歴や展覧会歴、受賞歴、連絡先、HPなど)

制作ポイント
□ギャラリーやコンペによっては作品ファイルが返却されない場合もあるので、原画のファイリングは避け、1冊だけでなく複数つくっておく
□作品写真は、同じサイズの写真をただ並べるのではなく、強弱をつけてまとめる
□ファイルする作品は、自分が見せたいものを中心に、それにつながる過去の作品を選び、全体の統一感を出す


作品ファイルで見せるもの

 作品ファイルにはこれまでに制作した作品すべてをファイリングするのではなく、自分が今一番アピールしたい作品を中心に見せることを目的に編集することが大切です。自分の最新の自信作を最初のページにファイルし、その作品につながる過去の作品をファイルします。これまでの作風の変化や、制作に関するコンセプトや考えの推移などを見せることで、プレゼンテーションできる内容にする必要があります。作品の多様性と統一感、その変化を見せることができるとよいでしょう。

 そして、重要なのがコンセプトシートです。ここには、アーティストとしてどのような活動をしているのか、どのような意図で制作をしているかを文章でまとめます。自分の制作に対する考え、ビジュアルでは伝え切れない思いなどがあるでしょう。特にコンセプチュアルな作品では、見ただけでは「わからない、難しい」と思われがちです。それを、言葉で補うのがコンセプトシートの役割でもあります。自分の作品を言葉で説明することは、マーケットやアート・ワールドでは当然のように求められますし、海外での活動を念頭に入れているのであれば、なおさら必要なことです。だからといって難しく考えることはありません。現代美術や現代思想などの用語を多用するよりも、自分の言葉で書かれている方が、より理解につながるでしょう。

 作品ファイルは、作品に興味を持ってもらうためにつくるものですから、作品の写真やプロフィールだけでなく、展示歴がある場合はそのチラシなどをファイルするのも、必要です。究極的な作品ファイルは、自作の作品集と考えてもよいでしょう。どのようにしたら相手にアーティストとしての活動や作品を理解してもらえるのかをよく考え、あなただけの作品ファイルをつくってみましょう。


次回は…
個展開催に結びつくコンペなどを紹介します。[8月18日(木)アップ予定]
 
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美大生やプロのアーティストを目指すみなさんの疑問に応えます。2011年4月から毎月1回、1年間を通してアーティストとして活動するためのノウハウを、実例をまじえて紹介していきます。

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