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ステップアップ
No.007
作品写真の撮り方
Step.7 立体・映像・インスタレーション作品の撮影のコツ

平面作品に引き続き、今回は立体・映像・インスタレーション作品の撮り方を紹介します。平面と異なり、立体・映像・インスタレーションは光を当てる高さや角度によって作品の表情が変わります。そのため自分が意図する作品の見え方になるまで、ライトの位置を変えて撮影するなどの工夫が必要になります。作品形態に合った撮影のコツをまとめましたので、前回の記事とあわせて自分で作品を撮影する際の参考にしてください。


立体作品の撮影

1.全体のカットと部分アップを撮る
立体の撮影では、作品の雰囲気や素材が持つディティールが伝わるよう、全体がわかるカットと部分アップのカットを撮っておきます。全体を撮影するときは、左右正面など作品の向きにも注意します。作品サイズが1m以上あるときは、標準から中望遠レンズを使用します。部分カットや小さな作品を撮る場合は、100mmのマクロレンズを使用すると、素材のディティールまで見せることができます。

2.必要機材をセッティングし撮影開始
カメラは三脚に備え付け、カメラが水平になっているかを水準器で確認します。作品の背景にバック紙(白色の紙で作品の背景に敷くもの。作品より二回り以上の大きさが必要で、カメラ専門店などでは、専用のバック紙がロールで販売されています)を設置し、座卓などの台に作品を置きます。ライトスタンドの位置は作品より手前45度、ライトは45度くらいの高さを基本にして(イラスト参照)、カメラをのぞきながら細かな角度を調整します。ライトは1灯を直接当てると影が強くなるので、2灯以上を左右から当てるかデフューザーを使って柔らかい光にするとよいでしょう。

3.絞りとピント調整で作品の見せ方に幅を出す
絞りは基本的には平面作品の撮影と同じように、絞って(F11より大きい数字)撮影します。逆に絞りを解放(F値が2、4、5.6など小さい数字)にすることでピントの合う範囲をせまくし、作品の一部分にのみ焦点を当て、それ以外はぼやけている雰囲気のある写真にすることもできます。すべてにピントが合った写真を使ってカタログの様に見せたり、雰囲気のある写真を使って作品集のように見せたり、自分の作品に合った撮影方法をいろいろ試してみましょう。


映像作品の撮影

1.基本は画面キャプチャ(静止画像)をとる
映像作品を作品ファイルにまとめる場合、キャプチャを使用するのが基本です。1280×800ピクセルの解像度のモニターでキャプチャをとると、およそ16×10cmの写真にプリントすることが可能です(200dpiに変換)。映像は各シーンを数カット並べて見せるので、作品ファイルにまとめるために印刷する程度であれば、画面キャプチャの解像度でも問題ないと考えてよいでしょう。それ以上のサイズにプリントした場合は、ジャギー(画像を構成するギザギザ模様)などがでますが、迫力のあるファイルになります。

2.モニター撮影はシャッタースピードを下げる
インスタレーションの一部に映像作品がある場合は、モニターを撮影することになります。モニターがブラウン管の場合、シャッタースピードを1/25秒以下になるように絞りを調整します。カメラの種類によって、1/30の次が1/15秒となっている場合は1/15秒で撮影します。ブラウン管では、光を走査しているので、そのスピードより早いシャッタースピードで撮影すると、画面が半分黒くなり映像が映らなくなるので注意が必要です。液晶タイプのモニターは、ブラウン管のように黒い映像(走査線)が写り込むことはありませんが、素早い動きのある映像を撮影する際は、モザイクのように映像が乱れることがあるので、一般的に1/30秒ほどのシャッタースピードで撮影するのがよさそうです。

3.プロジェクターで投影した映像の撮影は色調整を行う
プロジェクターも、モニターと同じ要領で撮影します。プロジェクターの機種によっては青く写ったりしますので、必要であれば色調整(WB)を行います。しかし、やり過ぎると部屋の色も変わり不自然なので、プロジェクションされた画面以外のものが写るときは、WBをオートで撮り、自然な印象になるよう撮影しましょう。


インスタレーション作品の撮影

1.さまざまな位置から撮影を試みる
インスタレーション作品や展示風景の撮影ではカメラを三脚に備え付け、水準器を見てカメラと画面が水平になっているかを確認し、撮影します。基本的には作品の中心より少し上くらいの高さにカメラの高さを合わせますが、インスタレーション作品は見る視点によってさまざまな表情がありますので、目線より高い位置や低いところから撮影するなど、作品でいちばん見せたいところを探りながら撮っていきます。

2.全体を撮るには広角レンズを使う
インスタレーション作品も立体作品同様、全体と部分を撮っておきます。大きな作品の場合、インスタレーションと室内(ギャラリー内)全体を写すときは、広角レンズを使うとよいでしょう。全体が入らない場合は作品(展示)の主要な部分を入れて撮影します。

3.作品のスケール感を出す
作品と人物を一緒に撮影することで、作品のスケールがわかる写真にすることもできます。またカメラをタテ位置で撮影し、天井や床面を入れると、どこで展示されたかなどがわかりますし、作品の大きさも伝わってきます。ダイナミックな作品の迫力を伝えたい、逆にシンプルな作品の全体のイメージを伝えたいときは、その背景も考慮して撮影するとよいでしょう。


イラストレーション/ワタナベケンイチ
次回は…
個展開催に必要なものとは? について紹介します。[11月17日(木)アップ予定]
 
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