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ステップアップ
No.008
個展の開催から作品撤去まで
Step.8 慌てないための準備とは?

展覧会の開催前は、作品搬入、展示から照明の設置、オープニングパーティーの段取りなど、いろいろな準備が必要です。今回は、個展の開催から作品撤去までの流れをご紹介します。余裕をもって展覧会を開催できるよう、必要なものをチェックしておきましょう。


作品の搬入から設置まで

■展示プレートを制作
展示作品を決めたら、キャプション(作品タイトル、制作年、サイズ、素材など)を記した展示プレートを用意します。プレートのつくり方は、キャプションを出力した紙をスチレンボードなどに貼り、適当なサイズにカット。大きさを整え、作品ひとつずつ、あるいは、複数の作品にまとめてひとつの展示プレートを設置します。

■作品の梱包
展覧会場に作品を搬入する前に、作品を梱包します。ダンボールや発泡スチロールなど、さまざまなサイズ・形態の緩衝材がホームセンターやネットショップで販売されているので、作品にあった素材を選び、作品を保護します。
平面作品は、額縁を購入したときに収納されていた専用の箱の上から、緩衝材で包みます。衝撃を和らげるのと同時に水濡れを防ぐため、どの部分も二重になるように包みます。箱がない場合は、段ボールや木材で代用します。額装しない油絵は、市販のキャンバスクリップを使用するとよいでしょう。表面は保護のために何も触れないようにし、移動時にぶつかりやすい作品の角は丁寧に梱包するのがポイントです。
立体作品は、作品の大きさに合わせて、直方体の木枠(木箱)をつくり、緩衝材に包んでその中に入れます。運びやすいように持ち手をつけたり、重いものはハンドリフト(手動式のフォークリフト)で運びやすいように、箱の下部をパレット状にすることもあります。

■作品の搬入
宅配便などでも作品は配送できますが、通常配送の場合、作品には保険がきかないので、配送中の破損の危険性を考えると、あまりおすすめできません。一方、美術品専門の運送サービスを利用すると多額の費用がかかりますので、できれば自分の手で運搬し、搬入するのがベストです。作品や工具や道具、展示パネルなどを一度に運べる大きさのバンやワゴンを、レンタカー会社で借りましょう。免許がない人は、ワゴンタクシーを利用するという方法もあります。

チェック! 開催までに準備するもの
□展示プレート(作品タイトルやサイズなどを表記)
□作品の梱包材
□搬入出の準備(車の手配など)

■作品の設置
作品の設置は、各ギャラリーで定められた方法に従います。平面作品を展示するためのフックや釘は、多くの場合、ギャラリーに用意されていますが、自分の作品に合うサイズや種類であるかを事前に確認しておきましょう。また、壁面に付属したレールから吊り下げて展示する場合も、ワイヤーや金具が足りるか、数を数えておきます。作品の位置や、照明の角度を決めるときに必要な脚立も、借用可能か、高さは十分かどうか、確認が必要です。
立体作品やインスタレーションなど、床置きの作品は、床にキズがつかないように注意して搬入します。天井や壁面を利用する場合、作品が設備にかける負荷への配慮は欠かせません。一般的なギャラリーは、美術館などの公共施設と異なり、重量制限などの明示はありません。ただし壁面ならば15mm厚程度のコンパネでできていることが多く、10kgを超えると壁を破損する可能性が出てきます。どのような展示が可能かについて、あらかじめギャラリーの担当者と相談しておきます。
また、展示にPCを使うなど、機材を持ち込む場合は、電力使用量がどれくらいになるのか、見極める必要があります。例えば、MacBook PRO(70w)を2台使い、ハイビジョンのプロジェクター(300〜500w)1台を通して映像を壁面に投影した場合、電力使用量の合計は最大650wほどになります。ひとつのコンセントからの使用量は1500wを目安にした方がよいので、数セット使用する場合は、いくつかのコンセントから電源を供給しなければなりません。インスタレーションなど、特殊な展示の場合は、契約時にギャラリーに確認しましょう。

チェック! 作品設置時に必要なもの
□金槌などの工具類
□フックや釘、金具類
□脚立
□ゴミ袋


展覧会のスタートから作品搬出まで

■個展の初日と会期中の対応
個展の初日には、オープニングパーティーを開いて来場者を迎えましょう。夕刻くらいから、軽食やお菓子、飲み物(お茶やジュース、軽めのアルコール類など)を用意します。どれくらいの人数分を用意するかについては、ギャラリーの担当者と相談して決めておくとよいでしょう。
芳名帳と筆記具は、ギャラリーの入口付近のテーブルなどに置いておくと、来場者が記帳しやすいです。名刺や作品ファイル、DMの予備も一緒に並べておきます。
展示風景は、今後、作品ファイル用の資料として必要になりますので、空いている時間に、落ち着いて撮影するとよいでしょう。
会期中はできるかぎり在廊し、貴重な時間を割いて作品を見てくれた人たちに感謝の気持ちを込めて、ていねいに挨拶しましょう。これから先、アーティストとして活動していくときに、多くの人たちの力添えはありがたいものです。やむを得ず不在にしてしまうこともありえますので、個展が終わって1〜2週間内には、来場者全員に礼状を出したいものです。アーティストであると同時に、社会人としての常識的な対応を心がけましょう。

チェック! オープニングと会期中に必要なもの
□軽食とお茶(お菓子、飲み物など)
□芳名帳と筆記具
□名刺
□作品ファイル
□DMの予備
□デジカメ

■作品の搬出
無事、会期が終了したら、撤去作業を行います。作品搬入時や設置時の注意点を念頭に、作品ファイルやDM、展示プレート、照明、機材などを片付け、作品を梱包。ギャラリーから借りたものは返却し、壁や会場を掃除するなどして元の状態に戻します。場所を提供してくれたオーナーやスタッフに感謝の言葉を伝えることを忘れないようにしましょう。


イラストレーション/ワタナベケンイチ
次回は…
個展に潜入! 実際の展覧会の様子をレポートします。[12月15日(木)アップ予定]
 
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美大生やプロのアーティストを目指すみなさんの疑問に応えます。2011年4月から毎月1回、1年間を通してアーティストとして活動するためのノウハウを、実例をまじえて紹介していきます。

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