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トーキョー・アートビジョン
No.003「遠回り」は「近道」、を知る
語り手:クリエイティブディレクター 箭内道彦 氏

CMの世界で数々のヒットを飛ばし、『月刊 風とロック』(定価0円)を発行。自らも「ままどおるズ」でミュージシャンとしても活動する広告の仕掛人。そんな箭内道彦氏のこれまでの道のりや、日々考えていることを語っていただきます。



好きなことを応援したい
箭内氏が2005年4月に創刊したフリーペーパー『月刊 風とロック』
箭内氏が2005年4月に創刊したフリーペーパー『月刊 風とロック』

 よく人から「広告」の枠を超えて頑張ってるねっていわれるけど、そうじゃなくて、自分がやっていることはすべて広告の範疇なんです。歌をつくる、フリーペーパーを出す、イベントをやる‥‥。広告自体の意味は広がるけど、すべて広告だと思ってます。広告って、大きな意味じゃ人を応援することでしょ。企業の心意気が気に入ったから商品がもっと売れるように応援したり、ミュージシャンの音楽をひとりでも多くの人に聞いてほしいからCDのジャケットをデザインする。フリーマガジン『風とロック』を毎月出すのも好きな連中をたくさんの人に紹介したいから。つまり、自分が使っていたり大事だと思えるものを広告するっていうこと。それってすごくアマチュア的というか、消費者の中から抽選で作り手の権利を得た人といった感じで、ずるいつくり方かもしれない。でもその根っこにある正直な気持ちを大事にしたいんです。

 情報とかイメージを操作できる広告は、ある種危険な仕事だっていえるでしょう。世の中の人もそれに騙されない情報を見極めるタフな力はついてきた。とはいえ、イメージの良くないものを良くしたり、悪いヤツをいい人だっていうこともできてしまう。そういう意味じゃ、広告の作り手としての責任がだんだん問われ始めているんじゃないかな。



違うジャンルで先生を作る、僕の場合は音楽

 小さい頃から音楽に育てられたっていう思いがあります。社会に疑問を投げかけたり、愛って大事だなって素直にいえるのは音楽のいいところ。音楽の持つメッセージ性やミュージシャンの倫理観とか正義感は、自分がそうありたいと思っているから。まさに僕の先生は音楽なんです。
  10歳以上も年下のミュージシャンたちがいろんなことを教えてくれます。じゃ、それを広告の世界に翻訳してみよう、というのがまた面白いんです。広告クリエイターになりたくて広告の学校に通う、それじゃ発想は広がっていかない。何か違うジャンルを経験したほうが人と違うあり方を見つけていけるはず。よその世界で先生を持つことが大事なんじゃないかな。

 僕が美大に行った理由は、既成であるものに対するアンチからでした。文系と理系のどっちかしか選べないんじゃつまらない。それで、どっちでもない美術の道を選んだんです。「芸術とは」って熱く語り合うのが居心地悪くて、レベルが低くてもみんなに分かって手に取ってもらえるほうがいい、と考えた僕はいわゆる芸術というものから逃げていました。まさにエスケープな選択、流されてずれていくみたいな感じでしたね。
 でも、結果的にはよかったと思ってます。3年浪人したけど、もし現役でこの世界に入ってたら、いまの自分はまずなかったでしょう。何かにつけトライしても自分のパターンがなかなか通用しない。そのうち、何でも一回こけてから体制を立て直す、人より時間がかかるっていう自分のパターンを見付けたんです。真直ぐ歩いているだけじゃ、まずたどりつけなかったでしょう。それじゃ、前を歩いている人のジュニア版になるだけだし。「遠回り」イズ結果的に「近道」だったということが分かったんです。


東京って本当はやさしいところ、感謝したい

 サンボマスターの山口隆君とよく福島の話をします。「ままどおるズ」っていうユニットを組んでライブに出ていたりするのですが、僕の故郷の「福島には帰らない」っていう歌を作ったんです。歌でもなんでも、とかく「東京はよくない場所、都会に染まって人が変わる場所」とイメージされるでしょ。みんな東京を悪く言いすぎです。僕は、東京って人と人のデリカシーのある距離感とか、いろんなことが実は優しくて温かいんじゃないかと思ってます。東京はそうじゃないよ、というキャンペーンを勝手に自分で始めたかったんです。東京メトロの広告でも「東京ハート」っていうのをつくりました。東京は人と人が繋がっている素敵な町なんだよ。アイラブニューヨークみたいなノリのことをやりたくてメッセージを送ったんです。もちろん、東京はこわい部分もある。ずるい人も悪い人もいるし、地方の人から複雑な思いを持たれるところ。だからこそ、東京の素晴らしさをコツコツ応援していきたいと思っています。

次回は‥‥
引き続き、箭内道彦氏に広告制作の仕事の現場では何が大切なのか、プレゼンテーションの直前はどんな感じなのか、など日頃の活動の様子を語っていただきます。7月12日頃アップされますので、お楽しみに!


サンボマスター山口氏と箭内氏のユニット「ままどおるズ」のライブ。「ままどおる」とは福島県の銘菓
サンボマスター山口氏と箭内氏のユニット「ままどおるズ」のライブ。
「ままどおる」とは福島県の銘菓 
箭内道彦氏 写真
箭内道彦
1964年福島県生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、博報堂に入社。2003年に「風とロック」を設立。後に世界最小の広告代理店「風とバラッド」、DTP制作部門「風とマック」を設立。2005年『月刊 風とロック』創刊(定価0円)。2007年『クリエイティブ合気道』(アスキー)。次々と話題の広告を手掛けるかたわら、裏原宿でファッションブランドを展開し、2006年「風とロックFES 2006」を開催するなど幅広く活躍している。 主な仕事にタワーレコード「NO MUSIC,NO LIFEキャンペーン」(ポスター/TVCM)他、資生堂「uno お笑い芸人52人CM」、FUJI FILM「PHOTO IS」、東京メトロ「TOKYO HEART」、森永製菓「ハイチュウ」、フジテレビジョン「きっかけは、フジテレビ」、パルコ「PARCO SAYS,」のTVCMなどがある。
風とロックHP:
http://www.kazetorock.co.jp/

風とロックが主催するイベント「風とロックFES 2007」
開催!
主な参加予定アーティストは、木村カエラ、スネオヘアー、銀杏BOYZ、ままどおるズ、ほか。
日程:7月9日(月)、
10日(火)、11日(水)
時間:18時開場、19時開演
料金: 前売3900円(税込/1ドリンク付/整理番号付)
場所:渋谷 クラブクアトロ
チケット販売情報&詳細:
http://www.kazetorock.co.jp/

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