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トーキョー・アートビジョン
No.004 好きな言葉は「リアルタイム」
語り手:クリエイティブディレクター 箭内道彦 氏

CMの世界で数々のヒットを飛ばし、『月刊 風とロック』(定価0円)を発行。自らも「ままどおるズ」でミュージシャンとしても活動する広告の仕掛人。そんな箭内道彦氏のイメージする美術への思いが、今、明らかにされます。



どんなときにも初めてのものに挑戦する

 芸術へのアンチで広告の世界にきたけど、今は逆に歩み寄れるんじゃないかと思っています。誰にも分からないものが芸術だ、という感じじゃなくなってきた。世の中に豊かさを送るには、広告もアートじゃないといけないな、と思うようになったんです。そうしないと世の中がもっと面白くなっていかないでしょ。
 そこで大事なのが企画力、というよりも実現力だと思ってます。思い付くことは誰にでもできるし、たぶん面白いことは他の人も考えています。お金とか時間、人的パワーなんかのいろんな障害を乗り越えて実現できるかどうかが大事なんです。
 初めてつくるときって確かにすごいパワーが出ちゃいます。ビギナーズラックっていうか、すごいことが起きやすい。初めてだから大変だけどなんとかしなきゃと思って、ボロボロになって必死にゴールにたどり着こうとする。それが面白いものができるひとつのパターンですね。なぜかって、つくったものの背景にあるプロセス自体が、見る人にドキュメンタリーな楽しみを与えるからです。

Tシャツ「I rock you.ドクロ」「I rock you.イチゴ」風とロック レボリューションズの新商品。
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http://www.kazetorock.co.jp/store/index.php

 広告の仕事は、昨日と違ったドキドキ感がないと継続して機能しません。だから、ちょっと心配でも必ず新しいものを入れるんです。最初からすべて段取りが分かっていたらいいものができないし、それじゃ自分自身もつまらないでしょ。音楽のライブや講演会も一緒。一つのクオリティだけ追求するか、その場所その時の雰囲気を大切につくっていくかどうかということです。僕は後者のつくり方でやってます。100人の人と対面することでとんでもない化学反応が起きたり、自分で気付いていないことが言葉にできたりする。そういうことが面白いんです。
 その意味では、クリエイターには瞬発力が必要でしょう。例えば、打ち合わせの前日に企画が思い付かなかったら寝てしまう。翌日、手ぶらで行くときなんか、それこそ吐きそうな気分になるくらい焦っちゃう。でも、追い詰められたときこそ、パッとアイデアが出るもの。自分の周りを火事にしちゃうと、火事場のバカ力って確実に生まれるもんです。瞬発力を起こすための環境づくりを自分でディレクションする。それでいよいよダメなら、奥の手はインフルエンザで自分が倒れたことにするしかないでしょう(笑)。



リアルタイムの集積こそ、まさに歴史

 僕の仕事はよく「何でも壊している、ロックだね」なんて言われる。型破りっていうけど、それは型を知らないと破れないわけだから、そこを勘違いしないでほしいな。基礎がないまま壊し始めると、何を壊していいかも分からず、それじゃアンチにも何にもならない。素晴らしいものを見て基礎をつくった上で、それに対して自分はどうすべきか考えていくことが大事なんです。
 僕が好きな言葉は「リアルタイム」。昨日でもなく明日でもなく、今日ということ。今の世の中を見て、今の空気を吸って自分がどのように関わっていくか。今の自分が世の中と一緒に流されていくのが気持ちいいんです。

箭内氏が手がけた東京メトロのCM
箭内氏が手がけた東京メトロのCM 

 歴史も集積するとすごく長いけど、それぞれの時代の人にとっては、その時その瞬間を生きることがすごくリアルで、その時代の表現が生まれたんだと思います。埴輪をつくっている縄文人も、仏像をつくっている平安人も、誰にとってもリアルタイムはある。つくっている人たちは、そのときはたぶん意識しないで、その時代を生活する中で必要なものをドキドキしながらつくっていた。その繰り返しを振り返ったときに、人間ってやっぱりすごいなって思います。

箭内氏が創刊したフリーペーパー『月刊 風とロックU』の表紙
『別冊 風とロックII』表紙

 フランスにあるラスコー洞窟の動物絵画だって同じことでしょ。原始人のお父さんが、今日こんなヤツにあったよ、と説明するために描いたんじゃないのかな。美術品をつくるために美術をやるんじゃなく、結果的に美術品になる。それを感じることが何よりも面白い。だから、もっと美術が気軽に日常のものになって、みんなで描けるようになったらいいなと思いますね。

箭内道彦氏 写真
箭内道彦
1964年福島県生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、博報堂に入社。2003年に「風とロック」を設立。後に世界最小の広告代理店「風とバラッド」、DTP制作部門「風とマック」を設立。2005年『月刊 風とロック』創刊(定価0円)。2007年『クリエイティブ合気道』(アスキー)。次々と話題の広告を手掛けるかたわら、裏原宿でファッションブランドを展開し、2006年「風とロックFES 2006」を開催するなど幅広く活躍している。 主な仕事にタワーレコード「NO MUSIC,NO LIFEキャンペーン」(ポスター/TVCM)他、資生堂「uno お笑い芸人52人CM」、FUJI FILM「PHOTO IS」、東京メトロ「TOKYO HEART」、森永製菓「ハイチュウ」、フジテレビジョン「きっかけは、フジテレビ」、パルコ「PARCO SAYS,」のTVCMなどがある。
風とロックHP:
http://www.kazetorock.co.jp/
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