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トーキョー・アートビジョン
No.008 もっと自分のこだわりを探してみる
語り手:イラストレーター 田代卓氏

写真:田代卓氏
 一度見たら忘れられない黒目が印象的なキャラクター。男の子だったり、動物だったり、自動車だったり。変幻自在の作品たちは、街角や絵本で大人気です。今回は、「見ること」の大切さ、田代氏が手がけるタイポグラフィとイラストレーションについて語っていただきました。


昔も今も同じ「見ること」が基本!

 美術館には昔からまめに通うほうでしたね。好きなアーティストは、エルズワース・ケリー、ロバート・マザウェルなどの現代美術の人たちが多いです。J.M.フォロンの仕事は、アートとイラストレーションの間を自然に行き来していて、いいなって思いました。ポール・ランドはイラストレーションとタイポグラフィの関係を追及していて刺激的です。

 元永定正、岡田謙三、吉原治良、斉藤義重、村井正誠などの日本の初期の現代美術の作品展にもよく行きました。「開運! なんでも鑑定団」に出てくるような、日本の古い美術や器などの工芸も好きです。金箔を使った装飾的なものを非常にシンプルなデザインで仕上げたものなど、グラフィックデザインをする上でとても参考になります。母方の実家が三重県の伊勢市で和紙の工房を営んでいて祖母は手漉き和紙をつくっていたのですが、自分がグラフィックの世界に進んで紙の上の仕事をしているのも、なんとなくその影響を受けているのかもしれません。とにかく、僕は、昔も今も、いろいろなものを「見ること」が一番の基本だと思っています。

 7年前から、母校の桑沢デザイン研究所でイラストレーションの授業を受け持ったり、同窓会の仕事を手伝ったりしています。最近の学生たちを見ていて思うのは、フットワークがよくないなということ。時間やお金をすごく惜しみますね。僕の学生時代は、「なんか見に行く友達」という仲間がいて、いつも情報交換をしあってギャラリーや美術館、家具や家電のショールームなどに通っていました。ショールームでもらうカタログやカレンダー等のノベルティ、ポストカードや紙袋を見て、いろいろな刺激を受けていました。デザインの材料や道具でも、絶対ほかの人が使ってないものを探しに東急ハンズや銀座の伊東屋に出かけていきました。今は学校内の売店で売っているもので済ませちゃうんですよね。コンピュータでデザインする時代になったからこそ、もっと自分のこだわりや好きな物を探しに行ったほうがいいんじゃないかと思いますね。



タイポグラフィとイラストレーションを組み合わせた世界
事務所のスタッフ共同プロジェクト「Cabinets」の作品事務所のスタッフ共同プロジェクト「Cabinets」の作品
 今、事務所のスタッフ3人と一緒に仕事をしています。彼女たちはイラストレーターとして自分の仕事をしたり個展を開いたり、できるだけ自由にできるようサポートしています。それぞれの個性や意思を尊重したいと思っているからです。それとは別に、「Cabinets」として発表する、スタッフ全員が参加して作り上げていくプロジェクトも進めています。というのは、イラストレーションの仕事は一見個人作業に見えますが、デザイナーや編集者、プロダクションや広告代理店、出版社、印刷会社、ギャラリーの方など、いろいろな人達の協力によって成立するもの。そのための社会性を身につけておくためにも、ユニットというかチームで仕事をすることも大切だなあと思っているからです。

 今後は、もっともっとシンプルにやって行きたいと思っています。僕の仕事は、イラストレーションを基本にしたキャラクターデザイン、絵本やポスター等のデザイン、ロゴタイプ等のデザイン、要するに絵と文字の世界です。今までは絵の方に重点を置いてきましたが、これからは特に文字、タイポグラフィのことをしっかり考えていきたいと思っています。2000年に日本野鳥の会のシンボルマークを、Birdの頭文字Bをモチーフにして制作しました。マークが採用された後しばらくの間放っておいたのですが、2006年にAからZまでのアルファベットマークとして完成させました。イラストレーションとタイポグラフィが違和感なく組み合わされた、シンプルでストレートな作品です。幸い今年の日本タイポグラフィ年間のベストワーク賞をいただくことができました。これからも絵と文字の世界をもっと美しく楽しくしていければと思っています。

 11月に久しぶりの個展「On Canvas」を青山のSPACE YUIで開催いたします。1984年から2007年までの仕事を整理して展示する予定です。

野鳥の会のアルファベット
後楽園ラクーアのロゴデザイン

野鳥の会のアルファベット

後楽園ラクーアのロゴデザイン

田代卓 写真
 
田代 卓
1959年東京生まれ。81年桑沢デザイン研究所グラフィック研究科卒業。91年第3回世界ポスタートリエンナーレ富山入選以来、Graphis Poster(スイス)、デザインフォーラム、ブルーノグラフィックビエンナーレなど入選多数。 グラフィックデザイナー、イラストレーターとして幅広く活動中。企業やイベントのマスコットキャラクター、幼児向け絵本を数多く手がける。東京イラストレーターズ・ソサエティ会員、日本タイポグラフィ協会会員、桑沢デザイン研究所非常勤講師、自由が丘しろくま研究所所長。
お知らせ:
11月19日(月)から青山のギャラリーSPACE YUIにて個展を開催します。
On Canvas
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