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トーキョー・アートビジョン
No.011 日本の太鼓で世界の音楽とコラボレートする
語り手:太鼓ドラマー・プロデューサー ヒダノ 修一(ひだのしゅういち)氏

写真:ヒダノ修一(ひだのしゅういち)
 日本の伝統的な楽器である太鼓が、世界を音楽で結ぶ大きな役割を果たしています。太鼓を手に国境を越えて演奏活動しているヒダノ修一さん。世界中のさまざまなミュージシャンと次々と新しいコラボレーションを実現し、音楽の新たな可能性を追求しています。既存のジャンルを超え、新たな挑戦に燃えるヒダノさんにお話をうかがいました。


五感を刺激する音楽を創造する

 僕は、演奏をするときには頭の中に色彩を描くようにしています。太鼓の基本の色はモノトーンなので、そこに他の楽器の音が響きあい、予想を超えた色彩が生まれるというイメージなんです。僕の音楽というのは、いわば鮮やかな絵画のようなもの。さらに耳や目で楽しむだけではなく、味覚とか香りや色彩など、五感すべてを刺激するような音楽を創造していきたいと思っています。

「TRUST」(2006年3月7日発表)/ヒダノ修一(太鼓、パーカッション)、土井啓輔(尺八)、井上堯之(G)、佐山雅弘(P)
「TRUST」(2006年3月7日発表)/ヒダノ修一(太鼓、パーカッション)、土井啓輔(尺八)、井上堯之(G)、佐山雅弘(P)
 僕は、太鼓という世界最高峰の打楽器に心底惚れているんですね。「太鼓ドラマー」と名乗っているのは、伝統楽器としての太鼓だけに縛られるのではなく、TAIKOというグローバルな楽器をベースに世界中の優れた音楽とコラボレーションしたいと思っているからです。以前に、海外でロックアーティストと共演して「日本人のお前は、“日本の楽器”で俺たちと同じ感覚を持ちながらプレイしているからいいんだ」と認めてもらえたときは、本当に太鼓をやっていてよかったと思いました。日本のテイストをしっかり持ちながら、世界中の音楽と一緒に演奏できる音楽家であることが次世代に対する自分の使命なのだ、と確信することができたのです。


太鼓が取り持つ人間同士のいい関係

 現在、僕は国内と海外の境界を越えて活動しています。海外では昨年、中国に4回行きました。そのひとつが、大衆演劇でブレイク中の早乙女太一君と、親友の世界的な中国人コンテンポラリーダンサーのファン・ドゥドゥ(黄豆豆)と3人のコラボレーションを実現したこと。音楽と踊りがそれぞれに刺激しあって、最高のパフォーマンスを創り出せたと思っています。中国の観客の見る目は厳しいといわれる中、最後まで熱い拍手をもらえたときは、さすがに嬉しかったですね。
 国内での活動では、昨年3月にロックバンドの「ゴダイゴ」にゲスト参加しました。実は小学生のときに、貯金で初めて自分で買ったレコードが「モンキーマジック」だったんですね。まさか30年近く経って、そのバンドに自分が参加できるなんて夢にも思いませんでした。
 最近では、今年1月に横浜で、ミッキー吉野さん、井上尭之さん、鳴瀬喜博さん、八木のぶおさんという、いわば音楽界の重鎮ともいえる方々と組んでいる、僕がリーダーのロックバンド「EnTRANS(エントランス)」でライブをやりました。彼らの演奏には何の迷いもなく、音がストレートに突き抜けて響いてくる。本当に味わいがあって、おまけに香ばしさまで伝わってくるようで最高なんですね。こういう人たちと一緒に音を出せる自分は、本当に幸せだなと思いました。

「TRUST2 Live at Dolphy」(2008年1月12日発表)/ヒダノ修一(太鼓、パーカッション)、土井啓輔(尺八)、佐山雅弘(P)
「TRUST2 Live at Dolphy」(2008年1月12日発表)/ヒダノ修一(太鼓、パーカッション)、土井啓輔(尺八)、佐山雅弘(P)
 そういう意味では、最近ようやく自分でやりたいとイメージしていることを楽に形にできるようになりました。これも20年間、ありとあらゆるジャンルの人たちと一緒に共演してきたコミュニケーションの蓄積のおかげ。いろんな楽器とのコラボレーションを果たせたのは、まさに僕が太鼓ドラマーというスタンスだったのと、本当にたくさんの出会いがあったからできたことだと、心から感謝しています。


海外でのチャレンジが自分を成長させる

 ミュージシャンは、最高の空間を提供するいわば究極のサービス業。一期一会のお客さんには、その瞬間にしか味わえない最高の音を聴いてもらいたいと思っています。常に“理想とする新しい世界”を創造し、その場に自分がいるんだという満足感を持ちたい。でも、その達成感はあくまで瞬間的なものだから、いつも満足していては駄目。演奏するたびに新たな感動を得たいから、次にチャレンジする課題を必ず残すように意識しています。
 海外でさまざまな演奏活動をしてきた経験から、もっと日本人は海外で自らを試してみるべきだと感じています。特に欧米では、プロセスよりも結果を出すことがすべて。お客さんに迎合するということではなく、心から楽しんでもらうような演奏をしなければならないということから、日本にいるよりも多くのことを学ぶことができる。これは音楽に限らず、アートの分野をめざす人たちにとっても同じこと。アグレッシブに挑戦してほしいと思います。

※次回は・・・
ヒダノさんと太鼓との出会いについてお話をうかがいます。[3月13日(木)アップ予定]

ヒダノ修一 写真
 
ヒダノ修一
(ひだの しゅういち)

太鼓ドラマーとして1989年のソロ活動開始以降、国内及び世界23ヶ国で約1800回以上の公演を行う。太鼓界で優れた音楽性を持ち、国境とジャンルの壁を軽々と飛び越す唯一無比のテクニックを駆使した演奏スタイルは、世界各国の共演者や観客を圧倒。21世紀の太鼓シーンをリードする。サッカーFIFAワールドカップは、1998年フランス大会と2002年日韓大会の日本人初の2大会連続公式閉会式出演。2006年「世界バレー」開会式に出演。2005年「日韓国交正常化40年(ソウル)」、2007年「日中国交正常化35周年(上海)/プロデュース」の政府主催イベントに出演。あらゆるジャンルに精通するため、和洋融合を得意とするイベント・プロデューサーとして、2度の万博(愛知、独ハノーバー)の政府主催行事や、「アジア舞台芸術祭(ベトナム)」、40を超える巨大イベントを手掛ける。テレビ、新聞、ラジオなどでも活躍中。神奈川文化賞未来賞、横浜文化賞奨励賞を受賞。

ヒダノ修一公式ホームページ
http://www.hidashu.com/
『ヒダノ修一・太鼓生活20周年記念コンサート“未来の太鼓”スペシャル!!』
日時:2月16日(土)
場所:日米劇場大ホール(ロサンゼルス)
出演:ヒダノ修一(太鼓)、John"JR"Robinson(Dr/Barbara Streisand、Chaka Khan、Celine Dion、他)、 Jennifer Batten(G/Jeff Beck、Michael Jackson)、Hussain Jiffry(B/Sergio Mendes、Whitney Houston)、 Chalo Eduardo(Perc/Santana)、Tom Kurai&Friends(太鼓)、Kevin Kmetz(津軽三味線)他
『ヒダノ修一 with 太鼓マスターズ 2008』
日時:3月15日(土)・3月16日(日)
場所:サンピアザ劇場(札幌) TEL.011-890-2458
開演:15日/18:30(開場:18:00)、16日/16:30(開場:16:00)
料金:各日3,000円
出演:ヒダノ修一、しんた、田中まさよし、大沢しのぶ、高田淳…
ゲスト:富岡ヤスヤ(エレクトーン/15日のみ)
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