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トーキョー・アートビジョン
No.017 注目の若手!平面部門のTWW受賞作家
【大賞】福島沙由美(ふくしまさゆみ)さん、村上滋郎(むらかみじろう)さん【審査員長賞】中西真子(MASAKO)(なかにしまさこ)さん、桃田有加里(ももだゆかり)さん

「トーキョーワンダーウォール(TWW)」とは、35歳以下の若手作家を対象にした東京都主催の公募展です。約100点の入選作品は「トーキョーワンダーウォール公募2008入選作品展」(東京都現代美術館)で展示され、一般の鑑賞者だけでなくギャラリストの注目も集めました。今回は、1000点以上の公募作品から選ばれた平面部門大賞の福島沙由美さん、村上滋郎さん、審査員長賞の中西真子(MASAKO)さん、桃田有加里さんを紹介します(各50音順)。受賞作品の制作意図や今後の活動等についてコメントをいただきましたので、これからの活動にご注目ください。また、受賞作品は10月より順次、東京都庁舎の空中歩廊壁面に展示されます。展覧会を見逃してしまった方も、ぜひこの機会に新進作家たちの作品をご覧ください。
作品撮影:大森幹久

トーキョーワンダーウォール大賞 福島沙由美さん
《浸染(しんぜん)39.5℃》2008年 油彩、キャンバス 130.3×194cm
《浸染(しんぜん)39.5℃》2008年 油彩、キャンバス 130.3×194cm

私は今まで「気温」や「視点」をテーマに作品を制作してきました。今回は前者をテーマにしています。「気温」に着目し始めたのは、ある日、自分の体内写真を見ていたのがきっかけです。だんだん体内写真が天気図に見えるようになり、自分の生まれた時はどんな空気感が周りを取り巻いていたのか? 気温、湿度、気象など、実際に気象庁へ行って調べてみました。それからというもの、絵を描くにあたって、自分が過去に体験してきた気温を任意に抽出し、その数値をもとに透明な物体を通して視覚化しています。
この作品のタイトル《浸染39.5℃》の39.5℃という数値は、気象庁のデータによると東京都内の過去最高気温だそうです。今回の「トーキョーワンダーウォール」では、今まで私が描いていたシリーズの総まとめとして過去最高気温の39.5℃を選択し、その数値からイメージしたものを描きました。
絵の透明な物体は、大気中にあり気体として存在する水蒸気のカタチです。気象は人の体と心と情緒に作用すると言われ、たとえば嵐の前線が近づいて気圧が下がり温度が上がると人々は虚無感に取りつかれる。嵐の前線が通過し温度が下がり気圧が上がると人々の気持ちは軽やかになると言います。少なからず天候や気温は人々に何らかの影響を与えていると思います。この透明な物体は気温によって刻々と変化させられたカタチ。いわば、その変化の過程は気温の呼吸です。
今まで絵とは、描いている時は自分の一部のようなものなのに、描き終えると自分との繋がりが無くなり、「自己と他者」の関係になると思っていました。ですが、受賞後しばらくして39℃の熱が出てしまい、絵とシンクロしている様な不思議な気分が残っています。展示の予定が一気に増えた今、作品を制作することでこの世界観を深めていきたいと思います。
福島沙由美 写真
福島沙由美
1982年 東京都生まれ
2008年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻 在籍
 
受賞・展覧会歴
【個展】  
2005年 「浸透染着」ギャラリーQ(東京)
2006年 「颯繧硝」ギャラリーQ(東京)
2008年 「緲霜」ギャラリーQ(東京)
【グループ展】
2004年 「熱い紅茶も冷める距離」Gallery Conceal(東京)
2007年 「The party」ギャラリーQ(東京)
  「サスティナブルアートプロジェクト2007事の場」旧坂本小(東京)
2008年 「コジマ文化週間」旧坂本小(東京)
  「アジアトップギャラリーホテルアートフェア2008」ホテルニューオータニ(東京)
【受賞】  
2008年 「第26回上野の森美術館大賞展」大賞受賞
 
今後の活動予定
「アジアトップギャラリーホテルアートフェア2008」 8月29日(金)〜31日(日) ギャラリーQブース、ホテルニューオータニ(東京)
※入場は事前予約制
http://www.galleryq.info/news/news_haf.htmlよりお申し込みください。
企画個展「緲霜」 12月15日(月)〜20日(土) ギャラリーQ(東京)
「トーキョーワンダーウォール都庁2008」2009年1月8日(木)〜29日(木) 東京都庁
「第26回上野の森美術館入賞者展」 2009年4月 上野の森美術館ギャラリー(東京)
「第26回上野の森美術館大賞展」2010年 上野の森美術館ギャラリー(東京)

トーキョーワンダーウォール大賞 村上滋郎さん
《夢見価値 -roller coaster island-》2008年 油彩、アクリル、キャンバス 130×162cm
《夢見価値 -roller coaster island-》2008年 油彩、アクリル、キャンバス 130×162cm

私は「ユニット」をテーマに、作品を創作し続けてきました。身の回りにあるあらゆる物の形態も存在する意味も、ユニットに見えます。私の考えるユニットとは、単なる集合体ではなく、その集合体をつくる素材の組み合わせや場所、環境によって、様々な異なった感覚が発生し、絶妙なバランスで構成されるもの。ユニットには、そんな感覚が含まれていると考えています。
このテーマで作品をつくるようになったきっかけは、公園や遊園地にある遊具から作品のイメージを起こし始めてからです。まず、遊具というモチーフで平面制作をしているうちに、現実空間に存在しているモノという構造物のイメージを探るようになりました。そして、現実空間に存在しているモノというのは集合体によって成り立っていると考え、構造の仕組みをユニットという言葉に託し、表現を模索してきました。その結果、平面をそのまま描くのではなく、理想ユニットをつくる(思い描く理想の世界を立体に起こした上で、平面に還元する)ようになったのです。現在、あらゆる素材で構成された遊具の島のようなものをつくっています。完成はどういったものになるか模索中ですが、とにかく数多く制作しようと思います。
今回ワンダーウォールに出品した《夢見価値 -roller coaster island-》も、自分でつくった立体を描いたものです。ローラーコースターの島が都会のビルのように重なって密集している具合を立体で作り、平面に描きました。この理想ユニットを描いているのが〈夢見価値〉というシリーズの作品で、理想を求めてつくるということはきっと価値がある、夢は見ることに価値があるという考えを持ち、またそれを自分にいい聞かせたく「夢見価値」というタイトルをつけました。これからも、自分の理想の作品をつくれるよう努力していきます。
村上滋郎  写真
村上滋郎
1983年 山形県生まれ
2002年 東北芸術工科大学入学
2008年 京都市立芸術大学大学院修了
 
受賞・展覧会歴
2006年 「Art jam 2006」京都文化博物館(京都)
2007年 「Art Camp」ギャラリー山口(大阪)
  「四条ストリートギャラリー」四条通り(京都)
2008年 「作品中!」ギャラリー16(京都)
  「Art Award Tokyo」行幸町ギャラリー(東京)
今後の活動予定  
・「トーキョーワンダーウォール都庁2008」2009年9月3日(木)〜29日(火) 東京都庁

トーキョーワンダーウォール審査員長賞 中西真子(MASAKO)さん
中西真子(MASAKO) 写真
中西真子(MASAKO)
1987年、埼玉県生まれ。
《ONE DAY》2008年 アクリル、ペンキ、キャンバス 130×162cm
《ONE DAY》2008年 アクリル、ペンキ、キャンバス 130×162cm

日々生活の中の人間関係、家族関係、依存しあう人々を目にし、
その中の脆さや危うさを感じています。
それは、楽しいものの中にある寂しさ、底知れぬ笑顔の中にある虚無。
私は、そういった感情を作品で表現したいと思っています。
今回の出品作《ONE DAY》も、今表現したいことを描きました。
少女とピエロの関係性を社会や日常とリンクさせて見ることで、
周囲の人の不確実さ、画面に漂う雰囲気を感じていただけたらと思います。
今描きたいものを、見せたいものを、残したいものを、描く!
そんな自分のスタイルで、これからも、もっとよい作品、
見る人が考えたり想像力をかき立てる作品、人を惹きつける作品、
衝撃的な作品を生み出せるように、多くのものを見て感じて学んでいきます。

受賞・展覧会歴
【個展】
2007年 「中西真子展」ホワイトキューブPB(大阪)
  「MASAKO展」CITY GALLERY(大阪)

【グループ展】

2008年

「7人の新人展」GALERIE SHO CONTEMPORARY ART(東京)

【参加フェア】

2008年  「101 Tokyo Contemporary Art Fair 2008」旧練成中学校(東京)
 

「ART OSAKA 2008」DOJIMA HOTEL(大阪)

   
今後の活動予定
個展 10月2日(木)〜11月15日(土) GALERIE SHO CONTEMPORARY ART(東京)http://www.g-sho.com/
「トーキョーワンダーウォール都庁2008」2009年2月4日(水)〜26日(木) 東京都庁

トーキョーワンダーウォール審査員長賞 桃田有加里さん
桃田有加里 写真
桃田有加里
1987年、奈良県生まれ。 現在、京都造形芸術大学に在籍。
《過去への誘い》2008年 油彩、木製パネル、キャンバス 133×108cm
《過去への誘い》2008年 油彩、木製パネル、キャンバス 133×108cm

作品を創作する時、私が求める世界は、いつも変わらないものであり続けています。それが何なのかはいまだ不明確ですが、完成作を並べると、共通して「静けさ」や「無垢」を自分なりに求めて描いているように思います。
また作品を描く際は、男性的、女性的といったものや生身の人物を感じさせる要素を排除して描いており、それは作品中の人物が私にとって「人」のイメージ像であり、理想であり憧れを描いているからです。《過去への誘い》もその中の一つです。 《過去への誘い》を描き始めたのは、昨年の大学一回生の夏。大学へ入学したことによって、作品がどのように人に見られるかということを、過剰に意識していたのを今も覚えています。時にはそれが力になって完成度を上へ上へと持ち上げてくれていた反面、自分の描きたいものを出すのが怖くなり、そのギャップに苦しみました。この作品に求めた表情がなかなか描き出せずに、気がつくと半年間作品と向かい合っていました。
また、夏が来ようとしています。去年とは違う気持ちで作品に臨めることを、今は嬉しく思います。審査員長賞という名誉ある賞をいただいたこと、この作品で描ききれなかったこと、学んだことを次の作品につなげていき、今後はより一層、自分の理想に近づけるよう努力したいと思います。

受賞・展覧会歴
2005年 「エプソンColor imaging contest 2005 student award」入選 )
  「第3回全国高校生現代アートビエンナーレ」グランプリ・大原美術館賞二賞受賞
2006年 「第7回高校生国際美術展」奨励賞
 
今後の活動予定
「IFAA第三回展 幻想芸術展-東京-2008」9月9日(火)〜14日(日) 世田谷美術館
「トーキョーワンダーウォール都庁2008」2009年6月5日(金)〜26日(金) 東京都庁

次回は…
トーキョーワンダーウォール立体部門大賞の小畑多丘さん、審査員長賞の鎌田あやさんを紹介します。[9月11日(木)アップ予定]



 
 
トーキョーワンダーウォール

2000年5月、東京から世界に向け文化的魅力を発信しようと始まったトーキョーワンダーウォール。これからの美術を担う新進作家の作品発表の場として、東京都庁舎の空中歩廊壁面(wall=ウォール)を提供し、数多くの作家が作品を発表してきました。この展示は、都庁を訪れる大勢の人に新たな刺激を与え、文化の創造拠点としての役割を果たしています。
このように、都庁舎に展示する作品を公募するトーキョーワンダーウォールは、毎年作品募集を行っており、応募数は回を重ねるごとに増加。9回目となる今年の応募総数は1104名(平面作品)でした。2007年からは平面部門に加え、立体・インスタレーション部門も創設。今年は128名の応募があり、35歳以下の若手作家が切磋琢磨する公募展になっています。
審査方法は、現物審査の1点勝負。毎年100点前後の作品が入選し、その中から12点の入賞作品を選定。入賞者には、賞金と賞状が贈られます。入選者は東京都現代美術館で展示の機会があり、入賞者はさらに都庁で約1ヶ月間、作品を展示することができます。その後はトーキョーワンダーサイトと連携し、作品の展示・販売の機会も提供されます。トーキョーワンダーウォールは今後も、公募展の開催から若手作家の支援、東京における芸術文化の活性化を図っていきます。

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