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トーキョー・アートビジョン
No.029 トーキョーワンダーウォール受賞者のご紹介
受賞コメント:平川ヒロさん、池田衆さん、桝本佳子さん、DIG & BURYさん

「トーキョーワンダーウォール(TWW)」とは、35歳以下の若手作家を対象にした東京都主催の公募展です。これまで数多くの新進作家を輩出し、2009年で開催第10回を迎えました。今年度の応募総数は、過去最大の1,558点(平面1,404作品、立体154作品)。厳しい審査を通過した113点の入選作品は、今年6月「トーキョーワンダーウォール公募2009入選作品展」として東京都現代美術館に展示されました。今回は、平面・立体部門の大賞・審査員長賞受賞の4人の作家より作品の制作意図等についてコメントをいただきましたので、これからの活動にご注目ください。10月から順次開催される東京都庁舎での個展は、新作発表やギャラリートークなどもあり、必見です!
※都庁展の詳細は、9月中旬以降、トーキョーワンダーウォールのホームページでご確認ください。


トーキョーワンダーウォール大賞(平面部門) 平川ヒロさん

《square cotton》2009年 oil on cotton 183×131cm
《square cotton》2009年 oil on cotton 183×131cm

 6月ドイツに1〜2週間行ってきました。学生の友達のアパートに泊まったのですが、友達は仕事で居なかったので僕に鍵を預けて部屋を自由に使わせてくれました。
 その部屋は土足で、18畳くらいの1Kのロフト付きでした。天井の高さが4〜5mもあり、壁は白くて凹凸がなく箱みたいな印象です。友達は引っ越したばかりで物を少ししか置いていないのが、さらにそう感じさせたのかもしれません。窓も3×2mくらいと大きく頑丈で、またそこからの光がすごくきれいでした。
 部屋の外に出ていろんな街のいろんな場所もまわったのですが、まるでギャラリーや制作スペースのようなその部屋で、自分の作品や次の展示について考えたり、絵を描いたり、料理をしたりなどして1日中部屋に居る日もありました。
 せっかくドイツに居るにもかかわらず、そうやって外の世界を感じつつ一人でこもることも、有意義で楽しいと思えました。そこでは友達のiPodに入っていた、コーネリアスとフィシュマンズをよく聴いていました。
 そんな部屋で再確認したのですが、僕は作品をつくる上で、自分の気に入った時間、音、匂い、光、大きさ、つくり、そこにある物など、制作スペースが作品とすごく密接に関係しているように思っています。そういった自分の空間を探し、つくることは、一般的に言う作品をつくることと同じように大切だと感じています。

平川ヒロ(ひらかわひろ)
平川ヒロ(ひらかわひろ)
1984年 佐賀県生まれ
2009年 愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業
■主なグループ展
2008年 「september」瀬戸スタジオ(名古屋)
2008年 「愛知県立芸術大学学内選抜ドローイング展」Kunst akademie Dusseldorf
2009年 「アートアワードトーキョー丸の内2009」(天野太郎賞)行幸地下ギャラリー(東京)
■今後の活動予定

2009年9月〜2010年8月 つくばエクスプレス秋葉原駅の改札正面(B1F)にTWW大賞受賞作品を展示
2009年10月16日〜25日 「アートアワードトーキョー丸の内 エリアプロモーション」新丸ビル3Fアトリウム
2009年10月24日〜約1ヶ月間 個展 谷門美術(東京)
2009年10月31日〜77日間 「モンブラン ヤング アーティスト パトロネ−ジ イン ジャパン」 モンブランショップ銀座本店
※「トーキョーワンダーウォール都庁2009」東京都庁


トーキョーワンダーウォール審査員長賞(平面部門) 池田衆さん

《until that time when it meets sometime》2009年 写真、コラージュ 111×137cm
《until that time when it meets sometime》2009年 写真、コラージュ 111×137cm

 大学では絵画科でしたが、徐々に写真を使った表現になりました。より日常的で描写力に優れた媒体である写真を使うほうが自分の求める画面に近づけると思ったからです。ただ当時から写真そのものでの作品ではなく、写真の並列、転写、反転などで、切るようになったのは卒業制作の頃からです。
 受賞した作品は植物が生い茂り、木漏れ日の美しい風景を撮った写真を切り抜いて制作したものです。刹那的で儚いものに美を感じる自分にとって、移ろいやすい植物や光はそういう時間性を感じます。現実の一瞬を切り取るといわれる写真をさらに切り取ることで、新たな光と空間の獲得、地と図の反転、物質とイリュージョンの対比などのさまざまな視覚効果を促す画面をつくりたいと思いました。どこにでもある風景に自ら少し手を加えることで、視覚効果が生まれ、どこにでもない風景に変容していくそのズレが、制作していておもしろいと思う点です。
 大学を卒業してからもう5年経ちますが、働きながら少しずつ制作をしてきました。学生の時よりは圧倒的に制作時間はなくなり、他人の意見を聞く場や作品の期限もなくなりましたが、逆にやれることとやりたいことがかみ合ってきたように思います。今回の受賞は1点の作品というよりも、少しずつ積み重ねて制作してきたことへの評価だと自分では考えています。これからも良い作品を作り続けたいと思っています。

池田衆(いけだしゅう)
池田衆(いけだしゅう)
1979年 広島県生まれ
2004年 東京造形大学絵画科卒業
■主な個展
2007年 「fragmentary time」atelier kirigiris(神奈川)
■受賞
2008年 「トーキョーワンダーシード2008」入選
2009年 「トーキョーワンダーシード2009」入選
2009年 「2009年度写真新世紀」佳作
■今後の活動予定

2009年11月7日〜29日 「写真新世紀東京展2009」東京都写真美術館
※「トーキョーワンダーウォール都庁2009」東京都庁


トーキョーワンダーウォール大賞(立体部門) 桝本佳子さん

《ついついと草に立たる春日哉 一茶/壷、皿》2009年 陶 143×180×135cm
《ついついと草に立たる春日哉 一茶/壷、皿》2009年 陶 143×180×135cm

器であって器でないもの
美術や工芸といったカテゴリーは日本の歴史の中で取ってつけられたものですが、今まだその境界は多くの人にとって曖昧なままです。その中で、器形というのは、絵画と額縁の関係のように、工芸である為の装置のひとつといえるのではないでしょうか。
器というのは当然、用いられる為のかたちです。
しかし、花を生けられもせず、料理を盛られもせず、ただ飾られるだけの器というものが存在し、当然のように床の間や玄関に置かれています。そうした曖昧な境界線上に鎮座している存在を、もっとフィーチャーして面白く見せていきたい、と思ったのが一連の製作のきっかけです。

器と装飾の、主と従という関係を壊すこと。
普段は装飾として器に沿った形に変形しているモチーフを、変形させず大きくし、単純に合体させた時、その作品は人にどう認識、分類されるのか。
もしくは装飾の為のモチーフの変形という行為を、曲げたり縮めたりではなく、器のラインで切り取るという行為に置き換える。器の表面とモチーフが同時に存在しつつも、両方が不完全な形で現れてくる。
現在はこのようなテーマにスポットを当てて製作しています。
今回は前者の器とモチーフを合体させた形の作品です。壷と山、そして皿と草や枝。使えない事はありませんが、あくまで飾る用としての器です。陶の持つ柔らかい素材感も、一つの大きな魅力になっていると思います。

桝本佳子(ますもとけいこ)
桝本佳子(ますもとけいこ)
1982年 兵庫県生まれ
2000年 京都市立芸術大学美術学部工芸科入学
2007年 京都市立芸術大学修士課程陶芸専攻卒業
■主な個展
2008年 「個展」石田大成社ホール(京都)
2009年 「個展」太陽事務(京都)
■主なグループ展
2005年 「新世代の交感」愛知県立陶磁器資料館
2007年 「KYOTO→SEOUL」Toppohouse gallery(ソウル)
2009年 「FIX」元立誠小学校(京都)
■受賞
2007年 「京都市立芸術大学作品展」大学院市長賞
2008年 「Tokyo Midtown Awardアートコンペ」準グランプリ
2009年 「京展」館長奨励賞
■今後の活動予定

2010年1月 個展開催予定 INAXギャラリー(銀座)
※「トーキョーワンダーウォール都庁2009」東京都庁


トーキョーワンダーウォール審査員長賞(立体部門) DIG & BURYさん

《Psychedelic garden》2009年 ミクストメディア 80×80×180cm
《Psychedelic garden》2009年 ミクストメディア 80×80×180cm

「冒険をするように表現する。そしてその表現は人種も国籍も場所も選ばない」というテーマのもとに活動中。主な活動としてイタコを執拗に追求する「DIG&BURY恐山へ行く」、キリングフィールドを再考する「DIG&BURYのMAGICTREE」など。
今回の作品は、64年前にわりと近所に落ちた原爆について考えてみるということからスタートしました。二等賞なのが悔やまれます。

DIG & BURY(でぃっぐあんどばりー)
DIG & BURY(でぃっぐあんどばりー)
2007年 結成
■主な個展
2008年 「DIG&BURYのオダユウジ」トーキョーワンダーサイト本郷
2008年 「DIG&BURY'S MAGICTREE」kandada(神田)
■主なグループ展
2008年 「シークレットオークション」kandada(神田)
■受賞
2008年 「エマージングアーティストサポートプログラム」トーキョーワンダーサイト本郷
■今後の活動予定

※「トーキョーワンダーウォール都庁2009」東京都庁

次回は…
トーキョーワンダーウォール賞受賞の、イクタケイコさん、石井麻理絵さん、梅沢和木さん、大小島真木さん、源馬菜穂さん、佐藤令奈さん、曽我彩華さん、みなみりょうへいさん、山本直輝さん、渡辺聖介さんをご紹介します。[9月24日(木)アップ予定]

 
トーキョーワンダーウォール 写真
 
トーキョーワンダーウォール
2000年5月、東京から世界に向け文化的魅力を発信しようと始まったトーキョーワンダーウォール。これからの美術を担う新進作家の作品発表の場として、東京都庁舎の空中歩廊壁面(wall=ウォール)を提供し、数多くの作家が作品を発表してきました。この展示は、都庁を訪れる大勢の人に新たな刺激を与え、文化の創造拠点としての役割を果たしています。
このように、都庁舎に展示する作品を公募するトーキョーワンダーウォールは、毎年作品募集を行っており、応募数は回を重ねるごとに増加。10回目となる2009年は、平面部門で1404名、2007年から創設された立体・インスタレーション部門で154名の応募があり、35歳以下の若手作家が切磋琢磨する公募展になっています。
審査方法は、平面部門では、現物審査の1点勝負。毎年100点前後の作品が入選し、その中から12点の入賞作品を選定。入賞者には、賞金と賞状が贈られます。入選者は東京都現代美術館で展示の機会があり、入賞者はさらに都庁で約1ヶ月間、作品を展示することができます。その後はトーキョーワンダーサイトと連携し、作品の展示・販売の機会も提供されます。トーキョーワンダーウォールは今後も、公募展の開催から若手作家の支援、東京における芸術文化の活性化を図っていきます。

http://www.seikatubunka.
metro.tokyo.jp/bunka/
wonderwall/index.html

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