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トーキョー・アートビジョン
No.034 展示空間を考え、作品を発表する
コメント:第4回shiseido art egg 入選作家

新進アーティストに資生堂ギャラリーを開放する公募展、shiseido art eggは2006年にはじまり、今年で第4回目を迎えました。これまで、内海聖史さん、槙原泰介さん、彦坂敏昭さん、宮永愛子さんなどが入選し、同ギャラリーで個展を開催。現在でもさまざまな会場で作品が展示されるなど、活躍の幅を広げています。今回は、第4回shiseido art eggに入選された曽谷朝絵さん、岡本純一さん、村山悟郎さんをご紹介します。


曽谷朝絵さんのコメント

曽谷朝絵《鳴る色》2010 photo by 洲崎一志
曽谷朝絵《鳴る色》2010 photo by 洲崎一志

 この展覧会では色と音の間にある空間を創ります。
 色から出る音。私はそれを絵画制作を続ける中でずっと聞いていました。その和音によって色を選定しリズムをつくり、見る人が絵の中の色を追っていけば大きな和音が立ち上がるような、そんなビジョンを求め、曲を作るように画面を創ってきた気がします。その過程で私の頭の中に現れる色彩が乱舞する光景は、色と音の間にある空間です。
 これまで発表してきた絵画作品では、最後にそれらを交通整理してから提示していました。例えば、あまりに色が全面に出ているところを押さえたり、色彩の新鮮さをそのまま残したような筆の跡を消したり。それはそこで表すべき別のテーマがあるから当たり前で、必要なことなのですが、一方でなぜこんなきれいなものを消すんだろう、ともいつも思っていました。消す色が音を発して飛び回り、飛び散り、反響しあう。それだけでもすごく価値のある、認識することの源にたどり着け得るテーマなのではないかな、と感じていたのです。
 art eggに応募した理由は、その光景を是非資生堂ギャラリーという深みのある空間で発表したいと考えたからです。初めての大規模なインスタレーションの展示が、この素晴らしい場所で行えることを本当に嬉しく思っています。やはり平面作品の展示と違い、大変なことは本当にたくさんあります。インスタレーションなので、たくさんの人が関わることや物理的なことを考える要素が増えること、何よりこのシリーズを発表するのが初めてなので、素材のこと、展示方法のこと、手順、何もかも手探り状態で進んでいます。
 そんな中、資生堂ギャラリーの皆様の多大なるご尽力はもちろんのこと、他にもたくさんの企業から多くの素材のご協力や様々なアドバイス、そして友人やボランティアの方々のサポートに本当に助けられています。この展示がいい形で完成したら、分かちあえる相手が多い分、きっとその喜びは本当に大きいでしょう。
 今はこの展示のビジョンの中にいて、何か大きなものに引っ張られているような、そんな気持ちです。この展示が完成したらその空間から、私自身も知らない発見をまたすることができるだろうと予感しています。

曽谷朝絵(そやあさえ)
曽谷朝絵(そやあさえ)
1974年、神奈川県生まれ。2006年、東京藝術大学大学院美術研究科油絵専攻博士後期課程修了。
■主な個展

・2002「公開制作11 - 感性のレアリスム」府中市美術館・東京
・2003「曽谷朝絵展」第一生命 南ギャラリー・東京
・2007「prism」西村画廊・東京

■主なグループ展
・2002「第1回府中ビエンナーレ」府中市美術館・東京
・2003「こもれび展」水戸芸術館
・2005「ART TODAY 2005」セゾン現代美術館・長野
・2007「Opening up new horizon」PYO Gallery・北京
■受賞
・2000「JACA 日本ビジュアル・アート展 2000」準グランプリ
・2001「第6回 昭和シェル石油現代美術賞展」グランプリ
・2002「VOCA展 2002 - 新しい平面の作家たち」VOCA賞 (グランプリ)
■今後の活動予定

・2010年1月8日(金)〜1月31日(日) 「第4回shiseido art egg展」資生堂ギャラリー・東京
・2010年2月「アーティスト・イン・ファクト リー成果発表展(仮称)」高松
・2010年3月「Rendez-vous Project Yokohama」象の鼻・横浜
・2010年 「曽谷朝絵展(仮称)」個展 PYO Gallery・ソウル

岡本純一さんのコメント

展示予定作品のマケット写真:タイトル「ソフィーの森(仮題)」
展示予定作品のマケット写真:タイトル「ソフィーの森(仮題)」

 資生堂ギャラリーは、よくあるホワイトキューブの空間に変わりないですが、その構造はとても変。階段を螺旋状に下り、地下におりていく。大小の空間のつなぎ目は異様に狭くなっている。ギャラリーを訪れたことのある人は容易に想像できるでしょう。その空間は言うまでもなく魅力的で、常に僕を触発します。
 アートエッグはプラン審査です。プランとは仮想の計画です。もしくは、虚構の計画と言ってもいいかもしれない。そこには、金銭や技術など煩わしい問題を反映しなくてもいい自由さがある。そのことは僕の創造力に大きな幅を持たせました。その結果、作品の内容も大きな展開を見せました。
 今回僕は、ギャラリー空間自体を彫刻する対象と捉え、その形態を大きく変容させます。空間はチェーンソーで削り取られるかのように、二つに鋭く分断されます。まず、その彫刻の内部に足を踏み入れてほしいと思います。そこには視覚だけでは認識できない、多様な感覚に作用する空間があるはずです。ギャラリーの形態やその空間が持つイメージを大きく変容させる作品「虚構の彫刻」が実存する瞬間に、ぜひ会場に足を運んでいただきたいと思います。
 2010年春には地元である淡路島に移住します。活動の場を東京や関西に限定せず、国内外のレジデンスに参加するなど、広い意味で活動の領域を拡げていきたいと考えています。

岡本純一(おかもとじゅんいち)
岡本純一(おかもとじゅんいち)

1979年、兵庫県生まれ。2004年、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻彫刻コース修了。
http://okajun.net/

■主な個展

・2007「せかい地図」Gallary HIRAWATA・神奈川
・2003「六畳の水槽」ギャラリー覚(共催GALLERY二葉)・東京
・2003「六畳の水槽」GALLERY二葉(共催ギャラリー覚)・東京

■主なグループ展

・2009「For Rent! For Tarent!」三菱地所アルティアム・福岡
・2009「中之条ビエンナーレ」群馬県中之条町
・2009「リニューアル」武蔵野美術大学美術資料図書館・東京

■ワークショップ

・2009「地球をつくる!」府中市美術館・東京
・2009「中之条にピラミッド!」群馬県中之条

■受賞

・2005「資生堂ADSP」選出 (Art Documents Support Program by SHISEIDO)

■今後の活動予定

・2010年2月5日(金)〜2月28日(日) 「第4回shiseido art egg展」資生堂ギャラリー・東京

村山悟郎さんのコメント

左《神の宿る部分》2009、右《浸透する ドリフトする》2009<br>東京都現代美術館蔵 photo by 木奥恵三
左《神の宿る部分》2009、右《浸透する ドリフトする》2009
東京都現代美術館蔵 photo by 木奥恵三

 僕の作品の多くは巨大な平面作品なので、それを展示する空間を見つけること自体がなかなか難しいです。資生堂ギャラリーは非常に大きなボリュームをもったギャラリーですから、それが丁度良かった。そういう空間のフィジカルな条件に僕の展示は依存すると思います。
ただ「“なぜ”資生堂ギャラリーの空間で?」という問いは、僕にとってあまり本質的であるとは思っていません。常に既に在るその場の特殊性の中から、ある一部の観念を抜き出して、それを想定した場としてそこに作品を着地させるという一方的な関係は、必然性という概念を要請するシアトリカルな認識によるものだと考えるからです。むしろ問われるべきは、主体あるいは作品と場の「関係の特殊性」だと考えます。
 僕は、生態学的視点に立ってこれまで絵画に取り組んできました。有機体のシステムと、その環境の関係という視座をもって絵画を捉えなおす作業です。考え方としてはG.ベイトソン、バレーラとマトゥラーナが提唱したオートポイエーシス、河本英夫さん、池上高志さんに大きく影響を受けています。
 僕の絵画作品は、描画行為とその環境にあたる支持体形成とが相互浸透しながら、その領域を次第に拡大させていきます。紐を編み、下地を塗り、描画する、そしてそれを見る、という大きく分けて4つの行為の連環によって作動的閉域(システム)を形成し、円環反復(サーキット)します。そして、そのシステムの作動と反復が、時間発展と共に学習的ドリフト(変化をはらんだ流れ)を生成する、といったものです。制作は全て床面で行い、壁面に展示して初めて完成します。絵画をシステムとして思考した時、絵画が、主体の行為およびその環境と時間を含む、より広範な領域として立ち上がり、自律するのではないか? それを提示できればと考えています。

村山悟郎(むらやまごろう)
村山悟郎(むらやまごろう)

1983年、東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻前期博士課程在籍。
http://goromurayama.com/

■主なグループ展

・2009「MOTコレクション・MOTで見る夢」 東京都現代美術館・東京
・2009「秋田県大館市アートプロジェクト"ゼロダテ/大館展 2009"」秋田
・2009「Sticky Sloppy Lumpy」TURNER GALLERY・東京

■受賞

・2006「久米桂一郎奨学基金」東京藝術大学
・2009「O氏記念賞」東京藝術大学

■今後の活動予定

・2010年3月5日(金)〜 3月28日(日) 「第4回shiseido art egg展」資生堂ギャラリー・東京
・2010年6月「FRESH-Artist Network-」URBAN BACK-SIDE LABORATORY R2・柏

Information

資生堂ギャラリー公募展 第5回シセイドウアートエッグ
shiseido art eggは、2010年度も公募を行う予定です。日本国内在住のアーティストであれば、作品ジャンル・国籍・年齢不問。詳細は、下記URLよりご確認ください。
応募受付:2010年6月1日(火)〜6月15日(火)予定

http://www.shiseido.co.jp/gallery/koubo/index.htm

 
shiseido art egg 写真
東京銀座資生堂ビル外観。地下1階が資生堂ギャラリー
 
shiseido art egg
2006年より毎年、株式会社資生堂が主催している公募展。新進アーティストに資生堂ギャラリーを3週間無料で開放し、展覧会開催までのサポートを行う。応募にあたって展示プランの提出もあり、審査員は作品のクオリティだけでなく「資生堂ギャラリーという空間で何をどのように表現したいのか」を評価のひとつとして審査を行い、3人(組)のアーティストを選出する。入選者は、資生堂ギャラリーの学芸員や専門スタッフと一緒に展覧会をつくることで、作品を発表するためのノウハウも学べる。展覧会終了後、3つの個展からshiseido art egg賞が選出される。
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