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トーキョー・アートビジョン
No.037 写真新世紀で写真表現の可能性にチャレンジ
語り手:キヤノン株式会社 澤田澄子さん

「写真新世紀」は、「写真で何ができるだろう? 写真でしかできないことは何だろう?」というテーマのもと、1991年から続く公募形式のコンテスト。これまで荒木経惟さん、飯沢耕太郎さん、南條史生さん、森山大道さんらがレギュラー審査員を務め、多くの写真家を輩出してきた同コンペは、20年目を迎える今回の公募(2010年6月10日まで応募申込受付中)から新たなスタートを切ります。どのような変化があるのか、キヤノン株式会社 社会文化支援部の澤田澄子さんにお話をお聞きしました。


優れた審査員が新たな写真家を発見する

 「写真新世紀」をはじめた1991年は、写真がアートとして認知されるか、されないかという時期ですね。その頃カメラメーカーとしてのキヤノンは社会にどう貢献していくかを考えており、結果、新たな写真表現を開拓するような土壌をつくろうということになりました。最初の「写真新世紀」はこじんまりしたもので、だからこそ自由度が高く、当時としては革新的で画期的なコンテストだったと思います。第1回の開催で既にオノデラユキさんが優秀賞を受賞されていますから、すごい才能が集まっていたんですね。受賞者のその後の活躍によって、「写真新世紀」の評価が高まるのは嬉しいことです。

 前回までの審査方法は、レギュラー審査員である荒木経惟さん、飯沢耕太郎さん、南條史生さんの3名とゲスト審査員2名の方々にそれぞれ優秀賞1名(組)と佳作4名(組)を選出していただき、グランプリ選出公開審査会において1名(組)のグランプリを合議で決定していました。現在の「写真新世紀」があるのは、審査員の方々が新たな才能を見出すという役割を果たしてくださったからだと大変感謝しています。ところが、応募者の中には「この審査員の方だったら評価してくれるんじゃないか」と、そういう思いで作品を制作する方もいるわけです。すると、応募作品の表現にある傾向が出てきてしまうんですね。10年20年先を見据えて「写真新世紀」を考えた時、安定している今こそ、リフレッシュの時かなと。そこで、今回の第33回公募から、審査員を大森克己さん、佐内正史さん、椹木野衣さん、清水穣さん、蜷川実花さんにお願いすることにしました。

前回2009年度(第32回公募)グランプリ(優秀賞 蜷川実花 選)クロダミサト「He is ….」
前回2009年度(第32回公募)グランプリ(優秀賞 蜷川実花 選)
クロダミサト「He is ….」


新たな審査員とともに迎える20年目の公募

 20年の歴史がある「写真新世紀」は、かつての受賞者が第一線で活躍をしています。大森さんも佐内さんも蜷川さんも「写真新世紀」で受賞経験がありますが、彼らが今までの審査員に見出されたように、彼らの新しい感覚、視点で次の世代を発掘してくださればと考えています。このように、新たな審査員によって選出された写真家が将来活躍して、また次の展開につながればすばらしいなと。先進性があって、常に新しいジェネレーションに引き継がれていくコンテストにしていきたいですね。審査員の引き継ぎをお願いした時、最初はみなさん「え?」と戸惑っていらっしゃいましたが、「写真新世紀」は巣立った場だからと覚悟を決めてくださいました。椹木さんにも清水さんにも、快くお引き受けいただけました。応募者がこの変化をどう受け止めるか、その反応は作品でわかると思います。傾向が変わっても、応募が減っても増えても、これまでの「写真新世紀」を全肯定で次のステップへ踏み出そうと考えました。

 キヤノンとしては、写真というキーワードで表現の可能性にチャレンジしてほしいと考えているのが「写真新世紀」です。賞の授与は、その後の作家生活を保証するものではありませんが、評価されることによって自分がいままでやってきたことに自信がもてたり、モチベーションを上げるきっかけになります。受賞できなくても、それが悔しいとか、なぜあの作品が受賞して自分の作品が受賞しなかったのか。その理由を考えることが、新たなパワーを生むこともあるでしょう。結果が不本意でもめげず、自分の信念を貫き、柔軟に前に進んでいただきたい。そのために「写真新世紀」を利用してもらえたら嬉しいですね。ですから、どんどん自由に、気軽にご応募いただきたいです。それが、写真の表現を深める近道かもしれません。また、新しい表現というのは奇をてらうことではなく、今あるものでどういう表現が自分にできるのか。そのチャレンジの成果こそ、次世代の写真表現に結びつくのではないかと思います。

「写真新世紀東京展2009」(東京都写真美術館)展示風景
「写真新世紀東京展2009」(東京都写真美術館)展示風景

2008年度グランプリ受賞者 秦雅則新作個展「幼稚な心」展示風景
2008年度グランプリ受賞者 秦雅則新作個展「幼稚な心」展示風景

Information

■2010年度(第33回公募)写真新世紀 募集要項
応募資格/国籍・年齢・経験(プロ・アマチュア)不問
応募後2年間、日本国内に在住予定の方
応募申込期間/4月14日(水)〜6月10日(木)24:00
作品受付期間/4月14日(水)〜6月17日(木)消印・宅配受付有効

賞の概要/ グランプリ:奨励金100万円、次年度「写真新世紀展」における個展開催他
優秀賞:奨励金20万円、「写真新世紀展」への出展他
佳作:奨励金3万円、「写真新世紀展」(東京展のみ)への出展他

※応募条件や詳細については、公式ホームページよりご確認ください。
canon.jp/scsa

■応募から受賞までの流れとポイント
作品は、サイズ、形式、点数不問で、自由で独創的な表現を広く募集。7月に、審査員が優秀賞5名(組)、佳作20名(組)を選出。東京都写真美術館にて11月頃「写真新世紀東京展」(受賞作品展)を開催。昨年は12000人以上が来場。展覧会の会期中に「グランプリ選出公開審査会」を実施。優秀賞受賞者は、審査員とおよそ200人の観客の前で受賞作品についてのプレゼンテーションを行う。審査員にとっては、作品だけではわからない、受賞者の作家としての将来性を判断する場となり、質疑応答で交わされる受賞者と審査員のやり取りは必見。受賞者はもちろん写真を撮る方にも、貴重な機会、経験となる。その後、受賞作品集の発行や巡回展などを予定。ウェブサイトでは、作家情報を発信する。

次回は…
「2010年度(第33回公募)写真新世紀」の審査員を務める蜷川実花さんにお話を伺います。[5月13日(木)アップ予定]

 
写真新世紀 写真
 
写真新世紀

キヤノン株式会社が文化支援プロジェクトのひとつとして主催する、公募形式のコンテスト。写真表現の可能性に挑戦する新人写真家の発掘・育成・支援を目的に、1991年より開始。現在は年1回の開催で、毎年応募者は1000人を超える。これまでに、オノデラユキ、大橋仁、HIROMIX、野口里佳、澤田知子、本城直季、梅佳代、高木こずえなど、次世代の写真表現を切り拓き、国内外で広く活躍する優秀な写真家を多数輩出。新人写真家の登竜門として評価されている。20年目を迎える今回(第33回)の公募から審査員を一新。「写真新世紀」を支えてきた荒木経惟、飯沢耕太郎、南條史生の3氏のレギュラー審査員とゲスト審査員2名の体制から、レギュラーとゲストの区分けをなくし、大森克己、佐内正史、椹木野衣、清水穣、蜷川実花の5氏の体制に変わり、新たな展開を見せる(50音順、敬称略)。

canon.jp/scsa

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