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トーキョー・アートビジョン
No.041 トーキョーワンダーウォール受賞者のご紹介
TWW2010大賞・審査員長賞

「トーキョーワンダーウォール(TWW)」とは、35歳以下の若手作家を対象にした東京都主催の公募展です。今回は、「TWW公募2010」平面・立体部門の大賞・審査員長賞受賞作家(長沼基樹さん、Takiguchiさん、threeさん、阿部乳坊さん)をご紹介。受賞作品の制作意図などについてコメントをいただきましたので、今後の活動とあわせて是非チェックしてみてください。尚、10月から順次開催される東京都庁舎での個展情報は、9月中旬以降の発表を予定しています。


トーキョーワンダーウォール大賞(平面部門) 長沼基樹さん

《a stock farm》2010年 油彩、キャンバス
《a stock farm》2010年 油彩、キャンバス

 私は配達のアルバイトで、毎日同じ時間に同じ道順で、私の配達区域の家に行く。決まった時間に、決まった道順で、決まった家へ。毎日毎日、繰り返し行くその場所やそこで出会う人々が、私の日常になる。
 そんなある日、私の配達区域のうちの一軒で事件が起こったのである。現場となった家には、たくさんの人だかりができていた。私は報道陣らしき人々をかきわけて、いつも通り、いつもの時間に、いつもの道順で配達をして、その場を後にした。しかし、私の日常は完全に崩れ去っていた。ただ、私ひとりだけが、昨日と同じ日常を刻んでいたのだった。事件現場という非日常の風景の中で、自分だけが日常でいるという強烈な違和感。それは、私にとって初めての感触だった。
 その日以降の私は、このような出来事に出会わなくても、実は毎日の生活の中では気がつかずにいただけで、自分自身の家の室内やまわりの風景、そして私たちが暮らしている地球上の中で、私だけが常にずれ、浮遊した状態にあるのではないかと考えるようになった。もちろん私は、自分だけがずれていると思えるその「ずれ」を直し、周りの風景と同じ一直線上に立つべきだと考えているわけではない。大切なのは、その「ずれ」を見過ごさず、認識することにある。絵を描くことを通して、私は自分自身のものさしで、身のまわりの風景をもう一度はかり直していきたいと思う。

長沼基樹(ながぬまもとき)

長沼基樹(ながぬまもとき)
1977年 群馬県生まれ
2001年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2003年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了
■主な個展
2005年 「flowers」なびす画廊(東京)
2006年 「caress」GFAL(東京)
2006年 「caress」なびす画廊(東京)
■主なグループ展
2006年 「春のおくりもの」なびす画廊(東京)
2006年 「韓国青年ビエンナーレ」(テグ市/韓国)
2008年 「新世代への視点2008・小品展」ギャラリーなつかb.p(東京)
■今後の活動予定

2010年9月(予定)〜2011年8月(予定) つくばエクスプレス秋葉原駅の改札正面(B1F)にTWW大賞受賞作品を展示
2010年10月18日〜23日  個展 なびす画廊(東京)
2011年9月予定 「トーキョーワンダーウォール都庁2010」東京都庁


トーキョーワンダーウォール審査員長賞(平面部門) Takiguchiさん

《Lovers》2010年 アクリル、鉛筆、紙
《Lovers》2010年 アクリル、鉛筆、紙

 「Takiguchi」は、1枚の平面作品を2人で共同制作するコラボレーション・ユニットです。私たちは、すべての制作時間を共有し、お互いが同時に筆を進めます。会話をするかのように思いのままに線や色を重ね、その過程で一方が否定をもって塗りつぶし、あるいは共感をもって描き留め、画面上での取捨選択を行っています。
 最近の作品のコンセプトは、「誰でもない誰かのポートレイト」です。本来ポートレイトとは特定の人物を描くものですが、私たちは2人のイメージから生まれる誰でもない誰かを描いているのです。最初に2人の生活や会話の中の、ちょっとした言葉や物ごとから制作のきっかけが生まれます。そして、そのきっかけを還元するために対象のもつ特質や個性を極限まで取り除くことで、根源的な本質を露出させ、この試行の繰り返しにより集まった素因のみを、新たな画面に再構成してゆきます。つまり、2人が手を動かしていく過程でイメージの蘇生を繰り返し、少しずつかたちをつくりだし、全く別の何か(誰か)、あるいは人格が現れた瞬間に完成するのです。
 これからも、ポートレイト作品はじめ様々なジャンルの作品を積極的に制作し、発表していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

瀧将仁

瀧将仁
1978年 静岡県生まれ
2003年 東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業
2005年 東京藝術大学大学院美術研究科修了
■主な個展
2007年 「瀧将仁」VCA Printmaking Studio(メルボルン/オーストラリア)
2009年 「瀧将仁新作木版画展」シロタ画廊(東京)
■主なグループ展
2007年 「UTM 伝統と現代(延承、演?、滲透)―水、墨、モノクロームの世界―展」台東区立旧坂本小学校
2008年 「日本版画招待展」半島美術館(上海/中国)
2008年 「Exhibition‘a sign’」東京藝術大学
■受賞
2003年 「東京藝術大学O氏記念賞」
2005年 「第3回山本鼎版画大賞展」佳賞
2008年 「第76回日本版画協会展」山口源新人賞

溝口昇

溝口昇
1975年 静岡県生まれ
2005年 桑沢デザイン研究所基礎造形専攻入学
2006年 桑沢デザイン研究所基礎造形専攻修了
■主な個展
2006年 「a dryed flower」SODA CAFE(東京)
■主なグループ展
2008年 「Exhibition‘a sign’」東京藝術大学
Takiguchi(タキグチ)
2009年 コラボレーション・ユニット「Takiguchi」(瀧将仁、溝口昇)結成
2010年 グループ展「ART AND PHOTO BOOK EXHIBITION」新宿眼科画廊
2010年 グループ展「俺のモナリザ展」東京藝術大学
■Takiguchi今後の活動予定

2010年8月6日〜18日 初個展「-Lovers-」新宿眼科画廊
2010年10月28日〜30日 エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ULTRA003」出品 スパイラル(東京)
2010年12月予定 「トーキョーワンダーウォール都庁2010」東京都庁
http://www.masahitotaki.com/


トーキョーワンダーウォール大賞(立体部門) threeさん

《14.2kg》2010年 フィギュア(樹脂)
《14.2kg》2010年 フィギュア(樹脂)

 2次元というデータ上の世界を3次元化したものがフィギュアであり、その存在証明は背景にある情報というデータが決めている。フィギュアは、物体という3次元でありながら限りなく情報という2次元に近い存在。そのフィギュアのもつ曖昧さを再構築することで、3次元(物体)から2次元(情報)を引き剥がし、物本来がもつ重さに還元させる。重さは「かたまり」であり、「モノ」が価値を纏う前の基準の値である。グラム当たりの単価で売買される精肉のように、価値が決定される前に純然とある事実のみである。
 今回の「14.2kg」では、本来表となるフィギュアの表面を裏面にし、フィギュアの内側の肉となる部分を表に持ってくることで対比させた。豚や牛や鳥のように、フィギュアの表面を「皮」と捉え、内側を「肉」と捉えた時、いよいよフィギュアがもつ2次元性はなくなり、そこにあるのは物体としての3次元性だけである。

three(スリー)

three(スリー)
1986年 福島県生まれ
2009年 アートユニット「three」結成
■主な個展
2010年 「three is a magic number」MEGUMI OGITA GALLERY(東京)
2010年 「three is a magic number 2」西武渋谷店
■主なグループ展
2010年 「Toy Show」MEGUMI OGITA GALLERY(東京)
2010年 「NEXT 2010」Merchandise Mart(シカゴ/アメリカ)
2010年 「5th TAGBOAT AWARD」TURNER GALLERY(東京)
■受賞
2010年 「5th TAGBOAT AWARD」グランプリ
■今後の活動予定

2011年3月予定 「トーキョーワンダーウォール都庁2010」東京都庁
http://www.three-studio.com/


トーキョーワンダーウォール審査員長賞(立体部門) 阿部乳坊さん

《Self portrait : How to fly on the hierarchy》2009年 木彫に着彩
《Self portrait : How to fly on the hierarchy》2009年 木彫に着彩

 この作品が生まれたのは、約2年間ある会社でアルバイトしていたことに由来している。会社のある場所は、大きなビルの地下3階。地下3階に出入りするのは、ゴミ収集業者、掃除作業員、高所作業員などの労働者。新聞やニュースの情報のように日々変化していく会社の中、相も変わらず地下3階では労働が続く。
 僕は当たり前に繰り返される満員電車と毎日の労働の中、どうしたらこの生活から抜け出せるのだろうかと考えていた。まるでそのビルは資本主義という、僕には動かすこともできない目の前に立ちはだかる大きな石の塊そのものだ。いったい僕には何ができるのだろうか。どうしたらこの大きな跳び箱を飛び越えられるのだろう。

阿部乳坊(あべにゅうぼう)

阿部乳坊(あべにゅうぼう)
1982年 新潟県上越市生まれ
2007年 金沢美術工芸大学美術科彫刻専攻卒業
2010年 茨城県取手市、石川県金沢市にて制作活動中
■主な個展
2007年 「反対物の同居、Cohabitation of opposite things」Gallery Q(東京)
2008年 「Abe Nyubo Airport」GALLERY b.TOKYO
2009年 「FLY FORMOSA」台北国際藝術村、台新銀行(台北/台湾)
■主なグループ展
2007年 「Dis-Communication」Sungkok Art Museum(ソウル/韓国)
2010年 「改借景」「拝借景」寺田邸(茨城)
2010年 「二国間交流事業プログラム レジデンス帰国報告会」トーキョーワンダーサイト本郷
■今後の活動予定

2011年3月予定 「トーキョーワンダーウォール都庁2010」東京都庁
http://abe-niuu-bou.com/

次回は…
トーキョーワンダーウォール賞受賞の、安藤充さん、岩瀬晴香さん、熊野海さん、藏内梢さん、木彩さん、武田諭さん、竹中美幸さん、辻孝文さん、中井伸治さん、平子雄一さんをご紹介します。[9月9日(木)アップ予定]

 
トーキョーワンダーウォール 写真
 
トーキョーワンダーウォール
これからの美術を担う新進作家の作品発表の場として、東京都庁舎の空中歩廊壁面(wall=ウォール)を提供するトーキョーワンダーウォールは、2000年5月にスタートした公募展です。「トーキョーワンダーウォール公募2010」は、平面部門で1034名、立体・インスタレーション部門で112名の応募がありました。入選作家は毎年100名前後で、東京都現代美術館で作品展示の機会があり、入賞者はさらに都庁で個展を開催することができます。その後はトーキョーワンダーサイトと連携し、展覧会の機会が提供されます。トーキョーワンダーウォールは今後も、公募展の開催から若手作家の支援、東京における芸術文化の活性化を図っていきます。

http://www.seikatubunka.
metro.tokyo.jp/bunka/
wonderwall/index.html

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