
「PLAY! MUSEUM」が2階、3階に屋内広場「PLAY! PARK」がある。ロゴを手がけたのは菊地敦己さん 写真提供:PLAY!
「PLAY! MUSEUM」の上階には「PLAY! PARK」が広がっています。7つのエリアに分かれた広大な空間は、「未知との出会い」をテーマに、子供が自由な発想で遊べる屋内広場。中心にある「大きなお皿」はとんだり、走ったり、すべったり、全身で遊べるエリアです。約8000個の風船を使った大型遊具「バルーン・モンスター」は、東京都市大学の手塚貴晴研究室と開発・制作し、9月に完成。大人が座っても割れないほど丈夫で、上に乗ったり、持ち上げたりと自由に体を動かして遊ぶことができます。

「バルーン・モンスター」は、東京都市大学の学生団体「如学会」が発案し、同大学手塚貴晴研究室と「PLAY! PARK」スタッフによって制作
「PLAY! MUSEUM」と「PLAY! PARK」の設計は、手塚建築研究所が手がけています。「子供が遊ぶためのキッズパークはカラフルで可愛いらしいイメージもあると思いますが、『PLAY!』の空間は、あえて装飾や色もシンプルにしています。それはお客さんと一緒に完成していく場所、という考えがあるからです。菊地敦己さんの手がけたロゴも、お客さんや作品を邪魔しないよう、あえて黒一色で作られ、そのうえで活気が伝わるものになっています。『PLAY!』用にAからZまでのほとんどの書体が揃いました」と森田さんは話します。

PLAY! プレスの森田藍子さん。「立川は近隣に美術系の大学も多いので、そうした大学とのコラボレーションも積極的にしていきたいと考えています」

菊地敦己さんが開発したアルファッベトのフォントは、ロゴだけでなく、PLAY!の広報物などにも展開されている
「大きなお皿」の奥には、毎日さまざまなワークショップが随時開催されている「ファクトリー」。梱包材や廃材、新聞紙などの素材や、ペン、はさみ、のりなどの道具を使い、自由につくることもできます。

「ファクトリー」には、左利き用の道具や、子供用の道具も置いてある

つくった作品は「ギャラリー」に展示。誰かのつくった作品を見るのも楽しい
エリック・カールの手法を学べるワークショップや、身の回りにあるもので顔をつくるワークショップなど、「PLAY! MUESEUM」の展覧会と連動したワークショップも開催されています。その無数のワークショップに共通するのは、誰でも取り組める仕掛けです。
「明確なゴールを設定することよりも、想像力を自由に膨らませられる入り口」を大切に、「PLAY!」で働くスタッフがプログラムを日々考案しています。

ギャラリーの作品
そのほか「PLAY! PARK」には、ピアノや楽器で遊べる「スタジオ」、多摩美術大学グラフィックデザイン学科の学生が制作したアニメーションが流れる「シアター」、日本や海外の絵本が700冊以上そろう「ライブラリー」なども。自分の興味や年齢に合わせて、好きな場所で好きなだけいることができます。また、2階の「PLAY! CAFE」では展覧会に関連したフードやドリンク、「PLAY! SHOP」ではオリジナルグッズも提供しています。
行くたびに驚きや発見がある「PLAY!」。美術館と屋内広場が一体となり、親子で楽しめる日本国内でも珍しい施設です。
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