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天野祐子 写真展 セルビア 2018 2019

2024/01/12 - 2024/02/03

終了

「セルビア 2018 2019」

卒業した大学の奨学金で1年間パリに滞在したとき、とても親しくなった友人はセルビア人だった。そのほかにも心が通い合ったと感じた人たちは、マケドニアやウクライナ、イスラエルやイランからきた人たちだった。みんなでよく集まって話をした。

名前は知っているけれど、それ以外のことはほとんど何も知らない国の人たち。聞いたことのない言葉で話して、見たことのない景色を見てきた人たち。

私はその国へ行ってみたいと思った。

2018年の夏に、セルビアへ行くことにした。初めて行く場所で初めて会う人に会って、食べたことのない料理を食べた。そのうちに、いつも同じ時間に同じ場所にいる人や、3時間前にすれ違った人に気がつくようになった。夜行く小さな商店のレジの人と「私たち友達になりましょう」と話した。(そのあと会うことはなかった。)白の水玉模様のホーロー鍋を買って、馴染みのない粉っぽいコーヒーをいれられるようになった。そして、いつもは撮らないような種類の写真をたくさん撮った。

翌年の夏にも同じ国の同じ場所へ行った。前の年に会った人とその年も会ったし、同じ川で泳いだ。だけど、前の年には話さなかった話をした人もいたし、自分の家族の写真を見せてくれた人もいた。そしてその年も、いつもとは違う写真を撮った。

次の年からは、自分の国から海をこえて、他の人の国へ行くことが難しくなった。4年が経ち、何人かの名前はもう思い出せない。記憶の前後は曖昧になって、その時の自分が何を考えていたか、わからないことの方が多い。

誰かに見せるつもりで撮ったわけではない思い出の写真だから、なんとなく気恥ずかしいものもある。写真をたくさん焼くのは大変だったけど、想像していたより楽しかった。忘れたと思っていたことを少しずつ思い出してきた。



ヨヴァナが飼っていた犬の名前はマルヴィッツァ

よく飲んでいたヨーグルトの名前はモヤ・クラヴィッツァ

路肩に積まれて売られている細長いスイカはルベニッツァ



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天野 祐⼦ AMANO Yuko
https://yukoamano.com/

1985 茨城県⽣まれ
2008 武蔵野美術⼤学造形学部映像学科卒業
2010 武蔵野美術⼤学⼤学院造形研究科デザイン専攻写真コース修了
<主な個展>
2013 「unknown | renown」G/P gallery(東京)
2022 「Fractal」Kanzan gallery(東京)
<主なグループ展>
2015 「光の洞窟」kumagusuku(京都)
「カメラのみぞ知る」HAGIWARA PROJECTS(東京)
2018 「Lʼesprit parfaitement clair」mcd(リール、フランス) 2019 「⼤地の物語」 札幌⼤通地下ギャラリー500m 美術館(北海道) 2021 「BAIR retrospective exhibition」Center424(ベオグラード、セルビア) 2022 「See the Light」HAGIWARA PROJECTS(東京)
2023 「VOCA 展 2023」上野の森美術館(東京)
<受賞・その他>
2017 武蔵野美術⼤学パリ賞受賞
2020 「梅⽥哲也 イン 別府 『O 滞』」に写真家として参加(⼤分)

インフォメーション

『すべての火は火』 
2024年1月25日(木)

Kohhei Matsuda (BO NINGEN)
曽我大穂 (仕立て屋のサーカス)
Grimm Grimm

19:00 open
19:30 start
3,000yen

ドリンク持込可


天野祐子 写真展 セルビア 2018 2019

会期2024/01/12(Fri)- 2024/02/03(Sat)
会場 ツバメスタジオ3階
開館時間 ・休館日13:00-19:00
月火定休
チケット料金入場無料
URLhttps://todos-los-fuegos-el-fuego.peatix.com/view
お問い合わせ先tsubamestudio@gmail.com

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