本展は、これまでの写真展の概念を変える「企画展」です。
僕は14年に渡って詩人として生きてきました。写真は、自分の表現を広げるために始めて、5年ほど。作品は、グループ展には出してきましたが、個展は初めてになります。

写真の世界を見て感じてきたことがあります。
・写真は非言語コミュニケーションであって、自由解釈を良しとしていること
・メインビジュアルを含め、事前告知・提示と同じものが出ていること
・技術面ばかりに目が行き、裏側にある物語は、あまり注目されないこと
ここに疑問を覚えました。

そこで、事前告知と会場内展示は、全く異なる写真・デザインにして、メインビジュアルから徹底的に隠すことにしました。また、創作者の意図を正しく伝えるには、やはり言葉を尽くす必要があると考えて、4つの物語を撮影後、それぞれに詩を書き下ろし。以下のギミックを用意しました。

・会場内には、4編の物語それぞれの写真と、ナンバリングタイトルのみを展示
・4編の詩は便箋に手書きして封入、会場内各所に隠しました
便箋には、ナンバリングタイトルと同じものがあり、集めると1編の詩が出来上がります
・4編の詩のうち1編に【秘密の言葉】を隠しました
ノーヒントで見つけてくださった最初の方には、ささやかな贈り物を用意しています

言葉をつけることで写真の自由解釈をあえて閉ざした上で、来場者に能動的に楽しんで頂く、いままでになかった写真展の形を提示します。

また、本展は全編の前半のみ展示しています。後半の追加コンテンツを含めた全てはフォトブックに収めて、展示会終了後も楽しめる、より記憶に残る写真展に仕上げました。