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The Elemental II —天球の音楽

2024/10/15 - 2024/10/26

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陶芸・工芸・民藝 美術

ア・ライトハウス・カナタでは、2024年10月15日(火)より、グループ展「The Elemental II —天球の音楽」を開催いたします。2021年に開催し好評を博した「The Elemental —六つの宇宙」展以来3年ぶりの同テーマでの展覧会となり、本展では様々な分野での活躍が益々期待される才能豊かな6名の若手・中堅作家の亘 章吾(木工)、武井地子(日本画)、伊勢﨑晃一朗(陶芸)、藤掛幸智(ガラス)、柞磨祥子(漆芸)、須賀広大(金工)の新作を発表いたします。

古代ギリシャでは、宇宙に潜む全ての天体が独自の音色を発し、その協奏によって地球に住む私たちの日々を、見えざる力により左右すると思われていました。この「天球の音楽」と呼ばれる法則のように、異なる素材と技術を駆使し制作される6人の新進気鋭の作家に焦点を当て、一堂に集うことでそれぞれの「美」が共鳴し、より強く、そして深く響き合うことをテーマに構成された展覧会となります。

亘 章吾は、アイルランドを代表するJoseph Walsh Studioにて培った「積層曲木」の技法を用いて制作を行なっています。「積層曲木」は、型を要する一般的な曲木加工とは異なり、1mmほどに薄くスライスして重ねた板を、自身の手と身体を使って自在に曲げていく技法です。作品は一貫して、奈良県吉野地方の檜を用い、端から端までまっすぐ通った木目と無節な檜の美しさと、それを最大限に引き出す手業により、生命力あふれる三次元的な曲線美を生み出しています。

武井地子は、伝統的な日本画の技法を駆使しながら、独自の表現を確立してきました。一色の絵具を塗ったあとに乾かないうちに別の一色を垂らし、滲みの効果を出す「たらしこみ」や、「揉み紙」を用いて生まれる独特な絵肌、さらに、紙の表側だけでなく裏側からも描く、和紙ならではの技法を用いて、平面作品に空間や奥行き感、深みを出しています。洋画では成し得ないその力強い表現は、大きな存在感を放ち、今は世界で最も注目されている日本画家の一人です。

伊勢﨑晃一朗は、備前焼の人間国宝である伊勢崎 淳の長男として生まれ、類まれなるセンスと彫刻科で学んだ造形力で自身の路線を確立し、2022年度には「日本陶磁協会賞」を受賞しました。備前焼は加飾を施さない焼き物ですが、窯詰めの配置や、窯焚きの薪のくべ方により、さまざまな色合いと模様を生み出せます。伝統的な備前焼の技法のなかで、“備前の地の土”と真摯に向き合い、その特性を活かしながら、伝統と現代性を体現する作陶を続けています。

藤掛幸智は、ガラス工芸における複数の表現技法を独自に組み合わせることで、特徴的な造形を生み出し、2014年にはV&A美術館に作品が収蔵されるなど、早くから国内外の美術館に注目されてきました。制作過程においては、まずキルンワークで白い板ガラスを組み合せた直方体を作ったあと、吹きガラスの手法で変形させ、サンドブラスト加工を施します。硬いガラスと規則的なパターンが、たわんだり、歪んだり、膨らんだりといった、やわらかな動きをもつ形に変化していく過程の、その一瞬の形を捉えており、今は世界のガラス業界に大きな衝撃と影響を及ぼしている作家の一人です。

柞磨祥子は、黒漆が最も美しくみえる形を追求し、妖艶な魅力をもちながら液体のように自由で軽やかな形態をなす彫刻作品を制作しています。2021年には「京都市芸術新人賞」を受賞。麻布を何層にも貼り重ね、型から外して素地とする、古来より日本に伝わる「乾漆」技法を用いることで、自由な造形を可能にしています。日本と東アジアの古き良きものを取り込み、漆のもつ深い輝きと艶やかな美を現代美術に昇華させているのです。

須賀広大は、青銅(ブロンズ)鋳造と金属着色の工芸技法を用いて制作活動を行なっています。鋳造後に、塩化物、硫化物、硫酸塩、炭酸塩などの化合物を即興的にブロンズの表面に塗布することで、自然に形成されるパティナを引き出し、着色しています。須賀の作品において特に重要である鮮やかな緑と青は、塩化物と卑金属との化学反応によって引き出されるものであり、この自発的な色の変化こそが、予期せぬ美を実現しています。

今回の展覧会では、各作家新作を含む、23点をそれぞれ展示いたします。今後国内外でさらなる活躍が期待される6作家の最新作を、この機会にぜひご高覧ください。

インフォメーション

The Elemental II —天球の音楽

会期2024/10/15(Tue)- 2024/10/26(Sat)
会場 ア・ライトハウス・カナタ
開館時間 ・休館日11:00-18:00(最終日は16:00まで)
日、月曜日休廊
*全作家在廊日:10月15日(火)
チケット料金無料
お問い合わせ先info@lighthouse-kanata.com

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