「建築体操」は、2005年の東京都写真美術館の展覧会イベントに参加したりと、少しずつアート界にも浸透してきているようで、考案者としては嬉しい限りですね(笑)。 実はこの体操は、7年前に東京都江戸東京博物館と江戸東京たてもの園が合同で行った「東京建築展」(1999〜2000年)用に考案したものなんです。展覧会自体、今までの建築展にとらわれない内容を目指していました。だから展覧会と連動して行う教育普及プログラムの企画出しの際に、半ば冗談で「建築体操っていうのはどう?」と提案したんです。

建築体操のパフォーマー、江戸東京たてもの園 学芸員・高橋英久氏
自分でやるのはムリだけど(笑)、実際にこの体操をやったらきっと面白いだろうと思っていました。この時の会議で隣に座っていたのが、現在も建築体操のパフォーマンスを担当している江戸東京たてもの園の学芸員・高橋英久さんです。彼は、博物館教育を専門にしている、いわば「子どものプロ」。そこで彼に体操を実演してもらうことになりました。子どもたちに建築分野の教育を普及させる、という大義名分を前に「できない」とは言えなかったんでしょうねえ。
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