東京のアートシーンをアーティストとともに創り、発信する Tokyo Art Navigation
HOME トピックス 展覧会・イベント情報 美術館・劇場・活動スペース アーティストファイル アート作品ランキング コラム 支援制度・コンテスト情報
トップ > ステップアップ
 
ステップアップ
No.005
個展開催に結びつく公募に応募する
Step.5 作品ファイルの活用術

公募は、美術や文学、音楽、デザイン、建築など、さまざまな分野で開催され、審査によって優秀な作品を選出し顕彰します。現在活躍しているアーティストの中には、公募の受賞によって公の場で作品を発表し、ギャラリストやキュレーター、メディアに見出され、作家活動を継続している人も少なくありません。このような公募で審査対象にもなるのが、前回とり上げた作品ファイルです。今回は公募のための作品ファイルのつくり方、審査員の見るポイントを紹介します。記事を参考に作品ファイルを制作し、個展開催につながる公募に挑戦してみてはいかがですか。


公募における作品ファイルの制作ポイント

 シェル美術賞や写真新世紀など、若手芸術家の登竜門とされる公募は毎年定期的に開催されているものが多く、特定の公募に出品するため制作を進めるアーティストも中には存在します。その目的はアーティストによって異なるものですが、公募に参加することは、審査員を務めるギャラリストやキュレーター、美術評論家や大学教授に自分の作品を知ってもらう絶好の機会であることは間違いありません。また、仮に入選することができれば公に作品が公開され、メディアへの露出につながることもあります。何より制作を続けることを考えれば、賞金の獲得は大きなメリットです。

 このように参加することに意義のある公募も、手当たり次第応募すればいつかチャンスがめぐってくるというものではありません。公募によって応募人数は異なりますが、有名な公募は毎年数百から1000人近くが応募します。グランプリ選出まで概ね2〜3回の審査が行われますが、1次審査として書類や作品ファイル審査を実施。この段階で一気に数名から数十名までにしぼられます。とりあえずまとめた書類や作品ファイルでは、審査員の目に留まることすら難しいのです。前回ご紹介した「作品ファイルのつくり方」はギャラリーの方などに見せるためのものですが、公募のための作品ファイルは、自分が応募する公募の募集要項の内容に合わせてつくり直す必要があります。

 まず、作品ファイルのサイズ。前回はA4サイズ(29.7×21cm)のクリアファイルが一般的とお伝えしましたが、公募では大きめのB4サイズ(25.7×36.4cm)での提出を求めているところもあります。募集作品のテーマが設定されている場合は、自分の一押し作品が他にあったとしても、公募のテーマに即した内容の作品やコンセプトを打ち出さなければ、最初から審査の対象外になってしまいます。また、映像作品の見せ方には注意が必要です。DVDに収録した動画そのものを審査してもらえる場合もあれば、作品を5分以内に編集して提出する、あるいは映像の一部の静止画を出力紙にまとめるなど、公募によって規定が異なるからです。公募における作品ファイルは応募規定に準拠した上で、自分の個性が引き立つように工夫しなければなりません。


審査員は、作品ファイルのここを見る

 では、実際の書類審査では審査員は何に着目しているのでしょうか。当然、出品作そのものがすばらしい作品であればそれでいいのですが、いくら作品がよくても、作品ファイルが見にくかったり、作品のイメージや制作意図が伝わらなければ、審査を通過するのは難しいかもしれません。現代アートの公募で審査員経験も豊富な『美術手帖』編集長岩渕貞哉さんに、ファイル審査のポイントをお聞きしました。

 とくにコンペなどで作品ファイルを見るときは、その作家に将来性があるかどうかを見ています。その観点から以下の3つのポイントを重視しています。
1.作品について、そのコンセプトを自分の言葉で語れているか。作品の実物がないこともあり、作家の文章は重視しています。
2.アーティストの記録として残すべく、作品や展示の写真撮影のクオリティにコストをかけているか。アーティストとしての覚悟があるかが見えます。
3.作品を作り続けていく、粘り強さや頑固さのようなものがあるか。ファイルに載っている多くの作品を通底する、自分の世界観を持っているか。これは、ファイルを見る人の目も試されていると思いますが。

 もちろん公募や審査員によって考え方や着眼点、判断基準は異なります。中には作品ファイルの見栄えが悪くても、何か伝わるものがあればよいという審査員もいますが、数百人の中から選ばれるために必要なポイントは、岩渕さんのお話にあるように、作家としての覚悟が見えるかどうかというところではないでしょうか。


個展に結びつく公募に応募する

 作品が完成し、作品ファイルづくりのコツを覚えたところで、公募に挑戦です。ここに紹介するのはほんの一例ですが、受賞することで個展開催の権利を得られる公募の例です。個展開催はアーティストとしてキャリアを積むのに最適の経験ですので、活動の幅を広げたい方は、チャレンジしてみるとよいかもしれません。
※応募時期、資格はそれぞれ異なりますので、詳細は各HPでご確認ください。

岡本太郎 現代芸術賞(応募締切:2011年9月15日消印有効)
岡本太郎賞・敏子賞に岡本太郎記念館で作品展示の機会が与えられる
http://www.taro-okamoto.or.jp/taroaward.html

shiseido art egg(応募期間:毎年6月1日〜15日)
受賞3人(組)が資生堂ギャラリーで個展を開催できる
http://www.shiseido.co.jp/gallery/artegg

1_WALL(応募期間:HP参照ください)
グランプリはガーディアン・ガーデンで個展を開催できる
http://rcc.recruit.co.jp/gg/1_wall/index.html

トーキョーワンダーウォール(応募期間:HP参照ください)
入賞者12名は都庁壁面を使って個展を開催できる
http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/wonderwall/index.html


イラストレーション/ワタナベケンイチ
次回は…
作品写真の撮り方について紹介します。[9月15日(木)アップ予定]
 
ステップアップ

美大生やプロのアーティストを目指すみなさんの疑問に応えます。2011年4月から毎月1回、1年間を通してアーティストとして活動するためのノウハウを、実例をまじえて紹介していきます。

創作活動サポート
メンバー登録
東京のアートシーンを共に創造するメンバーを募集しています!
アーティストの方はこちら
あなたの作品や活動をTokyoから世界に向けて発信してみませんか?
サポーターの方はこちら
創作活動をサポートするギャラリーや稽古場の登録、展覧会やイベントを投稿できます。
メールマガジン登録申し込み
デジタルミュージアム
美術館・博物館の収蔵作品2万点以上の
デジタルアーカイブ
東京・ミュージアム ぐるっとパス
詳しくはこちら