庭園にとって、庭石は景観を引き締める重要なものです。庭の要所に置かれるものは「景石」、複数を組み合わせたものは「石組」、道として陸地や水辺に敷かれたものは「敷石」「磯渡り」などと呼ばれ、天然の色や形の美しさを愛でます。一方で、水鉢や石灯籠といった加工された石も、風流な趣を与えます。
清澄庭園では、園路に沿って50以上の景石が密に置かれています。関東大震災以降、庭園の面積が狭まったことも理由の一つだと思いますが、景色をつくるためというより、自慢の石コレクションを見てもらうための配置かもしれませんね。
それでは、センター長の滋野敦子さん、副センター長の井上直生(なおお)さんのお話も聞きながら、清澄庭園の中でも特徴的な石を中心に、見てまいりましょう。