アーティゾン美術館が建つ京橋は、江戸時代には職人の街として栄え、昭和には画廊や古美術商などが集まるエリアとなりました。現在、その地を舞台にアートや文化を核にした新しい街づくりを目指す「京橋彩区」プロジェクトが進行しています。アーティゾン美術館は、2024年の「京橋彩区」グランドオープンに先立ち、開館しました。
前身となるブリヂストン美術館は、実業家の石橋正二郎が収集したコレクションを公開するため、1952年に同地に開館、その運営母体である財団法人石橋財団は1956年に設立されました。京橋の一等地にある敷地と、モネやルノワールといった印象派や青木繁をはじめとする日本の近代洋画家の作品で親しまれてきたコレクションを受け継ぎ2020年に新しく誕生したのがアーティゾン美術館です。館名のアーティゾン「ARTIZON」は、「ART」と「HORIZON」(ホライゾン:地平)を組み合わせた造語です。幅広い世代、地域のお客様に対応する「多様性」、印象派中心のイメージから脱却し、新しい時代の夜明けを感じさせる「先取性」、既存の枠組みだけでなく、異なるものがぶつかり合うことで創造されるアートの新しい地平を目指す「開放性」、そして外国人にも理解しやすい「国際性」。この4つの基準から命名された館名は、同館の目指す新しい美術館像を示しています。