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西堂行人のトーキョー・シアター・ナビ
No.007
『秘密の花園』
	(1/13〜2018/2/4)
現代演劇に決定的な影響を与えた巨人・唐十郎の傑作戯曲に、テレビ脚本なども手掛ける俊英・福原充則が挑む! 個性的な実力派キャストが結集、「芝居のすべてとこの世のすべての要素が詰まっている」と演出家がリスペクトする唐作品がどう描かれるか、必見の公演です。
AD:永瀬祐一 撮影:西村淳
東京芸術劇場の「“RooTS”シリーズ」は現代演劇のルーツといえる60〜70年代に登場した劇作家の作品に若手・中堅の演出家が挑むもので、第五弾は巨匠・唐十郎の名作『秘密の花園』だ。

同シリーズでは、これまでつかこうへいの『ストリッパー物語』に三浦大輔が、清水邦夫の『狂人なおもて往生をとぐ』に熊林弘高が挑むなど、初演を観ていない世代が新しい視点でどう解釈し、舞台に起ち上げるかが毎回の妙味だった。今回の『秘密の花園』は「ピチチ5(クインテット)」の福原充則が演出を担当する。

唐十郎
唐十郎

福原充則
福原充則
©西村淳

この組み合わせがどういういきさつで成立したかは知る由もないが、リスキーな部分もある半面、楽しみでもある。
『秘密の花園』は下北沢・本多劇場の杮落しで、1982年に唐十郎が書き下ろした作品である。この舞台はあまりに大量の水を使った演出のため、会場が水浸しになったいわくつきの作品だ(演出は小林勝也)。その後、同作は唐自身によっても演出され、紅テントでも上演された。他では三田佳子主演で三枝健起が演出している(2006年)。
唐作品には年長の女性に憧れ、追慕しながら弄ばれる男の物語がよく綴られる。かつての状況劇場時代では、李礼仙(現・李麗仙)と根津甚八の役どころであり、ヒロイン、ヒーローのひとかたならぬ人生の綾は、物語の原型的な神話構造を具えている。

また唐作品の特徴は、言葉と言葉のからみあいが不意にイメージを飛躍させ、観客の心をどこか彼方に連れ去っていく腕力に魅力がある。例えば『秘密の花園』なら、日暮里のアパートの一室でのきめ細やかな描写のディテールがあってこそイメージの飛翔が成り立つ。求心的なリアルな構築があってはじめてドラマを飛躍させる遠心力が働くのだ。はなっから荒唐無稽であるわけではない。
唐のドラマを起ち上がらせるには、当然俳優の力量が問われる。寺島しのぶという重量感ある女優が「いちよ」を演じ、「アキヨシ」という頼りなげな年少の男を柄本佑が演じる。田口トモロヲ、玉置玲央など芸達者が脇を固める今回のキャスティングには注目したい。

『秘密の花園』

作: 唐十郎
演出・出演: 福原充則
出演: 寺島しのぶ、柄本佑、玉置玲央、川面千晶、
三土幸敏、和田瑠子、池田鉄洋、田口トモロヲ

[期間] 2018/1/13(土)〜2018/2/4(日)
[会場] 東京芸術劇場シアターイースト
(東京都豊島区西池袋1-8-1)
http://www.geigeki.jp/

『秘密の花園』
AD:永瀬祐一 撮影:西村淳
  • 寺島しのぶ
    © junji ishiguro
  • 柄本佑
  • 玉置玲央
  • 川面千晶
  • 三土幸敏
  • 和田瑠子
  • 池田鉄洋
  • 田口トモロヲ

(上段左から)寺島しのぶ、柄本佑、玉置玲央、川面千晶
(下段左から)三土幸敏、和田瑠子、池田鉄洋、田口トモロヲ

西堂行人(にしどう・こうじん) 演劇評論家。明治学院大学文学部芸術学科教授。1954年東京生まれ。78年より劇評活動を開始し、アングラ・小劇場演劇をメインテーマとする。主な著書に『演劇思想の冒険』『韓国演劇への旅』『[証言]日本のアングラ』『唐十郎 特別講義―演劇・芸術・文学クロストーク』(編)など多数。最新刊は『蜷川幸雄×松本雄吉 二人の演出家の死と現代演劇』。

西堂行人(にしどう・こうじん)

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