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2022年4月からQRコードチケットになって新登場!

電子版「東京・ミュージアム ぐるっとパス」を活用してみよう!

イベント・レポート

No.041

「東京・ミュージアム ぐるっとパス2022」は、都内を中心とした101の美術館・博物館などで利用できる入場券・割引券です。お得にアートを楽しめるツールとして、利用されている方も多いのではないでしょうか。

発売開始から20年を迎え2022年度からは、オンラインで購入できる「電子チケット」と、施設等の窓口で購入できる「ぐるっとパスカード」が登場。QRコードになり、より使いやすく、便利になりました。

販売価格は2,500円で、最初に利用した日から2カ月間、各施設の指定の展示に1回利用することができます。今回、この「電子チケット」を使って、今年新たに加わった参加館も含めて一日でお得に巡れるコースを体験してきました。


最近は美術館でも日時指定券をオンラインで購入する機会が増えてきましたが、誕生から20年となる「東京・ミュージアム ぐるっとパス2022」も、今年度からスマートフォン経由で購入できる電子チケット版が登場しました。

せっかくなら美術館の特色を活かした収蔵コレクションを楽しんでみたいと思い、近年リニューアルオープンした「泉屋博古館東京」と近隣の「大倉集古館」、そして今年度新たに加わった「豊島区立 熊谷守一美術館」の3つの美術館を、ぐるっとパスを使って巡ってみることにしました。

スマートフォンから簡単に購入

スマートフォンでのぐるっとパス購入画面

電子チケット版は、パソコンやスマートフォンから購入可能です。ぐるっとパスのウェブサイト(https://www.rekibun.or.jp/grutto/)にアクセスし、「オンラインチケット購入」を選択、チケット販売サイト「Webket」で会員登録をおこなって購入します。オンラインなので、時間や場所を問わず購入することができます。

使える施設一覧とエリアマップ

ウェブサイトでは、101の施設が7つのエリアごとに一覧で掲載されて、目的の施設が、ぐるっとパスを入場券として使えるのか、割引券として使えるのかを確認することができます。またエリアマップでは、美術館、博物館、動物園といった5つのジャンル別アイコンで施設の位置が示され、各施設間の距離や最寄駅からのルートも確認することができます。

「泉屋博古館東京」で住友コレクションを堪能

泉屋博古館東京の入口

最初に訪れたのは、今年3月にリニューアルオープンしたばかりの「泉屋博古館東京」(せんおくはくこかんとうきょう)です。最寄り駅の六本木一丁目駅からは徒歩3分の距離にあり、オフィスビルや高層住宅が立ち並ぶ再開発地区・泉ガーデンの一角、旧住友家麻布別邸の跡地に、2002年に開館しました。

専用端末でQRコードを読み込む

泉屋博古館東京は、一般1,000円の企画展、または一般1,200円の特別展にぐるっとパスのみで入場することができます。
受付ではさっそく、購入した電子チケット版「ぐるっとパス」のQRコードを自分のスマートフォンに表示させ、施設の専用端末で読み取ってもらうだけで入場できました。

泉屋博古館は、主に住友家十五代当主の住友吉左衞門友純(すみともきちざえもんともいと/号:春翠〈しゅんすい〉)が収集した青銅器、日本・中国の書画、近代絵画などのコレクション約3,500件(国宝2件、重文19件、重要美術品60件を含む)を京都と東京の2館に分けて所蔵しています。
来館した日は、「泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅰ 日本画トライアングル 画家たちの大阪・京都・東京」(2022年3月19日〜5月8日、会期終了)が開催されていました。

今年は全3期にわたってリニューアルオープン記念展(2022年3月19日〜10月23日)が開催され、日本画や近代洋画、古美術といった多彩な住友コレクションが楽しめます。

住友家の日本画コレクションにある大阪、京都、東京の三都で活躍した画家の作品で構成され、個人での活躍が目立つ「大阪」、写生を重視した「京都」、伝統と革新の表現が対立する「東京」と、三都のローカルカラーの違いが見て取れました。

リニューアルされた展示室はシックな色合いで統一され、作品をじっくり鑑賞できる空間となっています。また、新設された第4展示室は、白い壁紙と青い絨毯が敷かれた邸宅を思わせる空間に、泉屋博古館の歩みが年表で紹介されていました。

豊かな緑を眺めながらホットコーヒーで一息

展覧会観賞後は美術館併設の「HARIO CAFE」で、泉ガーデンの遊歩道を眺めながらコーヒーをいただきました。こちらのカフェでは、スマートフォンで展覧会の入場履歴を提示すると10%引きになりました。

「大倉集古館」で東洋の美に浸る

大倉集古館

カフェでひと休みをしたら、次の美術館へ。この六本木界隈は美術館やギャラリー施設が集まるエリアです。次の目的地の「大倉集古館」は、泉屋博古館から徒歩4分の距離にあります。
中国古典様式の建物は、近代を代表する建築家・伊東忠太の設計。1927年に竣工し、国の登録有形文化財に指定されています。
こちらも一般1,000円の企画展に、ぐるっとパスのQRコードを表示するだけで入場することができました。

開催していた「人のすがた、人の思い -収蔵品にみる人々の物語- 」(2022年4月5日〜5月29日、会期終了)では、宮廷や年中行事、生業、行楽といった人々の営みを映す絵画作品や、次世代へ思いをつなぐ和歌などが展示されていました。重要文化財の久隅守景《賀茂競馬・宇治茶摘図》では、通りを往来する人々や競馬の勝負の行方を食い入るように見つめる観客の様子が、いきいきと描かれています。

1階展示室正面

大倉集古館は実業家・大倉喜八郎が1917年に設立した日本で最初の財団法人の私立美術館です。明治維新後、日本の貴重な美術品が海外に流出することを憂い、それらの保護を目的として蒐集を志し、これらの文化財を広く一般に公開するために美術館を開館しました。現在、日本や東洋の美術品を中心に約2,500件(国宝3件、重要文化財13件、重要美術品44件)を収蔵しています。
1階、2階の展示室では、主に喜八郎が蒐集した日本・東洋の古美術と、嫡男の喜七郎が蒐集した日本の近代絵画を中心とする幅広いコレクションの中からテーマを設定した企画展や特別展が開催されています。

地下1階ロビーでは、現代作家の作品や仏教彫刻のほか、2014~19年にかけて行われた美術館の改修工事の記録映像も見ることができる(映像は展覧会により変更される場合があります)

今回訪れた「大倉集古館」と「泉屋博古館東京」のふたつの美術館の徒歩圏内には、ぐるっとパスの参加施設である「菊池寛実記念 智美術館」(きくちかんじつきねん ともびじゅつかん)もあり、展覧会の会期に合わせて、3つの美術館を訪れるプランも立てることができます。

「熊谷守一美術館」で小さな命を愛でる

豊島区立 熊谷守一美術館。アリの壁画が目印となっている

大倉集古館から10分ほど歩いて溜池山王駅へ、地下鉄を乗り継ぎ千川駅に到着しました。
3件目に訪れたのは、今年からぐるっとパスの参加施設となった「豊島区立 熊谷守一美術館」(くまがいもりかずびじゅつかん)です。

熊谷守一は明治から昭和にかけて活躍した油彩画家で、明快な線と色彩で身近な動物や植物を描きました。美術館は、守一が晩年の約45年間を過ごした旧宅跡地に、次女で画家の熊谷榧(かや)氏により私設美術館として開館、2007年から区立の美術館となりました。

1階はゆるい勾配のある造りになっている

開催中の特別企画展「熊谷守一美術館37周年展」(2022年4月12日〜7月3日、会期終了)は一般700円で、ぐるっとパスのみで入場することができました。

この企画展は、毎年、開館記念日である5月28日前後に開催されます。守一の故郷・岐阜県中津川市にある熊谷守一つけち記念館の所蔵作品を含め、油彩作品が多く展示されることもあって、この時期には多くのファンが訪れます。ブロック塀のような壁に小さな生き物や植物が描かれた作品が並び、庭を眺める守一の眼差しを追体験するようでした。

通常、1階と2階は常設展示室、3階は企画展や現代作家の個展が開催されるギャラリーとなっていますが、今回の企画展では3階のギャラリーに守一愛用の画材などが展示されていました。階段の壁にも、守一の生涯が写真で紹介されていました。

お得に楽しくミュージアム巡りを

マイページからは、利用履歴や利用期限の確認もできる

今回訪れた3館の美術館は、ぐるっとパスのみで入場できる施設です。入場料は合計2,700円で、なんと1日で元を取ることができました!購入から利用、管理までスマートフォン1台で完結しているため、外出先でふと思い立った時にも使えそうです。

ぐるっとパスの参加施設には美術館や博物館のほか、動物園や水族園、植物園・庭園も含まれています。「絵画と庭園で季節を感じる」「鉄道沿線のミュージアムめぐり」など、さまざまなテーマで計画が立てられそうです。
ぐるっとパスを活用すれば、2カ月間でお得にアート鑑賞を堪能することができます。皆さんもぐるっとパスで、ミュージアム巡りを楽しんでみませんか?

Text:浅野靖菜
Photo:中川周

「ぐるっとパスカード」

ぐるっとパス2022
「電子チケット」はパソコンやスマートフォンから、「ぐるっとパスカード」は対象施設の販売窓口などで購入可能。各種交通機関の乗車券とのセット販売も行っています。詳しくはぐるっとパス2022の公式ウェブサイトをご確認ください。

料金:2,500円(大人料金のみ)
販売期間:2022年4月1日(金)〜2023年1月31日(火)
有効期間:最初に利用した日から2カ月 ※最終有効期間は2023年3月31日(金)
https://www.rekibun.or.jp/grutto/

泉屋博古館東京
東京都港区六本木1-5-1
開館時間:11:00-18:00(入館は17:30まで) ※金曜日は19:00まで開館
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、展示替え期間、年末年始
https://sen-oku.or.jp/tokyo/

今後の予定:
泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅱ 光陰礼讃 ―モネからはじまる住友洋画コレクション」2022年5月21日(土)〜7月31日(日)
泉屋博古館東京リニューアルオープン記念展Ⅲ 古美術逍遙 ―東洋へのまなざし」 2022年9月10日(土)〜10月23日(日)

大倉集古館
東京都港区虎ノ門2-10-3
開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
休館日:毎週月曜日、展示替え期間、年末年始
https://www.shukokan.org

今後の予定:
特別展 「芭蕉布-人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事-」2022年6月7日(火)~7月31日(日)
企画展「合縁奇縁-大倉集古館の多彩な工芸品-」2022年8月16日(火)~10月23日(日)

豊島区立 熊谷守一美術館
東京都豊島区千早2-27-6
開館時間: 10:30-17:30(入館は17:00まで)
休館日:祝日問わず毎週月曜日、展示替え期間、年末年始
http://kumagai-morikazu.jp

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