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イベント・レポート
No.038
アーツカウンシル東京 外国人向け伝統文化体験プログラム--後編 浅草文化観光センター

浅草では、アーツカウンシル東京主催の外国人向け伝統文化体験プログラムの一環として、日本舞踊プログラムが毎週日曜日に開催されています。浴衣に身を包み、日本舞踊家に踊りを教わる約1時間のプログラム、今回は筆者も一般の方々と一緒に体験することに!


初めての和装に心躍る参加者たち

多くの観光客でにぎわう日曜日の浅草、雷門前に建つ浅草文化観光センターでは、浴衣を着て日本舞踊を体験できる伝統文化体験プログラムが開催されています。

現代的な建物には観光情報センターのほか、カフェや展望テラスも
現代的な建物には観光情報センターのほか、カフェや展望テラスも

同センター6階にある会場に入ると、係の方から足袋の形をしたソックスを手渡されます。早速私もこのソックスを履きながら周りを見ると、外国からの参加者の中にはうまく足の指を入れられず、お互いに手助けをしている姿もちらほらと。箏の音色が流れる中、カップルや親子、友人同士、また個人で参加しているヨーロッパやアメリカ、アジアなど12カ国からの参加者20名が和気藹々(わきあいあい)と準備を進めます。参加者の多くが浴衣を着るのは初めてなのでしょう。少し戸惑いながらも皆さんワクワクした嬉しそうな表情で、特に親子で参加している方はお子さんの着付けの様子をつぶさに撮影していました。

浴衣姿に大喜びのご家族
浴衣姿に大喜びのご家族

全員が浴衣姿になると、この日の先生である花柳静久郎(はなやぎ・せいくろう)さんがさっそうと登場してお稽古がいよいよスタート。今回教えていただくのは日本の代表的な楽曲である「さくらさくら」です。歌舞伎を発祥とされる日本舞踊は、男性が女性の踊りを踊るのが一般的という世界でも珍しい舞踊だそうで、今回の「さくらさくら」も女性の踊りとして振りが付けられていますが、老若男女どなたが踊っても良いそうです。


舞扇に込める意味

先生によるデモンストレーションの後、まずは舞扇(まいおうぎ)の扱い方について習います。舞扇は左手で扇の骨を支えながら右手の親指で押すように開くのですが、普通の扇よりもがっちりとしていてスムーズに開けません。周りを見渡すと、皆さんもおそるおそるといった様子です。
日本舞踊の中で、舞扇は様々な情景を表すのに使われます。開いた舞扇を上からひらひらと下ろすと雪、横に動かすと風、逆さに持つと山など、わずかな動きの違いで表現されるものが変わり、それぞれの情景を想像しながら舞扇を動かすことが大切です。「さくらさくら」でも花びらが落ちてくる様子を舞扇で表現しますが、手を柔らかく動かすのが難しく、舞扇を乱暴に扱うと「嵐になってますよ!」と注意されてしまいました。
ひととおりの振り付けを習うと早速曲をかけてのお稽古に入ります。デモンストレーションの時はゆっくりとした踊りに見えましたが、実際に踊ってみると足の置き方や手の向きなど気をつけなければならないことがたくさんあり、あたふたしているうちに1回目は終了。その後もう1度先生のお手本を見ながら練習して、最後は参加者だけで踊ります。落ちてきた桜の花びらを扇で受け、左手でつまんで「ふっ」と吹く姿はなかなか様になってきたような気がしましたが、はたから見るとどうだったのでしょうか…。

先生のお手本をまねて踊る参加者たち
先生のお手本をまねて踊る参加者たち


浅草に舞い降りた藤娘

続いて坂東はつ花さんが踊る「藤娘」という演目を鑑賞します。藤の花が描かれた着物と赤い帯を纏ったはつ花さんが藤の精を演じると、参加者からはその美しさにため息が聞こえてきます。藤の枝や舞扇、笠などの道具が登場する藤娘。自分で体験してみると、一つ一つの振りの細かな意味は分からないながらも、その繊細さ、難しさが実感されました。

優美なはつ花さんの踊りにうっとり
優美なはつ花さんの踊りにうっとり

これで1時間のプログラムは終了です。浅草文化観光センターの前を通りかかって偶然このプログラムを知ったという台湾人のご家族は、4歳の娘さんもとても楽しかったそうで、貴重な経験ができて良かったと話してくださいました。
静久郎さんにお話を伺うと、「海外からの旅行者にとっては日本舞踊を見るのは最初で最後の経験かもしれないので、できるだけ分かりやすく、言葉だけでなく体で伝えるよう心がけています」。また、はつ花さんは「海外の方は楽しいと思った時の反応が良く、私たちも普段とは違う経験ができます」とおっしゃっていました。

左からはつ花さん、筆者、静久郎さん
左からはつ花さん、筆者、静久郎さん

毎週日曜日、1日3回行われているこちらのプログラム。当日浅草文化観光センター1階受付で申し込みができます。

取材・文:池田絵里佳
撮影:櫛引典久

外国人向け伝統文化体験プログラム(日本舞踊)

会場:浅草文化観光センター6階(受付は同会場1階)
開催:2017年3月26日までの毎週日曜日(2016年7月31日、9月18日、12月11日、2017年1月1日、8日、2月12日、26日、3月12日を除く)
各日3回 11:30-12:30, 13:30-14:30, 15:30-16:30
定員:各回20名程度(先着順)
参加費:無料、年齢制限なし
主催:アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)
助成・協力:東京都
協力:公益社団法人日本舞踊協会(東京支部城東ブロック)
https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/events/11799/
※プログラムの内容が変更になる可能性もございますので予めご了承ください

 
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