ベートーヴェン:交響曲第5番ハ短調 作品67「運命」
[テオドール・クルレンツィス]
SICC30561 2,200円(消費税抜)
ソニー・ミュージックレーベルズ、2020年
誰もが知る、あの「ジャジャジャジャーン」の続きを、最新の演奏で聴いてみませんか? 今、世界中のクラシック音楽ファンがその動向を注視している指揮者クルレンツィス。彼はベートーヴェンの交響曲第5番についたイメージを綺麗さっぱり洗い流し、生々しく人間味のある音楽としてもう一度この作品を蘇らせることに成功しました。特に最後の第4楽章はロックのようにヘッドバンキングしたくなるような、血潮が自然と熱く燃え上がってくるほどのエネルギーに満ちています。これからのスタンダードとなり得る名演奏です。
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ集 Vol.1 「悲愴」「月光」「熱情」
[清水和音]
OVCT-00118 2,720円(消費税抜)
オクタヴィア・レコード、2015年
ピアノ作品でまずお薦めしたいのは《悲愴》《月光》《熱情》という副題で知られる、いわゆる三大ピアノ・ソナタです。ただ有名なだけではなく、ベートーヴェンを語る上で絶対にはずせない、初期から中期にかけての代表曲でもあります。演奏機会も多いだけに名演も数多く残されていますが、日本を代表するピアニスト清水和音の演奏は「質実剛健」という言葉がピッタリ。硬派で媚びない、ストイックな雰囲気は、ベートーヴェンの作品がもつ無骨な格好良さを最大限に引き出しています。
ベートーヴェン: ヴァイオリン・ソナタ全集
[庄司紗矢香/ジャンルカ・カシオーリ]
UCCG-90824/7 7,040円(税込)
ユニバーサル ミュージック、2020年
ベートーヴェンというと肖像画のいかめしい表情どおり、緊張感が高い音楽をイメージしますが、この有名なヴァイオリン・ソナタ第5番なら全4楽章すべて、肩の力を抜いて楽しめるはず。現役日本人ヴァイオリニストの最高峰として第一線で活躍する庄司紗矢香がイタリア人実力派ピアニストとタッグを汲んだ演奏は、ベートーヴェンがこの作品に込めたコンセプトがしっかりと表現されています。ヴァイオリンとピアノをどのように「対話」させながら音楽を紡いでいるのかが、手にとるように伝わってくるのです。
Beethoven : String Quartets Nos 1 - 16 [Complete]
[フェルメール・カルテット](廃盤)
Warner Classics UK、2004年
※一部の音楽配信サービスで視聴いただくことができます。
日本でもお馴染みの「第九」を除くと、ベートーヴェンの有名な楽曲は人生の中頃に集中しています。しかし作曲家として円熟期にあった晩年の作品に触れないのはもったいない! 偉大な芸術家が人生を費やしてたどり着いた境地が、弦楽四重奏曲第15番のなかに込められています。その最たるものが、作品の中心に位置する第3楽章です。ベートーヴェン自身が副題として「病の癒えたる者から神への聖なる感謝の歌」と付けているように、謙虚に神を讃えたこの楽章は、全作品のなかでも白眉となる最も感動的な音楽のひとつです。
BEETHOVEN -Must It Be? It Still Must Be-
[水野蒼生]
UCCG-1870 3,300円(税込)
ユニバーサル ミュージック、2020年
そもそもクラシック音楽のアコースティックな楽器によるサウンドが馴染めないという方にはこちらをお薦めします。指揮者でクラシック専門のDJでもある水野蒼生が、交響曲を1曲まるごとロックにしてしまった問題作。あの「ジャジャジャジャーン」がハードロックに変貌しているから驚きです! 第2楽章は懐かしき80年代の洋楽ポップス、第3楽章はプログレッシブロック、第4楽章はライヴ会場全体の興奮がピークに達するようなロックアンセム……と、原曲の構成を一切変えぬまま、サウンドだけを現代的にアップロード。一聴の価値ありです!
<完>