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トーキョー・アートエッセンス
No.034 リアルな活動とネットの情報にリンクを貼る
語り手:ART iT編集長 小崎哲哉さん
月に20〜30本の展覧会に足を運び、編集長を務めるウェブサイト『ART iT』で、アジア・パシフィックのアート情報を発信している小崎哲哉さんは、京都造形芸術大学客員教授として教鞭を執るなど、アートに関わる若手の育成にも尽力されています。今回は、若手アーティストのみなさんに向けて、メッセージをいただきました。創作活動の参考に是非!

ART  iTトップ画面。インタビュー、コラム、公式ブログといったコンテンツでは、アーティスト、キュレーター、批評家などのダイレクトなメッセージをまとめて見ることができる。
ART iTトップ画面。インタビュー、コラム、公式ブログといったコンテンツでは、アーティスト、キュレーター、批評家などのダイレクトなメッセージをまとめて見ることができる。
http://www.ART iT.asia/top

東京という都市と作品の発表について

 京都造形芸術大学で教えるようになってから関西に行く機会が増えて、若いアーティストの作品も見るんですが、関西の方が面白いアーティストを輩出しているかもしれないと思うんですよ。特に、京都市立芸術大学が面白い。森村泰昌さんをはじめ、椿昇さん、野村仁さん、中原浩大さん、やなぎみわさん、ヤノベケンジさん、高橋匡太さん、木村友紀さん、名和晃平さん、金氏徹平さん……。ダムタイプやキュピキュピのメンバーもいますね。全員京都にいたら京都派と言ってもおかしくないような感じで、いまのアートシーンを盛り立てています。そうは言っても、生活のことや世界を考えると、どうしても東京に出ざるを得ない状況があって、上京する人もたくさんいます。事実、ファインアートに関して言うと、コマーシャルギャラリーの大部分は東京にありますから。インフラ的な問題は必ずありますね。

 東京は、実際僕もここで暮らしているし、世界一ではないけど面白い街だと思います。東京で日本全体を代表させることはできないでしょうが、フランスのパリ、イギリスのロンドンと同様に、東京が日本の表玄関であることには間違いない。そういう意味では、東京から発信することは、ローカルで発信することとは違う意義があると思います。

 アーティストがどういう風に作品をアピールするかは、それぞれの姿勢の問題になると思うんですが、キーパーソンに会うのはそんなに難しくないのも事実です。アートは日本全国カバーしやすいし、つまりアート的な動きが起きるのは、ほとんどの場合が美術館、ギャラリー、オルタナティブスペース、そしてコンテンポラリーなフェスティバルで、関わっている人はそれほど多くない。だから、まずはそういう展示会場に行くことが大切だと思います。僕は展覧会に月20〜30ほど行きますが、「これは!」という作品にも出会います。実際の展示を見て「このアーティストは面白いな」とGoogleで検索したらART iTでブログを書いていた、そういう流れもあるかもしれませんが、アーティストはウェブサイト上に作品をアップして安心するのではなく、オフラインで何かをやることによって、リアルな活動とネットの情報にリンクを貼ることが重要だと思います。飲み会も重要な場ですね。


ART  iT連載「連載 編集長対談4:長谷川祐子(前編)」より。バンタンデザイン研究所主催の「TOKYO DAY STUDIO 100」では、毎回さまざまなゲストとの対談を行っている。講座の詳細は下記URLよりご確認ください。
ART iT連載「連載 編集長対談4:長谷川祐子(前編)」より。バンタンデザイン研究所主催の「TOKYO DAY STUDIO 100」では、毎回さまざまなゲストとの対談を行っている。講座の詳細は下記URLよりご確認ください。
http://daystudio100.com/tokyo/

若手アーティストに向けて

 若い人には、やっぱり勉強してほしいですね。勉強が要るジャンルですから。例えば、若手に開かれた公募展などに行くと、すごくやる気のある若者がいっぱいいて、さまざまな作品を出している。やる気は素晴らしいし、技術は訓練で上達するものだから完成度は高いものもある。でも、とっくの昔に誰かがやった表現と同じことをしているにもかかわらず、「これはオリジナルです」という顔をしている人が多い。無知は恥、ということを知ってほしいですね。アスリートが筋トレをするのと同じで、脳トレをしましょう。そして、先達や同輩の作品を見て考える。その積み重ねが大切だと思います。

 また、どこでも言われていますが、批評のシーンがかなりまずいわけです。何人か頑張って書いている人はいますが、若手批評家は圧倒的に不足している。特に、現代美術は「つくった! 燃え尽きた!」みたいな表現行為ではないから、美術史へのリファレンスはともかく、知的で言語的な操作がすべからく必要になってくる。それに対する返事を誰かが返さないといけないし、返さないままでは面白くないわけですよ。ART iTで田中功起さんが往復書簡の連載を提案してくれたのは、そういう批評シーンへのいら立ちがあったからだと思うんですね。僕も、なかなかできないでいるんですが、批評家を育成するメディアをつくりたいと思っています。

小崎哲哉(おざきてつや) 小崎哲哉(おざきてつや)

1955年東京生まれ。バイリンガルアートウェブマガジン『ART iT』発行人兼編集長。京都造形芸術大学客員教授。大学時代に単身渡仏し、1980年帰国。新潮社入社後の1989年、都市型文化情報誌『03 TOKYO Calling』を立ち上げ副編集長に就任。その後、松井今朝子監修による『デジタル歌舞伎エンサイクロペディア』で、財団法人マルチメディアコンテンツ振興協会主催の「1995年度マルチメディアグランプリ・パッケージ部門教育作品賞」、「仏MILIA D`OR 1996 審査員特別賞」を受賞。1996年、インターネットエキスポ日本テーマ館『Sensorium』のエディトリアルディレクション担当。1999年、日英バイリンガルのカルチャーウェブマガジン『REALTOKYO』(http://www.realtokyo.co.jp)創刊。2003年『ART iT』を創刊し、2009年よりウェブサイトへ移行(http://www.ART iT.asia/top)。

 
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